話題株ピックアップ【夕刊】(1):楽天、日水、スズキ

注目
2019年8月29日 15時13分

■日本エム・ディ・エム <7600>  1,663円  +97 円 (+6.2%)  本日終値  東証1部 上昇率7位

日本エム・ディ・エム <7600> が急伸。28日大引け後、20年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の7.8億円→11.3億円に44.9%上方修正。従来の6.1%減益予想から一転して36.0%増益見通しとなったことが買い材料視された。国内で人工股関節製品や骨接合材料分野製品、脊椎固定器具が好調だったほか、米国では人工膝関節製品の販売が伸び、売上高が計画を上回ることが利益を押し上げる。なお、通期の経常利益は従来予想の23.8億円(前期は22億円)を据え置いた。

■楽天 <4755>  954円  +22 円 (+2.4%)  本日終値

楽天<4755>が7日ぶりに反発。ここ下落基調を強めており、前日は目先筋の投げが出て62円安と急落し920円台まで売り込まれたが、きょうは値ごろ感からの押し目買いが優勢となった。10月から携帯電話サービス事業に新規参入するが、携帯電話基地局整備の遅れを巡って、総務省から26日に3回目の行政指導を受けた。これが嫌気され下げを加速させたが、足もとは売りが一巡した形だ。総務省は2020年の税制改正で、次世代通信規格「5G」の基地局整備における税軽減などを要望、5Gの商用化を前に普及を後押しする方針が伝わっており、これは同社を含む通信キャリアにとっては追い風となる。

■日本水産 <1332>  600円  +13 円 (+2.2%)  本日終値

日本水産<1332>が反発し600円台に値を戻したほか、極洋<1301>、マルハニチロ<1333>なども買い優勢、業種別騰落率でも水産セクターの上昇が目立っている。全体相場は主力輸出株の上値が重く、相対的に海外市場や為替の影響を受けないディフェンシブセクターに資金シフトの動きがみられる。そのなか水産株はPERなど株価指標面でも割安感が強く、買いが入りやすい。

■アドバンテスト <6857>  4,180円  +75 円 (+1.8%)  本日終値

アドバンテスト<6857>、SCREENホールディングス<7735>、ディスコ<6146>が堅調な値動きを示しているほか、SUMCO<3436>、信越化学工業<4063>も買い優勢の展開。全般主力株に上値の重さが目立つなか、半導体関連株に高いものが多い。前日の米国株市場ではマイクロンテクノロジーやアプライドマテリアルズ、ザイリンクスなどの半導体関連が買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も反発した。米中摩擦への懸念はあるが、半導体市況は在庫調整一巡から下期回復のシナリオが有力視されており、押し目では買いが厚い。

■スズキ <7269>  4,148円  +63 円 (+1.5%)  本日終値

スズキ<7269>が反発、4000円近辺での底値もみ合いから上放れる動きをみせている。28日取引終了後、トヨタ自動車<7203>と資本提携することを発表、これが材料視された。トヨタがスズキの発行済み株式数の4.94%に相当する2400万株(総額約960億円)を取得する方針で、スズキもトヨタの発行済み株式数の0.2%を取得して株式を持ち合う予定。両社はこれまでにもハイブリッド車などで協業関係にあったが、自動運転など次世代技術の開発を加速するため、今回の資本提携によって関係を強化する狙い。

■ワークマン <7564>  5,670円  +80 円 (+1.4%)  本日終値

ワークマン<7564>が続伸。作業服販売チェーンの最大手で、低価格路線を武器に全国展開、店舗併設による高機能ウエアの新業態「ワークマンプラス」も積極推進して顧客ニーズを捉えている。全体相場は主力株の上値が重く、海外市場や為替の影響を受けにくい内需の成長株に物色の矛先が向いている。同社はその流れに乗る銘柄として投資資金が流入している。19年4~6月期営業利益は前年同期比56%増の47億2200万円と大幅な伸びを達成、20年3月期は前期比11%増の150億1000万円を見込むが、上振れの可能性がある。

■日本紙パルプ商事 <8032>  3,645円  +40 円 (+1.1%)  本日終値

28日、日本紙パルプ商事 <8032> が発行済み株式数(自社株を除く)の3.85%にあたる55万株(金額で19億8275万円)を上限に、8月29日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■いちご <2337>  418円  +4 円 (+1.0%)  本日終値

いちご<2337>が上伸し年初来高値を更新。同社は不動産価値の向上や不動産投資信託(REIT)運用、太陽光事業などを展開している。特に、REITではいちごオフィスリート投資法人<8975>といちごホテルリート投資法人<3463>の成長サポートを行っており、足もとのREIT人気も追い風だ。第1四半期(3~5月)の連結営業利益は前年同期比42.5%増の85億3700万円と大幅増益だった。20年2月通期の同利益は前期比0.8%増の265億円と最高益更新見込みであり、金利低下で不動産株が見直されるなか一段の上値追いへの期待が出ている。

■三菱UFJ <8306>  500.5円  +2.1 円 (+0.4%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が小幅ながら3日続伸と上値指向をみせている。米10年債利回りの低下が加速し逆イールド現象を起こすなど、米国事業における運用環境は悪化しているほか、国内でも日銀が一段の金融緩和政策に動く可能性があることで収益面でのデメリットが意識されている。ただ、株価500円近辺は年間配当利回りで5%前後と高く、インカムゲイン狙いの買いを誘導。0.4倍弱のPBRなどを考慮しても底値圏との見方が強まっている。

■国際石油開発帝石 <1605>  899.9円  +1.9 円 (+0.2%)  本日終値

国際石油開発帝石<1605>、JXTGホールディングス<5020>などが買い優勢。前日にWTI原油先物価格が85セント高の1バレル=55ドル78セントと続伸、4日ぶりに終値で55ドル台を回復した。これを受けて米国株市場ではシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー関連株が上昇し、全体相場の上げに貢献した。東京市場も原油価格と株価連動性の高い資源開発関連や石油関連株に買いが優勢となっている。

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