前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年10月10日 5時30分

■井筒屋 <8260>  262円 (+29円、+12.5%)

東証1部の上昇率3位。井筒屋 <8260> が続急騰。8日大引け後に発表した20年2月期上期(3-8月)の連結経常利益が前年同期比6.6倍の5億0100万円に急拡大し、従来予想の1億円を上回って着地したことが買い材料視された。好調な化粧品の売り場拡大や人気ブランド導入など本店で大型リニューアルを進めたほか、黒崎店の改装売り尽くしセールも大幅増益に貢献した。本店のリニューアルに伴う固定資産受贈益が発生したことも利益を押し上げた。通期計画の6億円に対する進捗率は83.5%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■Mラインズ <3901>  1,953円 (+126円、+6.9%)

東証1部の上昇率9位。マークラインズ <3901> が急反発。8日の取引終了後に発表した9月度の「情報プラットフォーム」契約企業数が前月比46社増の3181社となり、順調に社数を積み上げていることが好感された。うち海外企業数は1485社で、同29社増と順調に増加した。

■フジタコーポ <3370>  1,288円 (+82円、+6.8%) 一時ストップ高

フジタコーポレーション <3370> [JQ]が一時ストップ高。9日付の日本経済新聞で、カジノを含む統合型リゾート開発(IR)開業をにらんだ、国内企業の動きが紹介されており、なかで「森トラストの会長がオーナーを務める投資会社は約2500億円を投じ、2023年以降に北海道苫小牧市のIR候補地の近隣で大型リゾート施設を開業する」と報じられれたことから、苫小牧に本社があり、飲食や物販のフランチャイジーである同社に思惑的な買いが入ったようだ。

■VIX短先物 <1552>  8,780円 (+540円、+6.6%)

国際のETF VIX短期先物指数 <1552> [東証E]が4日ぶりに反発。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。8日の米VIX指数は前日に比べ2.42(13.55%)ポイント高の20.28に上昇。4日ぶりに危険水域とされる20を超えてきた。10~11日に予定されている閣僚級の米中貿易協議に対する警戒感が台頭し、8日のNYダウは313ドル安と急落した。これを受け、国際VIX短期先物は上昇した。

■ホロン <7748>  2,877円 (+174円、+6.4%)

ホロン <7748> [JQ]が急反発。半導体向けに電子ビームによるマスク検査装置を製造するが、EUV(極端紫外線)露光装置メーカーの出荷台数が増勢となるなか、同社もこの恩恵を享受する流れにある。EUVは既存技術よりも細かい回路線幅の露光を可能とする次世代技術で、半導体の微細化加工のニーズを背景にここにわかに脚光を浴び、海外大手半導体メーカーではTSMCが7-9月期からEUVでの量産をスタートさせるなど市場が急速に立ち上がっている。ホロンの業績はEUV関連需要が本格化する来期以降に期待が膨らみ、20年3月期営業4.7%増益予想に続き21年3月期は2ケタ成長も視野に入りそうだ。

■デザインワン <6048>  372円 (+22円、+6.3%)

デザインワン・ジャパン <6048> が続急伸。口コミを特長とした店舗情報サイトを運営。全国約150業種、約465万店舗の店舗情報や口コミが掲載されている「エキテン」を展開している。無料会員数が伸びる一方、有料会員数は苦戦していたが、店舗の集客力回復に向けてサイト構成の見直しや表示速度向上などに努め、これが功を奏している。SBIキャピタルが同社株を一貫して買い増す動きを継続している点に注目する向きも多い。今週末11日に19年8月期本決算を控えており、来期の業績見通しにマーケットの関心が高まっている。

■日本アジア投資 <8518>  271円 (+14円、+5.5%) 一時ストップ高

日本アジア投資 <8518> が一時ストップ高。株価は9月19日に急騰した後に調整、250円を下限に売り物をこなしていたが、目先25日・75日移動平均線のゴールデンクロスを目前に再動意する形となった。市場では「同社の投資先企業であるインテグラルジオメトリーサイエンスが、完全自動運転『レベル5』を実現するセンシングシステムを開発したと日刊工業新聞で報じられ、これを手掛かり材料に短期資金が集結した。ただ、記事の中身を読む限りレベル5を実現すると言い切るには早いようにみえる。株価も気迷い気味で、買い一巡後は伸び悩んでいる」(国内ネット証券アナリスト)としていた。

