富田隆弥の【CHART CLUB】 「強い相場だが、10月の調整に要注意」
◆日経平均株価は19日現在、2万2255円高値を付けるなど快進撃が続いている。9月4日の安値2万554円から2週間で1700円(8.2%)もの急騰で、サイコロジカルライン11勝1敗(91.6%)、騰落レシオ126.9%、RCIとRSIの9日線が100%(9月13日)になるなど日足のテクニカル指標は過熱感を漂わす。だが、世界的な超低金利を背景に株価のトレンドが好転すれば、マネーの流れは「リスクオン」となるので「流れに従う」のが基本である。
◆日本では裁定取引残高が0.17倍(買い3347億円、売り1兆9329億円)と歴史的な売り長にあり、買い戻しが相場を押し上げるという需給妙味にも支えられて、日経平均は4月24日の年初来高値2万2362円突破が時間の問題と言えるだろう。そうした状況は米国株にも言えることで、NYダウ(18日現在2万7147ドル)は7月16日に付けた過去最高値2万7398ドルを指呼の間に捉えている。
◆日米の株式市場が上昇に転じたキッカケは、「米中」両国に雪解けの気配が出てきたことが大きい。「米中」問題はマーケット最大の懸念要因であったのは言うまでもなく、ここにきてトランプ米大統領の強硬姿勢が穏和に傾き、米中両国の関税合戦も休戦状態となった。10月から始まる閣僚級協議での進展も期待されている。
◆一説によれば、10月1日の「中国建国70周年」を控えてトランプ大統領が中国・習主席に配慮したという。また、来年の大統領選を控えてトランプ大統領が強硬から穏和に姿勢を変化させ始めたとの声も聞かれる。その真意はともかく、マーケットとしては「米中交渉」の成り行きがカギ握ることは間違いない。
◆ただし、米中閣僚級協議が順調に進展するとは限らない。もし、この協議が物別れになるなら株式市場は再び「懸念」「警戒」を募らせるだろう。テクニカル指標の過熱が前面に出てきて、上昇基調にある日経平均のトレンドが崩れ、需給妙味は封印され、マネーは「リスクオフ」に傾こう。トランプ大統領のツイートは気まぐれだし、過去10月に相場が荒れたケースも珍しくない。
◆株価は高所に来ている。9月26日の配当取りを終えて、中国建国70周年の「10月1日」を通過したあと、株価の調整とチャートの流れに注意が必要となろう。
(9月19日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース