明日の株式相場戦略=米国株にも為替にも反応薄、ヒット&アウェイで

市況
2019年7月16日 17時56分

米国株市場はパウエル・マジックとでもいうべきかゴルディロックス相場(適温相場)の再来に酔っている。7月末のFOMCでの利下げはほぼ確実視され、「ひょっとすると50ベーシスもあり得る」というムードが漂う。仮に予想通りの25ベーシスでも、年内打ち止めとは誰も思っていない。年後半もFRBによる利下げへの期待が米株高を支える構図が見える。

四半期ベースの企業業績は減速しているとはいっても、米経済の強さは折り紙付きであり、つまり鬼に金棒を持たせるような盤石の布陣をトランプ大統領は望んでいるわけで、それにFRBも乗っている形だ。

FRBの政策スタンスに対する是非は見る人の立場によって異なるが、少なくとも株式市場は歓迎する。バブルを警戒する声も一部の市場関係者からは聞こえるものの、PERなどから判断する限り、警鐘を鳴らすにはまだ早い。やはり、世界的な不確実性の高まりに備えたものであれば、FRBの動きは肯定されてよい。

問題は米国発のリスクオンがなかなか東京市場に波及してこないことだ。米国株との連動性が失われているのは明白、一方で為替の動向にも連動していない。10営業日連続の2兆円割れという日々の売買代金にも反映されているが、良くも悪くも今は日本株素通りのいわゆる「ジャパンパッシング」状態であり、ここでどういう投資手法が有効かを考える必要がある。

個別株の短期回転重視というと、中長期指向の投資家には怒られそうだが、今の地合いで同じ銘柄にこだわるのは避けるべき。あくまでトレーディングを念頭に置いてヒット&アウェイで対処するのが基本線となる。

物色の流れとしてはAIやIoTの周辺銘柄への注目度が高い。ジリジリと水準を切り上げているシグマクシス<6088>はあまりマーケットで目立っていないだけに狙い目か。また、19年9月期の業績上方修正発表を受け、いったんは利益確定売りにバランスを崩したシステム情報<3677>が、きょう再び上場来高値圏に買い直されており、この強さは特筆される。

日程面では、あすは6月の訪日外国人客数が発表となるほか、20年国債の入札がある。このほかG7財務相・中央銀行総裁会議が18日までの日程で行われる(開催地はフランス・シャンティイ)。また、6月の米住宅着工件数も注目される。(中村潤一)

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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