■ライフコーポ <8194>  2,282円 (+101円、+4.6%)

ライフコーポレーション <8194> が大幅に4日続伸。8日午後2時ごろに発表した第2四半期累計(3-8月)連結決算が、売上高3533億6300万円(前年同期比1.5%増)、営業利益55億6300万円(同19.6%増)、純利益38億3300万円(同30.8%増)と2ケタ営業増益となり、従来予想の営業利益48億円を上回ったことが好感された。5店舗の新規出店と4店舗の改装を行ったことに加えて、おいしさの追求などの商品施策が奏功し売上高が増加した。一方で人件費や物件費などのコスト増はあったものの、商品政策など各種施策の成果がそれを上回った。なお、20年2月期通期業績予想は、売上高7200億円(前期比3.0%増)、営業利益124億円(同0.9%増)、純利益75億円(同1.3%増)の従来見通しを据え置いている。

■AIクロス <4476>  2,300円 (+100円、+4.6%)

AI CROSS <4476> [東証M]が大幅高。8日に東証マザーズ市場に新規上場した直近IPO銘柄で、SMS(ショート・メッセージ・サービス)を主力に、ビジネスチャットサービス「InCircle」の提供やビジネスチャットのメッセージデータを人工知能(AI)エンジンで分析するAI Analyticsサービスなどを展開。SMSやAIなど市場の関心の高いテーマ性があることに加えて、直近IPO銘柄ならではの上値抵抗の少ない銘柄として、全般市場が冴えないなか個人の買いが向かったようだ。

■三桜工 <6584>  761円 (+29円、+4.0%)

三櫻工業 <6584> の物色人気が本格化、8連騰となった。次第に需給相場の様相を呈しており、信用取組は買い長ながら売り残も厚く信用倍率1.6倍台、日証金では貸借倍率0.7倍台と貸株が融資を上回る状況にある。東工大と共同開発中の新型発電素子や出資先の米ソリッドパワーと共同で研究開発を進める全固体電池などに対する思惑が株価上昇の背景にあるようだ。業績も国内事業の増収効果に加え、欧州子会社の立ち上げコストなどの減少などで利益の伸びが顕著となっており、20年3月期中間期の営業利益予想は従来予想から増額修正し、前年同期比12%増の28億円を見込むなど好調だ。

■北興化 <4992>  505円 (+15円、+3.1%)

北興化学工業 <4992> が大幅反発。同社が8日取引終了後に発表した第3四半期累計(18年12月-19年8月)の連結営業利益は前年同期比0.1%増の27億3000万円だった。ファインケミカル事業の製造コスト低減などが利益に寄与した。19年11月通期の予想連結営業利益30億円に対する進捗率は91%に達しており、今期業績に上振れ期待が高まっている。

■小林産 <8077>  326円 (+9円、+2.8%)

小林産業 <8077> が続伸。8日に6.7%高と値を飛ばしたこともあって目先筋の利益確定売りも出たが、それを吸収してなお上値を指向した。同社は建設用ボルトやナットなどネジの専門商社で首位に位置する。公共投資需要は底堅く推移しているが、今秋には防災・減災に対するニーズを底流に補正予算編成に伴う公共投資拡大への期待があり、収益機会拡大への思惑がある。首都圏を中心に都市再開発関連の受注も好調。新システム導入に伴う物流効率化の進展も利益率改善に寄与している。PBR0.7倍台と株価指標面で割安感がある。

■大盛工業 <1844>  232円 (+6円、+2.7%)

大盛工業 <1844> [東証2]が4日続伸。東京を中心に下水道や地中化工事を主力としており、補正予算編成による公共投資拡大の恩恵を受けやすく、国土強靱化関連の一角として注目され始めた。電線地中化に伴う共同溝工事で商機を捉えるとの見方もある。大型台風の接近で再び無電柱化推進への思惑が高まり、株価200円台で値ごろ感のある同社株への買いを誘導している。

