今週の【早わかり株式市況】303円安と続落、米中対立の強弱と先物売買に揺れる
■今週の相場ポイント
1.日経平均は303円安と続落
2.米中対立の強弱に揺れる
3.海外ヘッジファンドによる先物売買で乱高下
4.週央の急反発は円安基調が追い風
5.週末は利益確定売りが膨らみ失速
■週間 市場概況
今週の株式市場は、米中対立の強弱と先物売買に揺れる展開となり結局、日経平均株価は前週比303円(1.40%)安の2万1374円と2週続落して取引を終えた。週初めは中国通信機器最大手ファーウェイCFO逮捕で米中摩擦激化への警戒売りが膨らみ下げ幅が前週末に比べ一時600円超える場面があった。その後は為替の円安基調に加え、ファーウェイCFOの保釈や「中国製造2025」の見直し検討を受けて米中摩擦の緩和期待から先物主導による買い戻しで急反発したものの、週末は一転して利益確定売りや海外ヘッジファンド筋の先物を絡めた機械的な売りに押され失速した。
■来週のポイント
来週は欧米中心にクリスマス休暇に入り始めるため、前週に6000億円と巨額に売り越していた海外投資家の売買が細るとみられ、10月下旬以降続いた相場乱高下は落ち着くことが期待される。ただ、米中の動向には注視が必要だ。
重要イベントとしては、国内では19日-20日に開催される日銀金融政策決定会合や19日朝に発表される11月貿易統計、21日朝に発表される11月全国消費者物価指数が注目される。また19日に日本最大の新規公開で東証1部に上場するソフトバンク <9434> の初値も注目だ。海外では18日-19日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や18日発表の米国11月住宅着工件数に注視が必要だろう。
■日々の動き(12月10日~12月14日)
【↓】 12月10日(月)―― 急反落・一時500円超安、米中摩擦への警戒感で売り優勢
日経平均 21219.50( -459.18) 売買高13億8309万株 売買代金 2兆2704億円
【↓】 12月11日(火)―― 続落、朝高も米中貿易摩擦への警戒感拭えず
日経平均 21148.02( -71.48) 売買高14億7631万株 売買代金 2兆5012億円
【↑】 12月12日(水)―― 急反発、 米中摩擦緩和で広範囲に買い戻される
日経平均 21602.75( +454.73) 売買高14億8033万株 売買代金 2兆7885億円
【↑】 12月13日(木)―― 続伸、米株高・アジア株上昇でリスクオンの買い継続
日経平均 21816.19( +213.44) 売買高13億3279万株 売買代金 2兆3993億円
【↓】 12月14日(金)―― 急反落、アジア株安と米株先物安で利益確定売り
日経平均 21374.83( -441.36) 売買高18億7153万株 売買代金 3兆1637億円
■セクター・トレンド
(1)33業種中、31業種が下落
(2)国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油株は下げ止まらず
(3)東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は大幅続落
(4)コマツ <6301> など機械、東エレク <8035> など電機といった輸出株も売り続く
(5)王子HD <3861> など紙・パルプ、信越化 <4063> など化学といった素材株もさえない
(6)大日本住友 <4506> など医薬、サッポロHD <2501> など食品といったディフェンシブ株は下げ限定的
(7)東電HD <9501> など電力・ガス、商船三井 <9104> など海運業は上昇を確保
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(6) 5G ── 中国製通信機器排除で注目されアクセス数が2.3倍に急増
2(1) 人工知能(AI) ── “ベスト5”常連の人気テーマ
3(4) 国土強靱化(インフラ整備)
4(3) キャッシュレス決済
5(9) サイバーセキュリティ
※カッコは前週の順位
株探ニュース