米国株式市場見通し:FOMCが開催予定

市況
2019年9月14日 15時03分

米中貿易摩擦問題で両国が歩み寄りを見せ、投資家心理が改善したものの、週明けは17-18日のFOMC結果を見極めたいとの思惑から小動きとなるだろう。FOMCでは利下げが確実視されているものの、貿易交渉を巡る不確実性が後退しているほか、連銀高官の多くは景気減速の兆しが見えない限り、金融政策は現状維持が望ましいとの見解を示しており、パウエルFRB議長が今後の金利見通しについてどのような説明を行うかが焦点となるだろう。

週初はアップルの新型iPhoneの予約開始後3日間の予約状況に注目が集まりそうだ。初週の予約状況によって、iPhone販売で恩恵を受ける通信キャリア各社や部品メーカー、そして決済ネットワーク企業などが物色されるだろう。今回新たに発表された「iPhone11」「iPhone11 Pro」「iPhone11 Pro Max」の中で、「iPhone11」は安価で買い換えやすいモデルだが、来年以降に次世代通信規格5G対応端末の発売を控えていることもあり、新型iPhoneを買い控える顧客がどれほどいるのかも見極めたい。

経済指標では、9月NY連銀製造業景況指数(16日)、8月鉱工業生産(17日)、9月NAHB住宅市場指数(17日)、8月住宅着工・建設許可件数(18日)、8月中古住宅販売件数(19日)、8月景気先行指数(19日)などの発表が予定されている。住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指数は、8月分が今年の最高値を記録するなど堅調に推移したものの、向こう6か月の見通しは悪化した。関税引き上げなど貿易摩擦の影響が建築資材の価格に影響を与えている可能性もあり、注意が必要だ。

企業決算では、運送会社のフェデックス(17日)、グラフィックソフトのアドビ・システムズ(17日)、食品のゼネラルミルズ(18日)、レストラン運営のダーデンレストランツ(19日)などの発表が予定されている。アドビ・システムズは、事業多角化の一環として電子商取引用ソフトのマジェントや、マーケティング支援のマルケトを買収して製品ラインを拡充している。ナラヤンCEOは下期の業績拡大に自信を示しており、好決算が期待できそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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