今週の【早わかり株式市況】4週ぶり反発、米株高に連動高も薄商い続く
■今週の相場ポイント
1.日経平均は4週ぶりに上昇に転じ、今月5日以来となる2万0700円台回復
2.週末のパウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演に関心が集まる
3.対ファーウェイ禁輸に関する一部例外措置の3ヵ月延長で市場心理は改善へ
4.売買代金は低調を極め、今週5営業日のうち4営業日が1兆5000億円台
5.週末は円安が味方、パウエル講演直前も売り方の手仕舞いが株価押し上げる
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比292円(1.43%)高の2万0710円と4週ぶりに反発となった。
今週はパウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演が週末の日本時間夜に予定されていたことで、これを見極めたいとの思惑から買いポジションを取りづらいとのコンセンサスが漂っていたが、結果的にポジションを畳んだのは売り方のほうで、日経平均は薄商いのなかも意外高を演じる格好となった。終値での2万0700円台回復は今月5日以来。ただ、売買代金は閑散を極め、5営業日のうち4営業日が1兆5000億円台にとどまった。
19日(月)は前週末の米株市場でNYダウやナスダック総合指数が大幅高に買われた流れを受けて日経平均は144円高と好スタート。20日(火)は米政府が中国ファーウェイへの禁輸措置に関し、一部取引の例外措置について3ヵ月延長することを発表したことから米中摩擦に対する懸念が後退、これを好感して続伸した。21日(水)は利食い優勢となり日経平均は反落したが下げ幅は限定的だった。22日(木)は前日の欧米株高を背景に買い優勢で始まったものの、その後は値を消す展開となり、結局小幅プラス圏で着地した。週末23日(金)は米長期金利が時間外で上昇、日米金利差縮小の思惑が後退し為替がドル高・円安方向に振れた。これが主力輸出株など中心に支援材料となり日経平均は続伸して今週の取引を終えた。
■来週のポイント
昨日のNYダウが623ドル安と急落したことを受け、来週は下値を探る展開で始まるとみられる。ただ、売り一巡後はここ3週間の値動きと同様に、底堅い展開となる可能性はありそうだ。
重要イベントとしては、国内では28日に実施される日本政府による韓国のホワイト国除外や30日朝に発表される7月鉱工業生産指数が注目される。海外では29日発表の米国4-6月期GDP[改定値]や31日発表の中国8月製造業PMIに注視が必要だろう。
■日々の動き(8月19日~8月23日)
【↑】 8月19日(月)―― 続伸、米株高受け買い優勢も上値は重い
日経平均 20563.16( +144.35) 売買高 9億0499万株 売買代金 1兆5433億円
【↑】 8月20日(火)―― 3日続伸、米株高受けでリスク選好の流れ続く
日経平均 20677.22( +114.06) 売買高 9億2472万株 売買代金 1兆5837億円
【↓】 8月21日(水)―― 4日ぶり反落、朝安も売り一巡後は戻り足
日経平均 20618.57( -58.65) 売買高 9億0129万株 売買代金 1兆5863億円
【↑】 8月22日(木)―― 小反発、朝高もその後は値を消し一時マイナス圏
日経平均 20628.01( +9.44) 売買高 9億7435万株 売買代金 1兆7275億円
【↑】 8月23日(金)―― 続伸、商い低調のなか銀行や自動車株が買われる
日経平均 20710.91( +82.90) 売買高 9億0710万株 売買代金 1兆5627億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、28業種が上昇
(2)東急不HD <3289> 、三井不 <8801> など不動産業が業種別上昇率トップ
(3)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運業は買い戻された
(4)トヨタ <7203> など自動車、ダイキン <6367> など機械といった輸出株は反発
(5)大成建 <1801> など建設、ユニファミマ <8028> など小売りといった内需株の一角も堅調
(6)金融株は大和 <8601> など証券、オリックス <8591> などその他金融、第一生命HD <8750> など保険株は高いが
ゆうちょ銀 <7182> など銀行株は総じて低調
(7)国際石開帝石 <1605> 、日鉄鉱 <1515> など鉱業株は安い
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G
2(66) ドライブレコーダー ── 常磐道「あおり運転」事件で注目度上昇
3(3) 人工知能(AI)
4(4) JPX日経400
5(20) カジノ
※カッコは前週の順位
※一部訂正しました。
株探ニュース