【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ “苦月相場”のジンクス崩れる!耐性備えた東京市場
「“苦月相場”のジンクス崩れる!耐性備えた東京市場」
●米中対立の軟化を支えに回復へ
例年この時期になると私は、9月相場について苦しい展開になりやすいとの理由から、「9月相場」ではなく「苦月相場」だ、などと書く。
しかし、これは主に9月の前半を厳しく見ているためで、実際は「前半軟調→後半回復」、これが基本的な展開になり、年末に向けて上昇が期待できる。必ずこうなるということではない。近年では昨年がこうはならず、日経平均株価は10月初めまでは上昇したものの、その後は崩れて年末までそれが続いてしまった。
今年はどうか。昨年の10月以降の下落は米中貿易戦争の開始初期だった。そのため市場は不安感に駆られ、売り優勢のまま年末を迎えてしまった。いまはそれから1年ほどが過ぎて、変わったことがある。米中貿易戦争はなおも続き、激化しているのだが、市場はそれに耐性ができている。これが大きい。
幸い、いまは両国の貿易協議の10月再開が決まったとのこと。これまで幾度も開催されたり、延期されたり、開催されても合意に至らずの繰り返しであり、今回も同じことになる可能性はある。
しかし、投資する立場からはこれでよい。少なくとも10月開催までは両国の対立が軟化し、市場を揺るがすようなネガティブ材料が出てくる可能性が小さいからだ。
その結果、今年の9月相場は「前半軟調→後半回復」のパターンよりも、「前半から回復」、こうなることも十分あり得る状況だ。
●年末を見据えて銘柄選別
しかも、個別にはオリエンタルランド <4661> の新値更新が続いている。いまやこの株は東京市場のシンボル的存在となっていて、同社株の上昇が続く限り、東京市場の土台は揺らがないと見てよい。
そこで、今回はいささか早いが、年末までを想定して投資を行いたい。具体的には、まずは曙ブレーキ工業 <7238> だ。米国でのGM大型車向けブレーキの受注に失敗したことで経営が傾き、信元会長兼社長が引責辞任した。新経営陣にはトヨタ自動車出身の栗波氏が副社長として加わってる。今後はトヨタ自動車 <7203> との関係緊密化により、危機を脱するだろう。株価も期待が持てる。
これから、季節は秋から冬に向かうことを考えると、 ラーメンの需要が高まると見てよく、力の源ホールディングス <3561> も魅力的だ。博多ラーメン「一風堂」の経営は順調で海外展開も好調なのに、株価は大きく売り込まれてしまった。しかし、いまは回復の兆しが見える。
株は、企業収益が伸び続けているからといって上がり続けるわけではない。収益好調でも下げてしまう銘柄があり、MonotaRO <3064> もそんな銘柄の一つだった。工場・工事関連の間接資材のネット販売が好調でも株価は下げていたが、8月6日以降は見直し買いが入り続けており、続伸する確率が高いと見てよい。
魚の需要が落ちているとのことだが(サバ缶は相変わらず好需要だ)、骨があるから嫌だという人が多いとのこと。こうした食の好みの変化を踏まえ、骨なし魚を製造販売、成功しているのが大冷 <2883> だ。株価は超スローペースながら上昇を続けていて、魚は食べたいが骨は嫌、という消費者による購入増を背景に株価は続伸しよう。
最後に私の最寄り駅にある百貨店に出店しているため、時々行ってはノート、お菓子などを購入する良品計画 <7453> を。
2019年9月6日 記
株探ニュース