今週の【早わかり株式市況】1208円安・1年3ヵ月ぶり安値に沈む、米株急落でリスク回避売り殺到
■今週の相場ポイント
1.日経平均は1208円安と急落、1年3ヵ月ぶり安値に沈む
2.米利上げを発端とする米株急落に連動安
3.投資家心理の悪化でリスク回避の売り殺到
4.為替の円高も下押し要因
5.値下がり銘柄は東証1部の98%を占める全面安
■週間 市場概況
今週の株式市場は米株急落を受けリスク回避の売りが殺到し、日経平均株価は前週比1208円(5.65%)安の2万0166円と大幅に3週続落、17年9月15日以来ほぼ1年3ヵ月ぶりの安値に沈んで取引を終えた。週末には一時2万0006円と2万円目前まで下げる場面があった。米連邦公開市場委員会(FRB)が19日に今年4回目の利上げを発表、併せて来年の利上げ回数は2回と利上げペースの減速を打ち出したものの、市場では利上げ停止を期待する声もあっただけに失望売りを誘ったほか、米景気後退への警戒感が改めて意識され、NYダウが急落し、年初来安値を更新した。これを受け、投資家心理が急速に悪化し、リスク回避の売りが殺到、連動する形で日経平均も急落した。
■来週のポイント
来週は週初こそ反動高が期待されるものの、このところ買い戻す勢いが弱いうえ、年末年始休暇を控えたポジション調整の動きもあるだけに大きな節目である2万円の大台を巡る攻防となる可能性がある。
重要イベントとしては、国内では28日朝に発表される11月鉱工業生産が注目される。同日は波乱の1年となった2018年を締めくくる大納会。海外では27日発表の米国11月新築住宅販売件数に注視が必要だろう。
■日々の動き(12月17日~12月21日)
【↑】 12月17日(月)―― 反発、米株安も目先筋の買い戻しが優勢
日経平均 21506.88( +132.05) 売買高13億6210万株 売買代金 2兆0651億円
【↓】 12月18日(火)―― 急反落、米株安に追随しリスクオフの流れに傾く
日経平均 21115.45( -391.43) 売買高16億2513万株 売買代金 2兆5098億円
【↓】 12月19日(水)―― 続落・2万1000円割れ、FOMC結果待ちで下値模索
日経平均 20987.92( -127.53) 売買高17億3903万株 売買代金 2兆8046億円
【↓】 12月20日(木)―― 急落・一時700円強の下落で、年初来安値を更新
日経平均 20392.58( -595.34) 売買高18億2122万株 売買代金 3兆0043億円
【↓】 12月21日(金)―― 4日続落、米株急落受け連日の年初来安値更新
日経平均 20166.19( -226.39) 売買高20億6731万株 売買代金 3兆5573億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種が大幅安
(2)原油下げ止まらず、国際石開帝石 <1605> など鉱業やJXTG <5020> など石油といった関連株が急落続く
(3)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は大幅続落
(4)コマツ <6301> など機械、ソニー <6758> など電機といった輸出株も大きく売られた
(5)楽天 <4755> などサービス、菱地所 <8802> など不動産といった内需株も軟調
(6)東電HD <9501> など電力・ガス、アステラス <4503> など医薬といったディフェンシブ株にも売りが広がる
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G ── 2週連続トップ
2(2) 人工知能(AI)
3(4) キャッシュレス決済
4(7) JPX日経400
5(5) サイバーセキュリティ
※カッコは前週の順位
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