話題株ピックアップ【夕刊】(3):コマツ、エクストリム、キャンバス

注目
2019年4月10日 15時21分

■伊藤米久HD <2296>  677円  -6 円 (-0.9%)  本日終値

伊藤ハム米久ホールディングス<2296>は3日続落。SMBC日興証券は9日付で、投資評価を「3」から「2」へ引き上げた。ただ、目標株価は730円から690円へ引き下げた。株価には「マルチプルに底打ち感がある」としているが、同時に「ファンダメンタルに改善の兆しが見られない」とも指摘している。投資評価引き上げの理由として、株価は1年先PBRが解散価値並みの0.8~0.9倍まで調整しており底打ち感が出ていることを挙げている。一方、同証券では加工業界が混とん状態にあるなか、同社に求める最適解は「真の意味での経営統合」としている。しかし、依然として製造・営業部門が、事業会社ごとに存在する状態、事業会社をまたいだ商品数削減など、機能統合は道半ばとしている。19年3月期営業利益について、従来予想の210億円に対して会社側計画同様の150億円(前の期比30.4%減)へ、20年3月期の同利益は、従来予想の200億円に対して、前期推定比8.7%増の163億円になると予想している。

■コマツ <6301>  2,791円  -18 円 (-0.6%)  本日終値

コマツ<6301>、日立建機<6305>など建機株が軟調。トランプ米大統領は9日、EUが航空機大手エアバスに支給する補助金を不当として110億ドル分のEU製品に関税を課す意向を表明した。これを受けて米欧間の貿易摩擦に対する懸念が改めて浮上している。前日の米国株市場では建機大手のキャタピラーなどが売られ全体指数を押し下げたことから、東京市場でもこれに追随する動きとなっている。もっとも市場では、両銘柄とも4月に入ってから急速に株価水準を切り上げてきただけに、目先利益確定売りを出す口実にされたに過ぎないとの見方もある。

■バンナムHD <7832>  4,980円  -15 円 (-0.3%)  本日終値

バンダイナムコホールディングス<7832>は底堅い動き。この日、19年配信予定のスーパーロボット大戦シリーズ最新アプリ「スーパーロボット大戦DD」の事前登録件数が25万件を突破したと発表しており、これを好材料視した買いが下値に入ったようだ。「スーパーロボット大戦」は、さまざまなアニメーションに登場したロボット達が作品の垣根を越えて一堂に会し、共通の敵と戦うシミュレーションRPG。今回の事前登録者数25万件突破を記念して、大張正己氏描き下ろし特製壁紙の配布が決定したという。

■エクストリーム <6033>  2,552円  +500 円 (+24.4%) ストップ高   本日終値

エクストリーム<6033>が突発人気化。スマートフォン向けゲームの受託開発や技術者の派遣を展開し、スマートフォンゲーム「ラングリッサー」のヒットで業績は急拡大歩調にある。株価は3月27日に2694円の戻り高値をつけた後は調整色を強めていたが、2000円近辺で売り物が枯れ、きょうは満を持して切り返しに転じた。市場では「材料に反応したということではなく自然発生的な物色人気。きょうは、朝方に大口の買いが入り、個人のデイトレーダーの売り買いが交錯するなか回転売買で水準を切り上げる形となった。主力株全般が手掛けづらく、ゲーム関連株などに物色の矛先が向かいやすいタイミングだった」(国内ネット証券)としている。持続性には疑問が残るが、2500円から3000円台前半はマドを開けて急落したゾーンで、滞留出来高が少ない真空地帯であることから一段の上昇もあり得るとの見方がある。

■キャンバス <4575>  874円  +150 円 (+20.7%) ストップ高   本日終値

キャンバス<4575>がストップ高。国立がん研究センターが9日に発表した02~05年にがんと診断された患者の10年後の生存率で、膵臓がんが5年生存率、10年生存率とも最も低かったとしている。同社では、現地時間の4月2日に行われた米国がん研究会議(AACR)年次総会で発表された、抗がん剤候補化合物CBP501のフェーズ1b臨床試験のデータで、多数の既治療歴のある症例において、膵臓がんで50%・胆管がんで50%の病勢コントロール率、さらに、免疫チェックポイント抗体単独で効果がないことがわかっているマイクロサテライト安定直腸大腸癌でも部分奏効1例という、有望な試験結果を報告したとしていることから、有望な膵臓がん治療薬になる得るとの期待が買いにつながっているようだ。

