【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 新興市場に灯った先高予見のサイン

市況
2019年1月20日 9時30分

「新興市場に灯った先高予見のサイン」

●次に来る悪材料は小さなものとなる

完全に安堵しているわけでないが、クライシス(危機)映画なら1難、いや3~5難を切り抜けた。こんな感じだ。

もちろん、映画は時間が限られているのに対し、株式市場にはそれがないため、新たなクライシスが待ち構えていることは十分あり得る。しかし、いまのところ大きなクライシスを乗り越えたところなので、次に来るかもしれないそれはさほど大きなものにはならないだろう。悪材料には“強弱”があり、「強」それも最大級のそれの次は「弱」になる可能性が高いからだ。

それに注目したいのは、 NYダウ NASDAQのチャートだ。ともに昨年12月下旬に安値(NYダウは12月26日、NASDAQは24日)をつけて以降、今月の月初に一時的に小反落したものの、その後は堅調そのものの上昇となっている。

その間、米中貿易戦争については、米中両国の協議が進んでいるとの報道はあったものの、中身については信じるに足る情報はなく、実質的にはほとんどなにも進展していないに等しい。ただ、市場金利の引き上げ方針を明確にしていたFRB(米連邦準備制度理事会)が、今年になって明らかに方針転換した。これは明確な支援材料であり、米国市場はこの材料に支えられていると見てよい。

東京市場はいまのところ米中貿易戦争の行方をまだ懸念しているところ。そのため、投資に積極的になれない――これが実情ながら、意外なところに先高を予見させる兆しが見えている。

ジャスダックマザーズ市場が米国市場との連動性を高め、続伸しているのだ。両市場にも機関投資家は参加しているのだが、主役は積極派の個人投資家達である。両市場が復調中であるということは、彼らが買いを入れていることになる。

●「買い頃」とみた積極派の個人が動く

では、何か買い材料となるものがあるのか? 具体的なそれがあるわけではないだろう。それでも買いが増えているのは、投資の経験則から「この辺りが買い頃だ」との判断が働いているとみてよい。これは直感頼りということになるだろうが、私に言わせると投資の実績に基づいた経験則によるもので、信頼度は意外に高い。

ここはそれを信じて、次のような銘柄に注目だ。まずは「いますぐ上がらなくても構わない。そのうち上がればいい」という投資家の方向けにドラッグストア大手のウエルシアホールディングス <3141> だ。業績的には何ら問題はないが、株価は売り崩されて谷底にあるため、今後、次第に見直されるとみる。

あまりに期待されすぎたためか、失望売りが続いていた資生堂 <4911> も、ようやく蘇生の兆しを見せ始めている。これまた急回復は無理だろうが、復活方向にある。同様の銘柄としてピジョン <7956> の現在水準も安全度は高い。

厚生労働省の「毎月勤労統計」の不正調査問題で改めて認識されたのが、データ収集の難しさである。対象企業を全調査するのが容易ではないことは分かっているが、やらねばならないものならばネットの活用が望ましい。そこで、ネットマーケット調査に強いマクロミル <3978> だ。

中国関連という理由で売られ続けてきたコマツ <6301> や日立建機 <6305> もようやく正当に評価され始めた。まだ上がり切ってしまったわけではないため、小反落があれば見逃さないようにしたい。

最後に、企業間物流に強いSGホールディングス <9143> だ。株価は高値圏ながら、宅配便も好調をキープしているため、株価は続伸する確率が高い。

2019年1月18日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.