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2019年7月11日 18時03分
市況

明日の株式相場戦略=米国発リスクオンの潮流に乗る

米国を起点に世界の資金潮流はリスクオンに傾いており、東京市場にもその流れが波及している。きょう(11日)の東京株式市場は、前日の米国株市場でNYダウが4日ぶりに反発、ナスダック総合指数は続伸で最高値を更新したことを受けて、買いが優勢となった。

パウエルFRB議長の議会証言は、予想通り一段と緩和的な金融政策の必要性について言及、ハト派寄りの姿勢に変化はなく、マーケットは7月末のFOMCでの利下げをほぼ確信した。ここからは年後半の更なる利下げの可能性に視点が移る。果たしてFRBが株式市場に超フレンドリーな笑顔を見せ続けられるかどうかは未知数だが、とりあえず7月末までは適温相場を満喫できるとの思惑が足もとはリスク選好ムードを後押ししている。

きょうの東京市場は、朝方は売り買いを交錯させていたが、前場後半から日経平均が上げ足を強め、後場は2万1600円台で売り物を完全に吸収した。日米金利差縮小がドル売り・円買いを誘発、外国為替市場では1ドル=108円を割り込む円高に振れたが、影響はほとんどみられなかった。「為替動向にリンクさせたアルゴリズム売買は外された状態にある」(国内証券ストラテジスト)とされ、輸出セクターでも影響を受けたのは為替感応度の高い大手自動車株くらいだった。

注目された安川電機<6506>の3~5月期決算は最終利益が前年同期比7割減。予想はされていたとはいえ、市場コンセンサスを下回るものだった。これがあすの株式市場にどの程度の影響をもたらすか注視される。FA関連株にはネガティブに作用するにせよ、足もとは今の米国発のリスクオンの流れが勝るような気がする。

このほか個別では、きょうは任天堂<7974>が吠えた。一時1780円高の4万1780円と急伸。5兆円を超える時価総額を誇る同社株がこれだけの値幅を出すのは、重戦車が突き進むごとき迫力がある。しかしそれ以上に、突出した売買代金は市場関係者の目を引くのに十分なインパクトがあった。終日ベースの売買代金は1100億円を超え、上場企業ではもちろん断トツだが、売買代金トップの常連であるNF日経レバ(日経平均連動型のETF)をも約70%上回った。

家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の携帯専用機「ニンテンドースイッチライト」を9月20日に発売することを発表したことを材料視、短期資金が流れ込む形となった。これに合わせて、任天堂関連の範疇でくくられる銘柄群にも物色の矛先が向かい、シライ電子工業<6658>を筆頭に、メガチップス<6875>、アイ・オー・データ機器<6916>、エレコム<6750>、Hamee<3134>、ホシデン<6804>、ミネベアミツミ<6479>などが上値を指向した。こうした銘柄は個人投資家の土俵で、背景が分かりやすく、反射神経でこの流れに乗った向きも多かったと思われる。

個別株物色も日替わりで波紋が変わる。しかし、底流しているテーマに目を凝らせば銘柄物色のヒントにもなる。表向きにはあまり取り上げられていないが、今は電子カルテやコールセンター、建築や教育関連のIT化をキーワードとする銘柄に浮揚力が働いている。

電子カルテ関連では既にソフトマックス<3671>やCEホールディングス<4320>などが人気化したが、コールセンター関連ではきょうのベルシステム24ホールディングス<6183>の動きが象徴的。同社はコールセンターの受託大手だが、きょうは一時10.8%高に買われ、引けも7%高で着地する派手な値運びをみせた。前日発表した19年3~5月期の決算は増収を確保し、営業利益が前年同期比4.8%増の29億2000万円と堅調だった。大手証券のレーティングフォローがあったとはいえ強さが際立った。

こうした隠れテーマに乗る銘柄の発掘については、今後の宿題として考えておきたい。

このほか、動きの良いものではホテルや旅館向け宿泊予約管理システム「TEMAIRAZ」の販売を手掛ける手間いらず<2477>や、情報通信機器販売とソフト開発を主力とする大興電子通信<8023>、独立系ソフト開発会社で光通信<9435>が実質筆頭株主のCIJ<4826>あたりが目にとまる。個人マネーが根強く流入しているバイオ関連ではDNA抽出装置などバイオ関連機器を手掛けるプレシジョン・システム・サイエンス<7707>が株価的に良いポジションで、マークしておきたい。

日程面では、あすは株価指数オプション7月物のSQ算出のほか、5月の鉱工業生産指数確報値が発表される。海外では6月の中国貿易収支、6月の米生産者物価指数(PPI)が焦点となる。(中村潤一)

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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