後場に注目すべき3つのポイント~値がさハイテク株けん引、3月高値超えが目先の焦点に

市況
2019年4月4日 12時43分

4日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は続伸、値がさハイテク株けん引、3月高値超えが目先の焦点に

・ドル・円はもみ合い、材料難で乏しい方向感

・値上がり寄与トップは、TDK<6762>、同2位は東エレク<8035>

■日経平均は続伸、値がさハイテク株けん引、3月高値超えが目先の焦点に

日経平均は続伸。55.64円高の21768.85円(出来高概算6億0077万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、3月ADP雇用統計が1年半ぶりの低調な伸びとなったほか、ISM非製造業景況指数も予想を下振れたものの、米中貿易交渉の合意が近いとの報道を好感する流れが優勢となったことから、米主要3指数は揃って上昇。シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円高の21760円になった流れから、本日の東京市場は買い先行でのスタートを切った。物色としては、ハイテク比率の高いとされるNASDAQ総合指数の5営業日続伸や米SOX指数の過去最高値更新などを受け、東京市場でも値がさハイテク株がけん引する格好であった。また、前場中ごろから取引が開始され、堅調な動きをみせた上海総合指数をはじめとしたアジア株の動向も支援材料として意識された。

セクターでは、海運業のほか、電気機器、石油・石炭製品、輸送用機器が1%を超える上昇となったほか、金属製品や機械も堅調。一方で、鉱業、パルプ・紙は2%超の下落に。売買代金上位銘柄では、キーエンス<6861>、東京エレクトロン<8035>、安川電機<6506>、楽天<4755>などが上昇した。需給面でも足元で外資系証券の空売り残高の積み上がりが意識されていたアドバンテスト<6857>やSUMCO<3436>、太陽誘電<6976>などは買い戻し圧力が意識された動きとなっている。前日の米国市場では、台湾TSMCがアンドロイド携帯の新機種などに使われる半導体の生産を加速させていると報じられたことで、半導体関連株の強い動きが継続し、SOX指数は過去最高値を更新した。これを受け、東京市場でも半導体関連を中心としたハイテク株が相場のけん引役となっている。

そのほか海外市場では、英下院が3日、欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」を阻止する法案を僅差で可決したことが明らかになっている。与党保守党内の離脱強硬派は、来週にも合意がないままEUを離脱すること望んでいたものの、議会はこれを拒否することとしたとみられる。足元で英国のEU離脱時期を巡る情勢は流動的だが、前述の通り現状のリスクシナリオであるとされる「合意なき離脱」を阻止することが可決されたことから、いったんは投機筋によるリスク回避目的のポンドのショートポジションを縮小する動きが観測されている。ポンド買い・円売りの取引も増えることから、短期的なドル・円の相場動向にも影響を与える可能性がありそうだ。

現状の前引け時点の為替相場では、朝方からやや円安基調となっていたドル円・クロス円とも動きに落ち着きがみられている。そんななか、前引けにかけて高値こう着感の意識されたハイテク株のほか、トヨタ自動車<7203>などの輸出関連などに対する物色の継続動向に後場も注目が集まろう。日経平均は3月4日につけた同月高値21860円レベルまでの戻りを試す展開が視野に入りつつあり、今週の間にこちらの水準を上抜けるかどうかが一つの焦点となってこよう。

■ドル・円はもみ合い、材料難で乏しい方向感

4日午前の東京市場でドル・円はもみ合い。材料難のなか、日本株や中国株をにらみながら方向感の乏しい値動きとなった。

ドル・円は、米中通商協議での合意期待や中国経済の減速懸念後退を背景にリスク選好的な地合いで、111円半ば付近での推移が続く。ただ、具体的な材料が乏しいなか株価に振らされる展開で、方向感は定まっていない。

ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移し、目先の日本株高継続を見込んだ円売りの基調に変わりはない。ただ、明日の米雇用統計を見極めようと、午後の取引でもドル買いは入りづらい見通し。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は111円36銭から111円52銭、ユーロ・円は125円22銭から125円34銭、ユーロ・ドルは1.1233ドルから1.1247ドルで推移している。

■後場のチェック銘柄

・霞ヶ関キャピタル<3498>、テックポイント<6697>など、4銘柄がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップは、TDK<6762>、同2位は東エレク<8035>

■経済指標・要人発言

【要人発言】

・米ホワイトハウス

「トランプ大統領が本日、劉鶴中国副首相と会談する予定」

・安倍首相

「危機があれば円が買われるように、日本の信用は十分にある」

・黒田日銀総裁

「粘り強く現在の金融緩和を続けていく」

「2%の目標達成にはなお時間を要する」

<国内>

・12:35 30年国債入札の結果発表

<海外>

・15:00 独・2月製造業受注(前月比予想:+0.3%、1月:-2.6%)

《HH》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.