【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 成長なくして株価上昇なし!
「成長なくして株価上昇なし!」
●「理屈」で動く米国市場、「感情」に支配される東京市場
他人を羨むな。
親の教えはこれだったが、NYダウやS&P500の動きを見ると、正直これらが羨ましくなる。
日経平均株価の史上最高値更新など願える状況ではないものの、昨年10月につけた2万4448円は上回ってよいとは思う。米国市場が10月の高値を上回ったからだ。
いや、百歩譲って、上回らなくてもよい。かなり接近してくれてもよいのだが、なお2700円ほどの距離があるのだ。日米市場のあまりの違いに、最近では困惑させられる現象が私の周りで見られるようになっている。
セミナーなどで「米国株を買ってみたいんですけど、どうすればいいですかね。この先も上がりますかね」――こんなご質問を受けることが多くなっているのだ。私は米国株を手掛けていないので、他の方に聞いてもらうことにしているが、日本株専門の私としては少々寂しく、しかも考えさせられることだ。
特に「老後資金2000万円不足」説が話題になって以降、“安全安定投資”に関心が向き、日本株より米国株の方が好ましい――こう思う投資家が増えているのだろう。
このような考え方は、正しいのか。
正しいといわざるを得ないのが実際だ。東京市場は残念ながら上下の振幅が激しく、米国市場に比べて安定性では大きく劣ってしまうからだ。
その背景だが、米国市場が「理屈」で動くのに対し、東京市場は「感情」で動いているためと見てよい。そのため、東京市場はその時々の材料に過敏に反応し、中長期視点での投資が非常にやりにくいことになる。
●上昇力の強い銘柄に乗る
それでは、株式投資で「老後資金2000万円不足」をカバーするにはどうすればよいのか。
なんといっても大事なのは、上昇力の強い銘柄に頼る。これが大事なので、なにがなんでも収益の向上好転、事業の成長拡大に熱心な企業に投資するようにしたい。成長なしに株の上昇もないからだ。
そこで注目は、まずはストライク <6196> だ。なんといっても社名が素晴らしい、と言うと読者に怒られてしまう恐れがあるが、私は昔コピーライターをしていたこともあるので、社名がいかに大事かがよく分かる。そのため、この会社のように覚えやすい会社名は高く評価するのだ。
もちろん収益が伴わなくては意味がないが、この会社はM&Aの仲介会社。受注は増加一方であり、こなし切れないほどの状況。株価は高値圏ながら、さらなる高値が見込める。
私も 古本の売却で時々お世話になるブックオフグループホールディングス <9278> も、新成長期に入ったと見てよい。古本のリユース事業から総合化を進めていて、いまは古着が大きな柱に育っている。収益も好調で株価も続伸する確率が高いと見る。
ソフト開発支援に強いシステナ <2317> も、ソフトの提供を情報端末向けから車載用、IoT向け用へと転換を急いでおり、今後、次第にそれが業績にプラスする可能性が高く、株も期待が持てる。
昨年7月マザーズに上場後、株価はすぐに失速してしまったものの、昨年秋から浮上に転じ、いまは新値に進みつつあるマネジメントソリューションズ <7033> [東証M]も成長性を秘めた企業といえる。プロジェクトマネジメントの実行支援事業の会社であり、ユニーク性もある。ただ、株価は値動きがやや粗い。この点、留意の上で取り組みたい。
最後にオーソドックス銘柄を。安定成長が続くオリックス <8591> だ。
2019年7月12日 記
株探ニュース