話題株ピックアップ【夕刊】(1):オンコリス、ソニー、日金銭
■オンコリス <4588> 2,565円 +500 円 (+24.2%) ストップ高 本日終値
オンコリスバイオファーマ<4588>がストップ高。8日の取引終了後、中外製薬<4519>との資本・業務提携を締結し、中外薬を割当先とする第三者割当増資を実施すると発表しており、これが好感された。4月24日を払込期日として45万6600株(発行価額1752円)を発行し、約7億9500万円を調達する。調達資金は、オンコリスが開発中のがんに対するウイルス療法である「テロメライシン(OBP-301)」の製造や、それに関する各種管理体制の構築にあてる方針だ。オンコリスは同時に、テロメライシンの日本・台湾における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンスを中外薬に付与すると共に、日本・台湾・中国・香港・マカオを除く全世界における開発・製造・販売に関する独占的オプション権を中外薬に付与するライセンス契約を締結したと発表しており、これも好材料視されている。これにより中外薬は契約一時金としてオンコリスに5億5000万円を支払うほか、臨床試験において一定の効果が確認され、中外薬が上記の独占的オプション権を行使した場合には、中外薬が支払うライセンス契約総額は500億円以上になるとしている。さらに、テロメライシンの上市後は、中外製薬におけるテロメライシンの売上額に応じた販売ロイヤルティーを、ライセンス契約総額とは別に、中外薬がオンコリスに支払うとしている。さらにオンコリスは、テロメライシンが、厚生労働省の定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されたと発表した。「先駆け審査指定制度」は、世界に先駆けて日本で開発され、早期の治験段階で著明な有効性が見込まれる革新的な医薬品について、優先審査をする制度。今回の指定により、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から薬事承認にかかる相談・審査の優先的な取り扱いを受けることが可能となるため、同社ではこの利点を生かして早期の実用化を期待するとしている。
■技研製作所 <6289> 3,770円 +335 円 (+9.8%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
技研製作所<6289>は大幅に6日続伸し、年初来高値を更新した。同社は8日取引終了後に、19年8月期第2四半期累計(18年9月~19年2月)の連結営業利益が32億900万円(前年同期比1.3%増)になったと発表。18年12月~19年2月に限れば連結営業利益が18億9800万円(前年同期比17.7%増)となっており、これが好感されたようだ。第2四半期累計の売上高は141億7300万円(同1.6%増)で着地した。防炎・減災需要の高まりを追い風に、インプラント工法の市場が拡大し、主力の建設機械事業が堅調だったことなどが寄与した。なお、通期業績予想は売上高321億円(前期比10.2%増)、営業利益64億2000万円(同7.4%増)とする従来計画を据え置いている。
■ソニー <6758> 5,250円 +445 円 (+9.3%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
ソニー<6758>が急反発。ロイター通信が8日付で「ヘッジファンドの米サード・ポイントが、ソニー株を買い増して、同社に改革を求めようとしていることが関係筋の話で8日分かった」と報じており、思惑的な買いが入った。記事によると、サード・ポイントはソニーに対して、一部事業部門を巡り選択肢の模索を求める意向としている。なお、同ファンドは13年にもソニー株を保有し、エンターテインメント事業の分離などを提案していた。
■日本金銭機械 <6418> 1,229円 +97 円 (+8.6%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率8位
日本金銭機械<6418>、グローリー<6457>、高見沢サイバネティックス<6424>、ムサシ<7521>などが水準を切り上げたほか、OKI<6703>、東芝テック<6588>なども大きく買い優勢となった。政府・日銀が2004年以来となる紙幣刷新を行う方針が伝わっており、これを材料視する形で、紙幣識別機大手の日金銭や払い戻し機メーカーのグローリー、ATMで断トツのシェアを誇るOKIなどをはじめ、関連銘柄に人気が集中した。
■日揮 <1963> 1,678円 +114 円 (+7.3%) 本日終値
