欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FOMCに向けドル買いは手控え

通貨
2019年6月17日 17時25分

17日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。前週末の底堅い米経済指標を受け、ややドルの買い戻しが入りやすい。ただ、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが示唆されるとの思惑が広がり、積極的なドル買いは手控えられるだろう。

14日に発表された米国の5月小売売上高はほぼ予想通りとなったほか、4月分が上方修正された。また、同鉱工業生産は予想を上回る内容に。6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は、2004年以来の高水準となった4月の速報値と比べ息切れが感じられるものの、底堅い数値により景気減速への懸念は短期的に収束したようだ。週明け17日のアジア市場では、香港の大規模デモによる影響が心配された香港株がプラス圏で推移したため、リスク回避的な円買いは抑制された。また、欧米株式先物の堅調地合いを材料に、ドル・円は108円後半に浮揚した。

一方、英国では保守党党首選での合意なきEU離脱への警戒感からポンドが売られるなど、この後の欧米市場では欧州通貨売りを背景としたドル買いが継続する見通し。ドル・円は前週高値の108円80銭を上抜ければ109円にワンタッチの可能性はあろう。ただ、今晩21時半発表の6月NY連銀製造業景気指数は前回から低下するとの予想で、株安に振れればドル買いは収束しそうだ。また、連邦準備制度理事会(FRB)は18-19日開催のFOMCで、7月か9月の利下げに手がかりを示すとの思惑が広がる。製造業の景況感が改善しても、金融政策を見極めようとドル買いは小幅にとどまろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・21:30 米・6月NY連銀製造業景気指数(予想:11.0、5月:17.8)

・23:00 米・6月NAHB住宅市場指数(予想:67、5月:66)

・05:00 米・4月対米証券投資(3月:ネット長期有価証券-284億ドル)

・欧州中央銀行(ECB)フォーラム(19日まで、ポルトガル)

《FA》

提供:フィスコ

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