話題株ピックアップ【夕刊】(3):キッコマン、LINE、ファナック
■田辺三菱製薬 <4508> 1,399円 -77 円 (-5.2%) 本日終値
24日に業績修正を発表。「前期税引き前を26%下方修正」が嫌気された。
田辺三菱製薬 <4508> が4月24日大引け後(15:00)に業績修正(国際会計基準=IFRS)を発表。19年3月期の連結税引き前利益を従来予想の675億円→500億円(前の期は787億円)に25.9%下方修正し、減益率が14.3%減→36.5%減に拡大する見通しとなった。
■キッコーマン <2801> 5,280円 -240 円 (-4.4%) 本日終値
キッコーマン<2801>は続落。同社は24日の午後1時過ぎに決算を発表。20年3月期営業利益見通しは397億円(前年同期比3.3%増)との見通しが示されたが、21年3月期を最終年度とする営業利益目標450億円に達成するにはハードルの高い内容となったことが引き続き警戒された。20年3月期営業増益のけん引役が海外となるが、国内は原材料費、広告宣伝費や減価償却費などの固定費用が見込まれるため、ほぼ横ばいを計画している。市場からは「国内の収益性を向上させることが難しくなっている。中計の遅れを最少化しようとする経営陣の努力と意欲が感じられないことが残念な点」(国内大手証券)との見方が出ている。
■LINE <3938> 3,805円 -150 円 (-3.8%) 本日終値
LINE<3938>は大幅反落。24日取引終了後、19年第1四半期(1~3月)連結決算を発表。売上収益は553億2300万円(前年同期比13.5%増)と2ケタの増収を確保したものの、営業損益は78億9200万円の赤字(前年同期12億4600万円の黒字)に転落している。これが嫌気された形で売りが膨らんだようだ。同社が積極的に新商品の販促を実施したことで広告収入が好調となった一方、人件費やスマートフォンによる決済サービス「Line Pay」のユーザー確保を図るためのマーケティング費用が先行し、営業赤字につながった。なお、通期の業績予想は非開示としている。
■三菱UFJ <8306> 549.4円 -2.1 円 (-0.4%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が6日続落と下値模索の動きを強めている。前日の米国株市場ではゴールドマン・サックスをはじめ大手金融株が軒並み軟調で全体相場の足を引っ張った。米経済の見方にも強弱観が対立、米10年債利回りは2.6%台近くまで浮上すると反落するパターンが続いており、前日は2.5%台前半まで水準を切り下げた。そうしたなか、メガバンクは米国事業における運用環境改善への期待が後退しているほか、国内景気についても10月の消費税引き上げを控え消費動向に先行き不安が漂う。きょうは日銀金融政策決定会合の2日目で展望リポートも出されるが、市場では「物価見通しが引き下げられる可能性があり、その場合は日銀にも緩和的な措置を期待する動きにつながりやすい」(国内準大手証券ストラテジスト)とする。メガバンクにとっては一段と運用難が意識され、さみだれ的な売りに反映されている。
■ファナック <6954> 21,350円 -65 円 (-0.3%) 本日終値
ファナック<6954>が4日続落も、売り一巡後は下げ渋る展開。同社は24日の取引終了後、決算発表を行い20年3月期の連結最終利益は前期比59.6%減の623億円と大幅減益となる見通しを示した。市場では、今期同利益は1080億円前後との予想が出ており、コンセンサスを下回る業績予想を嫌気する売りが膨らんだ。ただ、同時に300万株(発行済み株式数の1.55%)、500億円を上限とする自社株買いも発表した。取得期間は4月25日から7月31日。また、足もとで為替が円安水準にあることも、下値を支える要因となった様子だ。
■大興電子通信 <8023> 716円 +100 円 (+16.2%) ストップ高 本日終値
大興電子通信 <8023> [東証2]がストップ高。24日大引け後、19年3月期の連結最終利益を従来予想の4.9億円→26.3億円に5.4倍上方修正。増益率が13.2%増→6.1倍に拡大し、27期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。ソフトウェアなどの受注が増加したうえ、販管費やコストの低減で採算が上向いたことが寄与。繰延税金資産の計上に伴い、税金負担が20億円減少したことも最終利益を大きく押し上げた。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の4円→6円(前の期は4円)に大幅増額修正したことも支援材料となった。
■HMT <6090> 957円 +79 円 (+9.0%) 本日終値
ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<6090>が後場急伸。同社はきょう、子会社のHMTバイオメディカルが、シリコンバイオ(広島県東広島市)が開発した研究用途のエクソソーム精製試薬キット「ExoIntact Exosome 精製試薬キット」の国内独占販売権及び海外での非独占販売権を取得し、販売を開始したと発表。これが株価を刺激したようだ。この製品は、高価な機器を必要とする従来の超遠心法に比べ、簡便かつ短時間でエクソソームを精製することが可能。現在、エクソソームに含まれる物質やエクソソームそのものが疾病の診断に役立つバイオマーカーとして機能する可能性や、さまざまな疾病治療に利用できる可能性があることから、世界中でエクソソームに関する多くの研究が行われている。
■キング <8118> 681円 +48 円 (+7.6%) 本日終値
キング <8118> が3日ぶりに反発。24日大引け後、19年3月期の連結経常利益を従来予想の13億円→14.8億円に13.8%上方修正。減益率が13.8%減→1.9%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。消費者の節約志向が根強く、売上高は計画を若干下回ったものの、経費抑制を進めたことで採算が大きく改善したことが利益を押し上げた。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の16円→20円(前の期は20円)に増額修正したことも支援材料となった。
■スリープログループ <2375> 966円 +50 円 (+5.5%) 本日終値
スリープログループ<2375>は4日ぶり急反発、前日比45円高の961円と5%近い上昇をみせた。法人及び個人向けIT関連機器サポート事業やIT系人材派遣を手掛ける。人工知能(AI)・IoT分野に照準を合わせた経営戦略で、人材派遣は単価上昇で利益採算が改善している。また、次世代通信規格5Gでも基地局工事の受託業務を手掛けており、5Gでは多くの小規模基地局が必要となることで、来期以降の業績に反映される可能性が高い。2月21日に997円の高値をつけた後は利益確定売りに値を崩したが、ここにきて再び買いに厚みが加わってきた。
●ストップ高銘柄
環境管理センター <4657> 605円 +100 円 (+19.8%) ストップ高 本日終値
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
アズーム <3496> 4,000円 -1,000 円 (-20.0%) ストップ安 本日終値
以上、1銘柄
株探ニュース