【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 令和の日本、悪材を跳ね返す期待の大テーマ <GW特集>
●道しるべは“スーパー付加価値化”
10連休、どう過ごしました? 私は家事手伝い+自宅警備に結構多忙で、正直早く休みが明けることだけを願っていた。(笑)
私にとってはやっかいなそんな休みが間もなく終わる。まずはここまでの休日中、市場を大きく崩すようなことが起きずに済んだ幸運を喜びたい。(本稿執筆は5月3日)
7日から始まる令和相場がどんなそれになるか考えられるのも、そのお陰と言ってよい。
では、どんな相場になるのか。連休中起きた最大のイベントは、もちろん天皇陛下のご退位と皇太子殿下のご即位。その背景にあったのは、上皇さまのご高齢。天皇は国民の象徴として存在しておられることになるが、それは同時に国民の高齢化の象徴をも体現しておられたと言えよう。
この点から、まず挙げたいのは、「(1)日本の高齢化のさらなる進行」になる。それは平成の30年間に徐々に進行してきたわけだが、高齢化による弊害を克服すべく日本企業の多くは収益拡大を目指して海外展開に尽力してきた。
その結果、国内では度重なる天災、海外では世界同時多発テロ、ITバブルそしてサブプライムローン・バブルの崩壊などに見舞われながらも、多くの企業で収益増を果し、内部留保を膨らませてきたた。
グローバル化の大波の中で、成功を収めてきたことになるが、これまでのやり方ではそろそろシェア拡大に限界がきているように見える。日本企業の時価総額首位であるトヨタ自動車 <7203> だけでなく、日産自動車 <7201> 、ホンダ <7267> なども販売台数を簡単には伸ばせなくなっている。電子部品各社も収益の伸びが止まっている。
これらが示すのは、「(2)グローバル経済の拡大に限界が見えている」になる。
(1)(2)ともにネガティブ材料になってしまうものの、しかし、それだからこそ大いに期待し、また実現する確率も高い大目標、大テーマがある。それが次の「(3)製品、サービス、システムのスーパー付加価値化」だ。
●訪日外国人を魅了する技術の結晶にヒント
高齢化、グローバル経済下でのシェア拡大に限界となると、日本が得意とする高品質は当たり前、精密化の徹底に加え、センスのある製品・サービスの創出が求められることになる。
つまり、付加価値の高さを極めた製品、サービスということになる。そして現在、それらへの評価がいかに高いのかがよく分かるのが、訪日外国人たちの中に、日本の伝統を受け継ぐ職人に憧れる人が意外に多いことだ。
この1年ほど東京市場では外国人投資家たちの売り越しが続いているが、訪日外国人たちは市場の外で日本の技術の結晶ともいえるものを購入しているのであり、そこに今後、日本企業の生きる道があるように私には思える。
さて、令和相場を迎えるにあたって注目したいのは、まずはマザーズに昨年12月上場したシノプス <4428> [東証M]だ。大手小売向けに需要予測型の自動発注システム「sinops(シノプス)」を提供、急成長中だ。
令和時代のスタートで今後少なくとも1年はDM、チラシなどの印刷増が続くと見てよく、印刷仲介サイト「ラクスル」を運営するラクスル <4384> [東証M]も成長継続が見込め、株も魅力的だ。
人工知能(AI)とウェブ活用の自動翻訳サービスに強く、特に産業用翻訳に特化している点が評価できるロゼッタ <6182> [東証M]も注目したい。
エレベータの保守管理という地味な分野でリニューアルを武器に収益を伸ばし続けているジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> もさらなる株価上昇が見込める。
私好みの銘柄では、毎度お馴染みのマニー <7730> を。手術用糸、針、メス、歯科治療器具など特殊分野に強いため、株価の着実高方向は変わらずと言える。
2019年5月3日 記
株探ニュース