■ビープラッツ <4381>  4,380円  +595 円 (+15.7%) 一時ストップ高   本日終値

ビープラッツ<4381>は大幅高で3日ぶりに反発。9日の取引終了後、NTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)とサブスクリプションビジネスの支援サービスで協業することになったと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の協業は、NTTコムが提供予定の「サブスクリプションビジネス支援サービス(仮称)」において、ビープラッツの主力製品であるサブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats(ビープラッツ)」を活用するというもの。ビープラッツでは、「Bplats」を通じて各産業のビジネス変革に貢献するするという。

■サノヤスHD <7022>  271円  +23 円 (+9.3%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

サノヤスホールディングス<7022>が全体悪地合いに大きく逆行。4月に入ってから低位株に相次いで動意する銘柄が目立っているが、同社株はその先導役で1日にストップ高に買われた後も、高水準の商いをこなし上値追い態勢を継続している。発端となったのは29日引け後に発表した19年3月期業績の上方修正。建設工事用エレベーターのレンタル稼働や化粧品製造装置の売り上げが拡大、合理化努力も奏功して営業損益が従来予想の8億円の赤字から10億円の黒字見通しに変わったことが株価に強いインパクトを与えた。年間配当は5円を継続するなど株主還元姿勢もしっかりしており、そうしたなかで0.6倍前後のPBRが株価の是正高を誘発する形となっている。更に注目すべきは信用取組。売り買いともに急増し、信用倍率は1.15倍(5日申し込み現在)と拮抗、需給相場の様相を強めている。

■テックファム <3625>  1,320円  +105 円 (+8.6%)  本日終値

テックファームホールディングス<3625>が大幅高で3日続伸。きょう付けの日本経済新聞朝刊で、「2019年6月期の連結純利益は前期比2.6倍の6億円程度になる見通しだ」と報じられており、会社側の従来予想である2億円を大きく上回り、一転大幅増益で過去最高を更新するとの観測が好材料視された。記事によると、通信事業者向けに人工知能(AI)を活用した音声認識などのシステム開発が堅調に推移しているうえ、3月に農産物輸出を支援する会社を子会社化したことで、株式の評価差益約3億円を特別利益に計上したことが寄与するとしている。

■エスクロAJ <6093>  291円  +20 円 (+7.4%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

エスクロー・エージェント・ジャパン <6093> が続急騰。9日大引け後に発表した19年2月期の連結経常利益は前の期比45.4%減の3億9600万円に落ち込んだものの、続く20年2月期は前期比48.7%増の5億8900万円にV字回復する見通しとなったことが買い材料視された。今期は主力のエスクローで金融機関や不動産業者向け決済サービス、BPO事業で事務業務受託の拡大を図る。また、不動産オークション事業では相続案件の需要を取り込み、22.9%の大幅増収を見込む。併せて、発行済み株数の4.72%に相当する200万株(金額で5億円)の自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の強化を好感する買いも向かった。

■リックソフト <4429>  12,710円  +610 円 (+5.0%)  本日終値

リックソフト<4429>が急伸。同社は短期間でソフトを開発する「アジャイル開発」のツールベンダーで、2月26日にマザーズに上場した直近IPO銘柄。豪州のAtlassian社が開発するプロジェクト管理ツールの販売や導入支援・運用サポートを中心としたツールソリューション事業を主力に展開しており、その成長性に期待が大きい。9日取引終了後に19年2月期の連結業績予想の修正を発表、売上高を22億8700万円から24億8200万円(前期比39.3%増)へ、営業利益を2億5900万円から3億7100万円(同2.9倍)へ、最終利益を1億8600万円から2億5500万円(同2.7倍)へそれぞれ増額した。ツールソリューション事業のライセンス販売の売上高が予想を上回って好調、第4四半期については複数年分での契約更新などが収益拡大に貢献している。これを材料視する形で短期資金が集中した。

●ストップ高銘柄

高見サイ <6424>  1,677円  +300 円 (+21.8%) ストップ高   本日終値

オンコリス <4588>  3,065円  +500 円 (+19.5%) ストップ高   本日終値

プロレド・パートナーズ <7034>  10,980円  +1,500 円 (+15.8%) ストップ高   本日終値

多摩川ホールディングス <6838>  1,101円  +150 円 (+15.8%) ストップ高   本日終値

フェニックスバイオ <6190>  1,105円  +150 円 (+15.7%) ストップ高   本日終値

など、7銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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