日揮 <1963> が急反発。8日大引け後、19年3月期の連結最終利益を従来予想の100億円→210億円に2.1倍上方修正。従来の39.7%減益予想から一転して26.6%増益見通しとなったことが買い材料視された。一部海外案件の早期完工などに伴い、法人税等計算上の課税所得が計画を大幅に上回る見通しとなった。これを受けて、外国税額控除の適用による二重課税の排除により実効税率が低下することが上振れの要因。業績上振れを踏まえ、期末一括配当を従来計画の12円→25円(前の期は25円)に大幅増額修正したことも支援材料となった。
■アンリツ <6754> 2,251円 +89 円 (+4.1%) 本日終値
アンリツ<6754>が3日続伸。3月28日の2002円で目先の底値を確認した後はジリ高展開となり、テクニカル的にも目先5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを示現、上値慕いの動きを強めている。5G関連では同社が製造する通信計測器が海外で高水準の需要を捉えている。国内でも今後、国策の追い風を背景に基地局インフラが加速する見通し。5Gの電波については総務省が割り当てる形となるが、全国でスマートフォンなどに使う電波は通信メガキャリア3社と楽天モバイルに10日に割り当てられる見通し。官民を挙げて5G普及に向けた取り組みが進むなか、アンリツはその象徴株として改めて注目される流れにある。
■サイバーエージェント <4751> 4,360円 +145 円 (+3.4%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>が続伸。8日、三菱地所<8802>と共同で、ロボットならではのコミュニケーションの可能性を検証する接客対応の実証実験を実施すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。実証実験の第1弾として、ヴイストン(大阪市西淀川区)のコミュニケーションロボット「Sota(ソータ)」を活用した実証実験を、三菱地所グループの複合施設「サンシャインシティ」(東京都豊島区)で開始した。サイバーはロボットサービス事業部を設立し、ロボットを活用した接客ソリューションの開発に取り組んでおり、第2弾では、6月7日からシャープ<6753>の「RoBoHoN(ロボホン)」とソフトロボティクス(東京都港区)の「Pepper(ペッパー)」を、三菱地所グループのロイヤルパークホテルズアンドリゾーツが運営するホテル「ザ ロイヤルパーク キャンバス 大阪北浜」に設置するとしている。
■楽天 <4755> 1,114円 +24 円 (+2.2%) 本日終値
楽天<4755>が全般軟調地合いのなか利食い売りをこなし5日続伸。2017年12月以来の高値圏で強調展開を継続している。米国株市場では今年3月末に配車サービスを展開するリフトが鳴り物入りで新規上場したが、上場後は乱高下を続けている。このリフト株に出資する楽天もその値動きに連動しやすくなっている。ただ、目先は総務省があす10日に全国でスマートフォンなどに使う5G関連の電波で通信メガキャリア3社とともに楽天モバイルにも割り当てられることで、5G関連としての切り口で買いが先行しているようだ。
■富士フイルム <4901> 5,282円 +78 円 (+1.5%) 本日終値
富士フイルムホールディングス<4901>が3日続伸し、新値追い。傘下の富士フイルムはきょう、京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学と共同で、人工知能(AI)技術を用いた間質性肺炎(肺に炎症が生じ、肺が硬くなる病気の総称)の診断支援技術を開発したと発表。同社は20年度中に自社の医療機関向けシステム上でこの技術を使用できる画像診断支援機能の実用化を目指すとしている。共同開発した技術は、AI技術を活用したソフトウェアが、CT画像から肺野(はいや)内の気管支、血管、正常肺および、網状影やすりガラス影、蜂巣肺(ほうそうはい)など肺の7種類の病変性状を識別し、自動で分類・測定することで、間質性肺炎の病変を定量化するもの。さらに、肺野内における病変の分布と進行状態が詳細に確認できるよう、肺野を12の領域に分割し、その領域ごとに病変の容積および割合を表示する。
■すかいらーく <3197> 1,822円 +21 円 (+1.2%) 本日終値
すかいらーくホールディングス<3197>は4日続伸。8日の取引終了後に発表した3月度のIRレポートで、既存店売上高が前年同月比3.1%増と8カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年と比べて日曜日が1日多かったことに加えて、ガストで3月7日にグランドメニューを改定し、サラダやグリーンスムージーなど健康を意識したメニューを強化したことなどが寄与した。
株探ニュース