話題株ピックアップ【夕刊】(3):キヤノン、日産自、ガイシ

注目
2019年7月25日 15時18分

■キヤノン <7751>  3,036円  -87 円 (-2.8%)  本日終値

キヤノン<7751>が3日ぶり反落。同社は24日取引終了後に決算発表を行い、19年12月期連結営業利益を従来予想の2740億円から2150億円(前期比37.3%減)に下方修正したことが嫌気された。主力のデジタルカメラや半導体向け露光装置が減速したほか、レーザービームプリンターも苦戦している。市場では今期業績予想を2700億円前後と予想していたことから、この業績下方修正をネガティブに受け止める見方が出ている。

■日産自動車 <7201>  765.6円  -16 円 (-2.1%)  本日終値

日産自動車<7201>は5日ぶりに反落。25日付の日本経済新聞は、「2019年4~6月期の連結営業利益は前年同期(1091億円)比で約9割落ち込み、数十億円規模にとどまったようだ」と伝えた。米国での販売が振るわなかったうえに、次世代技術の開発に向けた開発費がかさんだという。市場では「事実ならネガティブサプライズ」との見方が出ており、株価は下落している。同社はきょうの引け後に決算発表を予定しており、その内容が注目されている。

■日本ガイシ <5333>  1,581円  -17 円 (-1.1%)  本日終値

日本ガイシ<5333>が5日ぶりに反落。SMBC日興証券は24日、同社株の投資評価を「1」から「2」へ引き下げた。目標株価は2900円から1900円に見直した。株価は割安な水準にあるが、短期的なカタリストには欠けるほか、20年3月期の業績は会社予想を下回る可能性が高いことを警戒している。同証券では半導体製造装置(SPE)向けセラミックス製品の売上高は20年3月期が20%減(会社計画3%増)、21年3月期が5%減とマイナス成長を予想。セラミックスパッケージも売り上げ、利益予想を減額した。特に、非自動車事業の収益性が低いことを問題視している。これに伴い、20年3月期の連結営業利益は従来予想の821億円から625億円(会社予想700億円)に下方修正している。

■国際石油開発帝石 <1605>  970.5円  -9.4 円 (-1.0%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>がいずれも3日ぶり反落。7月中旬に60ドル台に乗せたWTI原油先物価格だったが、その後は上値が重くなっている。24日にWTI原油先物価格は89セント安の1バレル=55ドル88セントを急反落しており、これを受けて、原油価格と株価連動性の高い資源開発関連株も目先筋の利益確定売りが表面化した。

■コマツ <6301>  2,481円  -20.5 円 (-0.8%)  本日終値

コマツ<6301>が続落。24日に発表された米建設機械大手、キャタピラーの19年4~6月期の純利益は前年同期比5%減の16億2000万ドルで1株当たり利益は2.83ドルと市場予想3.1ドルを下回った。これを受け、24日のニューヨーク市場でキャタピラーの株価は急落した。この日の東京市場では、同業のキャタピラーの減益決算が警戒され、コマツにも売りが先行する展開となっている。コマツは29日に決算発表を予定している。

■東芝 <6502>  3,430円  -20 円 (-0.6%)  本日終値

東芝<6502>が4日ぶりに反落。共同通信はきょう「東芝メモリホールディングス(HD)が、年内に予定していた東京証券取引所第1部への新規株式公開(IPO)を延期する方向で調整に入ったことが25日、分かった」と報じたことが警戒された。スマートフォンの販売不振で業績が低迷しているため、来年の早い段階で上場を目指す方針となった、とされている。

■アプリックス <3727>  295円  +80 円 (+37.2%) ストップ高   本日終値

アプリックス<3727>がストップ高。同社はソフト基盤技術分野から撤退しIoT分野に経営資源を集中し再建を図っている。24日取引終了後、光通信<9435>の子会社であるスマートモバイルコミュニケーションズを株式交換で完全子会社化し、併せて光通信とも資本・業務提携することを発表、これがポジティブサプライズとなった。光通信は同社株式の16.0%を保有し、筆頭株主となることもあり、投資資金が集中している。

■高橋ウォール <1994>  750円  +100 円 (+15.4%) ストップ高   本日終値

高橋カーテンウォール工業<1994>が後場動意づき、ストップ高まで買われた。同社はきょう午前11時30分に、19年12月期通期の連結業績予想を修正。営業利益は従来の14億9000万円から、22億6000万円(前期比2.8倍)に上方修正した。売上高予想も138億円から151億5000万円(同2.3倍)に増額修正。足もとでPCカーテンウォールの取り付け工事が順調に進んでいるほか、来期に完成を見込んでいた物件が一部今期に完成する見通しとなったことが主な押し上げ要因だとしている。

■アジャイル <6573>  1,374円  +132 円 (+10.6%)  本日終値

アジャイルメディア・ネットワーク<6573>が急反発。24日の取引終了後、企業向けにSNSやブログのクチコミデータと連動した流通店舗を活用したテストマーケティングサービスの提供を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。第1弾として、鹿児島県や宮崎県エリアでファミリーマートの店舗を展開する南九州ファミリーマート(鹿児島県鹿児島市)と業務提携し、店舗内で動画を活用したテスト販売やSNS投稿と連動した売り場づくりによる売れ行き分析が可能となるテストマーケティングサービスを提供するという。これにより、テスト販売時に商品に触れた消費者のSNS投稿などを把握でき、本販売時には消費者ニーズと連動した売り場づくりが可能となるとしている。

■パスコ <9232>  892円  +81 円 (+10.0%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

パスコ<9232>が大幅高。同社はきょう、データアナリティクス大手の米ヴェリスク・アナリティクスと戦略的パートナーシップ提携に向けた覚書を締結したと発表。今後の事業展開が期待されているようだ。米ヴェリスク社は、高精細な航空写真ライブラリと人工知能(AI)を活用した画像認識により、損害保険業界向けのリスク評価や損失シミュレーションなどの空間情報とデータ分析を組み合わせたサービスを提供している企業。両社は覚書の締結に基づき、日本・アジア地域を中心に、地理的・社会的特性や各国のビジネスニーズを踏まえた空間情報ソリューションの開発に向け、共同で検討を進めるとしている。

●ストップ高銘柄

児玉化学工業 <4222>  663円  +100 円 (+17.8%) ストップ高   本日終値

テラプローブ <6627>  740円  +100 円 (+15.6%) ストップ高   本日終値

など、5銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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