前週末21日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

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2018年12月25日 5時20分

■カルナバイオ <4572>  901円 (-93円、-9.4%)

カルナバイオサイエンス <4572> [JQG]が続急落で年初来安値を更新。20日の取引終了後、18年12月期の連結業績予想について、売上高を11億9000万円から7億5300万円(前期比14.6%増)へ、営業損益を6億7900万円の赤字から11億3600万円の赤字(前期6億9900万円の赤字)へ、最終損益を7億5800万円の赤字から12億400万円の赤字(同7億3700万円の赤字)へ下方修正したことが嫌気された。創薬事業で、シエラ・オンコロジー社に導出したSRA141について、臨床試験開始に伴うマイルストーン400万ドルの今年度内での売り上げ計上を来期計上に修正したことに加えて、小野薬品工業 <4528> 向けの売り上げが減少し創薬支援事業の売り上げが計画を下回ったことが響いた。また、研究開発を積極的に行ったことも損益を押し下げた。

■ジャパンディスプレイ <6740>  72円 (-7円、-8.9%)

ジャパンディスプレイ <6740> が続急落。岩井コスモ証券は20日、同社の目標株価を200円から170円に引き下げた。投資判断は「A」を継続した。19年1-3月期について新型iPhone減産の影響を受けるものの、11月の会社側が発表したガイダンスから大きく乖離しない水準に着地すると見ている。なお、最大顧客向けノッチ付4辺狭額縁液晶の生産は順調であり、10-12月期は黒字転換できそうな点を評価している。大手顧客の液晶回帰は同社にとって大きなプラスとしており、期初計画通り業績が推移すれば再評価の余地はあると指摘している。今期営業利益率予想は従来の2~3%から1~2%へ引き下げたものの、通期は黒字転換との見方を継続し、19年3月通期営業利益は142億2000万円(前期は617億4900万円の赤字)を見込んでいる。

■日本エスコン <8892>  647円 (-24円、-3.6%)

日本エスコン <8892> が大幅続落。日証金が20日付で、日本エスコン株を貸株利用など貸借取引で注意喚起銘柄に指定すると発表した。貸借取引の規制強化に伴って、売買の自由度が制限されるとの見方から売りが優勢となったようだ。

■トヨタ自動車 <7203>  6,416円 (-213円、-3.2%)

トヨタ自動車 <7203> が4日続落。6400円台まで水準を下げ、10月25日につけた年初来安値6396円が視界に入ってきた。米国との貿易摩擦懸念はマイナス材料ながら、トランプ政権は交渉中は関税引き上げはないとの意思を示しており、株価は11月下旬から12月初旬にかけて戻り足をみせていた。しかし、ここにきて米国も含め世界景気の減速懸念が高まりをみせており、自動車販売の鈍化に対する思惑が買い手控えムードにつながっている。足もとは、外国為替市場で1ドル=110円台に入るなど円高基調が強まっていることで輸出採算悪化に対する警戒感も売りを誘っている。

■日本郵船 <9101>  1,708円 (-47円、-2.7%)

日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手をはじめ海運株が軒並み安。世界景気減速の懸念が高まるなか、物流需要が停滞するとの思惑に加え、足もとの円高基調も運賃をドル建てで決済する海運セクターにとってはネガティブ材料。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が前日20日時点で3日続落、60ポイント安の1318まで水準を切り下げており、同指数との株価連動性の高い海運セクターには逆風となっている。

■東海理 <6995>  1,765円 (-43円、-2.4%)

東海理化電機製作所 <6995> が続落。全般相場の下落に加えて、SMBC日興証券が投資評価「2」を継続しつつ、目標株価を2500円から2300円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。第2四半期及び下期に発生する製品無償回収費用(20億円)を織り込んだほか、労務費・研究開発費など固定費負担増を考慮し、19年3月期の営業利益予想を350億円から320億円に減額。20年3月期も固定費負担増は継続するため、同370億円から340億円へ下方修正したが、トヨタ増産による限界利益増分、製品無償回収費用一巡などから営業増益を予想している。なお、同証券による為替前提は1ドル=110円、1ユーロ=130円で、1円変動による営業利益段階の感応度はそれぞれ5億円と5000万円としている。

■日経レバ <1570>  16,130円 (-320円、-2.0%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が4日続落。一時600円安に売り込まれ1万6000円台を割り込む場面があった。NF日経レバが1万6000円台を割り込んだのは今年になって初めて。全体相場はリスクオフの流れが加速、大型、中小型を問わず一方通行に売り叩かれている状況で日経平均は2万円大台攻防の様相を呈している。日経平均にリンクしたETFでボラティリティは2倍の値動きを想定した設定となっている同銘柄も、目先下値を大きく探る展開で売買代金も大きく膨らみ、全銘柄中で断トツとなっている。

■JXTG <5020>  568.3円 (-8.8円、-1.5%)

JXTGホールディングス <5020> が6日続落で年初来安値更新、昭和シェル石油 <5002> も3日続落と売りに押されている。前日のWTI原油先物価格は2ドル29セント安と再び急落し1バレル=45ドル台まで水準を切り下げた。これは2017年7月以来、1年5ヵ月ぶりの低水準で、これを背景に米国株市場ではシェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー関連株が売り込まれ、全体指数押し下げに大きく影響した。この流れが東京市場にも波及しているが、両銘柄とも連日の下落で値ごろ感も生じており、下げ渋る気配をみせている。

※21日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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