すご腕投資家さんに聞く「銘柄選び」の技〈特別企画〉
大荒れでも全額投資を続ける!~「フルインベスター3人衆」座談会――第1回
登場する銘柄:三井倉HD <9302>、澁澤倉庫 <9304> 、安田倉庫 <9324>
金融機関出身のフリーライター。株式、投資信託、不動産投資などを中心とした資産形成に関連する記事執筆を主に担当。相続、税金、ライフプラン関連も数多く執筆。
乱高下する株式相場に投資意欲も減退気味になるが、こうした中でも果敢にフルインベストメントで投資に向かうすご腕投資家がいる。ファンダメンタル重視で銘柄選びを得意とするDAIBOUCHOUさん、www9945さん、とりでみなみさん(いずれもハンドルネーム、順不同)の3人だ。
『株探』では、この「フルインベストメント3人衆」に集まってもらい、2019年の注目銘柄や投資戦略について座談会を開いた。会では、個人投資家の情報源として注目度の高い『会社四季報』(東洋経済新報社)を活用しながら、銘柄選びのポイントなどを語ってもらった。
――昨年12月から急落を始めた日経平均株価は、年明けの大発会でも3%を超える強烈な下げとなり、株式市場はまさに厳寒期に入ろうという状況です。みなさんの昨年の投資成績はどのような状況でしたか。
DAIBOUCHOUさん(ハンドルネーム・以下、DAIさん): 私は保有株の配当と株主優待を考慮すると、マイナス1%くらいでしょうか。日経平均が高値を更新した9月末は20%くらいプラスだったのに、その分はあっさり溶けてしまった。ガッカリ感は否めないですね。
とりでみなみさん(ハンドルネーム・以下、とりでさん): だいたいマイナス14%くらいですね。11月まではプラス6%でなんとかもちこたえていたのに12月初旬の下げで信用買いを追加したため一気にマイナスに転落。ただ、一昨年より保有銘柄数を増やして分散効果を高め、大型株の比率も厚めだったので、この程度の下げで済んだと振り返っています。
www9945さん(ハンドルネーム・以下、9945さん): 強気で保有していたエリアリンク<8914>の大幅な下げを食らってしまって、ポートフォリオ全体では16.7%もやられてしまう結果に……。何といっても、同社株は5月の高値から一転して年末までに60%も下落。これが痛かったです。
投資歴約25年の現在は専業投資家。年収300万円の清掃員時代に、100万円を元手に始めた株式投資で4億円以上の財産を築きあげたサラリーマン投資家の星。投資スタイルは割安株重視で、高配当でじわじわと上昇する銘柄が好き。日本株以外にも米国株やベトナムなどの海外の割安株にも手を広げている。趣味は銘柄発掘も含めた街角ウォッチング。株探プレミアム専用コラム「すご腕投資家さんに聞く 『銘柄選び』の技」に参考記事を掲載。
キーワードⅰ~「現金にしてしまうと好機を逃す」
――相場が厳寒期入りしたような局面でも、3人とも基本的にはフルインベストメントという姿勢ですね。現金比率を高めて守りの姿勢に入るなど、運用方針を変えることはないのですか?
とりでさん: 私は基本、超・長期投資というスタイルなので、目先の株価変動にはさほどとらわれずに企業の大きな株価上昇のうねりを見据えています。自分の描いた成長ストーリーに揺るぎがなければ、調整局面では「売りたい」という気持ちよりむしろ「買い増したい」という気持ちが起こりますね。
ただ、今年は株価の乱高下が予想されるので、ある程度株価が上昇して、ポートフォリオ内でウエイトが高まった銘柄は適宜、一部利益確定してリバランスをまめに行うなどの工夫も加えて資産の目減りを極力抑えていくつもりです。
IT関連企業に勤める兼業投資家。投資歴は約17年。使用中の証券口座のパスワードを度々忘れてしまうほどの、自称「超・長期投資家」。銘柄選択をじっくり行い、あとはほったらかしにして長期的な株価上昇を待つスタイルを基本方針とする。投資する銘柄の市場全体の成長力を重視し、5~10程度の主力銘柄に絞った投資を行う。2017年に「億り人」達成、現在も着実に資産拡大中。
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