NYの視点:7月FOMC議事録はドルのカタリストとならず、FRB議長演説待ち

経済
2019年8月22日 7時35分

米国連邦準備制度理事会(FRB)は7月30-31日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。メンバーの見解が食い違ったことが明らかになったと同時に、ほとんどのメンバーが、リスクが存在する中、柔軟性の必要性を主張した。

7月の利下げは1)成長減速、2)リスク管理、3)低インフレが理由となったことが明らかにされた。「サイクル半ばの調整」と大半のメンバーが判断。経済指標も前回会合時に比べ改善が見られると指摘されている。世界経済が低迷する中、米国経済には弾力性があり、「成長を持続すること」が最も可能性のあるシナリオだとの見解が示された。FOMCメンバーは、貿易政策の不透明性のリスクは上昇し、貿易の逆風が長期化すると見ている。

議事録では数人のメンバーが金利据え置きを主張した一方で、2名のメンバーが50ベーシスポイントの利下げの必要性を主張した。ハト派で知られるカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁以外のメンバーが50ベーシスポイントの利下げを主張したことはサプライズととらえられている。

9月FOMCでの利下げは依然選択肢にあるものの決定ではないことが示されたととらえられた。金利先物市場では依然9月の利下げを100%織り込んでいる。しかし、50ベーシスポイントの利下げ確率は10%以下まで低下した。

米国債相場では議事録が期待されていたほどハト派色が強まらず、2年債利回りと10年債利回りは15日以降初めて、再び一時逆転。市場はFRBの積極的な行動を求めている祥子となった。

議事録の内容は、今後のドルの行方を決定するようなカタリストにならなかった。22日からジャクソンホールで24日まで開催されるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで、23日に予定されているパウエルFRB議長の演説待ちとなる。

《CS》

提供:フィスコ

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