利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 34社選出 <成長株特集>
本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
今回は時価総額800億円以上の銘柄を対象とした【第1弾】、時価総額200億円以上の銘柄を対象とした【第2弾】に続くシリーズ第3弾として、時価総額50億円以上200億円未満の銘柄(6日時点)の中から、19年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の1-3月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%超上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している34社を選び出し、1-3月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったAMBITION <3300> [東証M]の1-3月期(第3四半期)はインベスト事業で新築投資用デザイナーズマンションの販売が大幅に増加し、経常利益は過去最高を2.2倍も上回る12億円に拡大して着地。18年7月-19年3月期(第3四半期累計)の同利益(16.8億円)がすでに通期計画の13.4億円を大きく上回っており、業績上振れは濃厚とみられる。同社は好調な業績を踏まえ、2月19日に19年6月期の期末一括配当を大幅増額修正している。権利付き最終日の25日を前に、配当取りを狙う買いも期待される。
2位に入った応用技術 <4356> [JQ]の1-3月期(第1四半期)はゼネコンや設計事務所向け建築設計ソフトを中心としたソリューションの引き合いが旺盛だったほか、公園長寿命化計画策定業務の売上増加なども収益拡大に貢献した。業績好調に伴い、早くも19年12月期の経常利益予想を上方修正したが、第1四半期実績(4.1億円)が修正した通期計画(5億円)に対して進捗率が82.8%に達しており、さらなる上振れも期待できそうだ。
3位のアステリア <3853> は主力のデータ連携ソフトで月額使用料型のサブスクリプション売上が伸びたことに加え、販管費の削減や受取配当金の計上なども利益を押し上げた。続く4位のJMC <5704> [東証M]は鋳造事業で電気自動車(EV)化をはじめとする付加価値の高い試作・開発案件の受注が大きく伸び、1-3月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比3.3倍の2.2億円に膨らんだ。
6位のリネットジャパングループ <3556> [東証M]は高成長が続くカンボジアで中古車の販売が増加し、1-3月期(第2四半期)の経常利益は3四半期連続で過去最高を更新した。5月28日には6月末時点の株主を対象とする記念優待(クオカード1000円分)の実施を発表している。また、10位のバリューHR <6078> は働き方改革や健康指向の高まりを追い風に、健診代行や健康管理関連の受託業務が増え、1-3月期(第1四半期)は2四半期連続で最高益を達成した。好決算を背景に株価は全般軟調相場に逆行し、上場来高値を更新中だ。
選出リストでは、リネットJ、バリューHRをはじめ、1-3月期に連続で経常利益の過去最高益を更新した企業が目立つ。14位のNEW ART HOLDINGS <7638> [JQ]はテレビCMなどが奏功し、ブライダルジュエリー専門店の客数が伸びたうえ、販売員のスキル向上で成約率も上昇した。決算と同時に最大3700万株の自社株買いを実施すると発表したことも評価され、株価は上値追いが続く。また、同社株は2006年8月から2ケタ株価が続いているが、9月末割当の20→1の株式併合により、10月からは3ケタ復帰となる見通しである。
17位の幼児活動研究会 <2152> [JQ]は幼稚園や保育園の体育指導を請け負う。1-3月期(第4四半期)は主力の幼児体育指導関連事業で課外クラブの値上げを実施したことが収益を押し上げた。続く18位のシンクロ・フード <3963> は求人や食材仕入れ、物件探しなど飲食店に特化した情報プラットフォーム「飲食店.COM」で有料ユーザー数の増加が続いた。
このほか、25位の手間いらず <2477> [東証M]は訪日外国人客の増加を追い風に、宿泊予約サイトの情報を一括管理する宿泊予約サイトコントローラ「TEMAIRAZU」の好調が継続し、1-3月期(第3四半期)は実に8四半期連続となる最高益更新を果たしている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3300> アンビション 117 1200 552 32.4 1346 1017 9.0
<4356> 応用技術 85.0 418 226 50.7 505 335 22.8
<3853> アステリア 51.8 249 164 29.6 600 463 42.2
<5704> JMC 50.0 225 150 22.2 413 338 34.4
<6874> 協立電機 45.8 952 653 20.6 2200 1824 6.4
<3556> リネットJ 36.0 136 100 123 449 201 43.1
<3674> オークファン 34.9 367 272 84.4 780 423 18.0
<7814> 日本創発G 30.8 980 749 33.7 2000 1496 8.3
<3771> システムリサ 28.8 510 396 8.6 1412 1300 12.4
<6078> バリューHR 24.6 228 183 63.8 734 448 42.4
<7500> 西川計測 24.0 1295 1044 36.4 2050 1503 10.9
<3633> GMOペパボ 23.2 308 250 29.5 962 743 25.4
<1717> 明豊ファシリ 23.2 335 272 1.3 790 780 9.8
<7638> NEWART 22.5 926 756 13.5 2710 2388 7.9
<7191> イントラスト 22.1 265 217 10.1 925 840 16.4
<2483> 翻訳センター 21.3 353 291 13.8 1030 905 11.1
<2152> 幼児活動研 20.6 398 330 1.9 1300 1276 14.0
<3963> シンクロ 19.7 213 178 0.4 690 687 34.6
<4327> 日本SHL 18.1 749 634 0.3 1164 1160 14.3
<9702> アイエスビー 18.1 490 415 6.1 980 924 14.3
<6033> エクストリム 16.8 417 357 17.5 1000 851 14.4
<3992> ニーズウェル 16.4 156 134 8.1 505 467 17.2
<6164> 太陽工機 16.2 552 475 15.1 1910 1660 6.1
<6560> LTS 16.2 115 99 9.7 295 269 34.1
<2477> 手間いらず 14.8 233 203 17.1 810 692 39.6
<3924> ランドコンピ 13.0 278 246 6.0 620 585 17.3
<6533> オーケストラ 12.5 162 144 24.2 565 455 29.9
<2342> トランスG 11.6 193 173 13.3 290 256 37.8
<4826> CIJ 9.6 719 656 12.6 1700 1510 13.7
<6155> 高松機械 8.9 818 751 3.2 2579 2500 5.0
<7745> A&D 7.9 1732 1605 7.7 3680 3418 6.9
<9857> 英和 7.4 597 556 0.5 1560 1552 5.7
<3173> コミニックス 6.9 308 288 6.9 1180 1104 8.0
<2498> オリコンHD 6.3 2037 1917 11.3 2030 1824 8.8
※ 2018年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース