清水洋介氏【東京市場の梅雨明けはいつ? 夏相場を読む】(2) <相場観特集>

特集
2019年7月29日 19時45分

―遠ざかる日経平均2万2000円台、浮上の条件は―

週明け29日の東京株式市場は売りに押される展開を余儀なくされた。日経平均株価2万1000円台後半では売り板が厚く、今の市場エネルギーではなかなか2万2000円の壁は突破しにくいようにも見える。梅雨が明けても東京市場上空の空模様は今一つ冴えない。夏相場はボックス圏推移が続くことになるのか。第一線で活躍する市場関係者にここからの日経平均の見通しと物色の方向性などについて意見を聞いた。

●「保ち合い相場継続、食品など売られ過ぎ銘柄に注目」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

日経平均は当面、保ち合い相場が継続しそうであり、方向感に欠ける展開は続きそうだ。

今週30~31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利下げが実施される見通しだが、市場には織り込み済みだろう。米国の足元の景気はさほど悪くはないだけに、年後半に向け、もう一段の利下げがあるかどうかは、今後の経済指標次第となろう。

29~30日の日銀金融政策決定会合は、現状維持を見込んでいる。

今後1ヵ月程度の日経平均のレンジは2万1000~2000円前後での横ばいを予想する。

足もとでは、4-6月期決算発表が本格化している。決算発表を通じて買われ過ぎ銘柄は売られ、売られ過ぎ銘柄は買われる格好でのバリュエーション調整が行われているが、全体相場を大きく動かすほどのインパクトには欠けるだろう。

為替は、米国が利下げ方向にあるなか、円安には動きにくい。当面は1ドル=107円00銭前後~108円後半のレンジで、基調は円高トレンドを見込んでいる。

こうしたなか、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などのメガバンク、明治ホールディングス <2269> など食品、大成建設 <1801> など建設、それにトヨタ自動車 <7203> などの 自動車や三菱商事 <8058> などの大手商社は売られ過ぎセクターであり、再評価余地はあるとみている。また、割安な高配当利回り銘柄には長期的な投資妙味があると思う。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)

大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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