■エーアイテイ <9381>  1,011円 (+26円、+2.6%)

エーアイテイー <9381> が反発。8日正午ごろに発表した第2四半期累計(3-8月)連結決算が、売上高224億5100万円(前年同期比72.7%増)、営業利益7億6200万円(同6.8%増)、純利益6億2400万円(同18.3%増)と増収増益となったことが好感された。主力の中国や東南アジアから日本への輸入海上輸送の取り扱いが増加していることに加えて、仕入れコスト上昇の販売価格への転嫁に取り組んだことが奏功した。また、持ち分法による投資利益の計上なども最終増益に貢献した。なお、20年2月期通期業績予想は、売上高500億円(前期比80.0%増)、営業利益16億5000万円(同6.9%増)、純利益12億5000万円(同7.1%増)の従来見通しを据え置いている。

■Jオイル <2613>  4,330円 (+100円、+2.4%)

J-オイルミルズ <2613> が4日続伸し年初来高値を更新。8日の取引終了後、東急 <9005> 及び伊豆急ホールディングス(静岡県伊東市)と業務提携し、東急グループが進める「伊豆オリーブみらいプロジェクト」に新たに参画すると発表しており、これが好材料視された。今回のプロジェクト参画は、伊豆におけるオリーブ栽培及び伊豆産オリーブのブランド化への寄与が狙い。東急がオリーブを栽培する圃場の近隣の農地をJオイルが賃借し、オリーブの木を植樹し、伊豆急HDと共同で栽培管理を行うという。また、共同研究を実施し、伊豆産オリーブ果実の分析評価と、その果実から搾油されたオリーブオイルの官能・理化学評価を行うことで、伊豆産オリーブオイルの品質向上とミールの有効活用を目指すとしている。

■TOKAI <3167>  1,055円 (+22円、+2.1%)

TOKAIホールディングス <3167> が反発。8日の取引終了後、100%子会社TOKAIが、岐阜県を地盤とするゼネコンの日産工業(岐阜県下呂市)の全株式を取得し、子会社化したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。今回の子会社化は、日産工業の技術力・ノウハウを吸収し、総合建設事業者として中京圏のほか、静岡や関東圏でも土木・建築・設備工事の総合的な展開を図るのが狙い。また、16年に進出した中京圏におけるLPガス事業などとのシナジー創出を目指すとしている。なお、20年3月期連結業績への影響は軽微としている。

■CVSベイ <2687>  689円 (+10円、+1.5%)

シー・ヴイ・エス・ベイエリア <2687> が3日ぶり反発。同社は8日取引終了後、19年8月期上期の経常利益を従来予想の1億5000万円から2億100万円(前年同期実績は1100万円)に大幅上方修正しており、これを好感する買いが入った。千葉市美浜区に保有するオフィスビルの投資不動産における不動産管理費が想定を下回り、閉店したコンビニの営業補償金を特別利益として計上した。

■パルHD <2726>  3,545円 (+35円、+1.0%)

パルグループホールディングス <2726> が続伸。8日大引け後に発表した20年2月期上期(3-8月)の連結経常利益は前年同期比43.1%増の54.8億円に拡大し、従来予想の44.1億円を上回って着地したことが買い材料視された。積極的なブランドプロモーションや機動的な商品投入を継続し、衣料品の販売が伸びたことが寄与。原価低減や販管費の抑制なども大幅増益に貢献した。通期計画の90億円に対する進捗率は61.0%に達しており、業績上振れが期待できる状況にある。

■カプコン <9697>  2,850円 (+28円、+1.0%)

カプコン <9697> が3日続伸。東海東京調査センターが8日付で投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」とし、目標株価を2700円から3500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同センターでは、コンシューマにおけるリピート販売の好調や9月に発売された新作「モンスターハンターワールド:アイスボーン」が全世界で250万本を出荷するなど収益が拡大している点を評価。20年3月期の営業利益を前年比27%増の230億円(会社予想200億円)と予想するほか、21年3月期は同10%増、22年3月期は同7%増と利益成長が続くと予想している。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.