富田隆弥の【CHART CLUB】 「強い相場でも、調整信号に注意」

市況
2019年10月26日 10時00分

◆24日現在、日経平均株価は4連騰(2万2750円引け)で高値を2万2780円まで伸ばしている。騰落レシオが139%(16日時点)、RCIは9日線98%、13日線97%(24日)、サイコロジカルラインが9勝3敗(23日)と短期テクニカルは過熱感を漂わすが、いまのマーケットにあまり過熱は感じられない。それは16日まで4連騰で1016円上昇し2万2615円を付けたあと、23日まで2万2500円処でのスピード調整を挟んだからだろう。

◆日足チャートで8月の安値2万110円からのN波が2万3420円、週足チャートで昨年12月の安値1万8948円からのN波が2万3525円と、どちらも2万3000円台を指すことから、しばらくそこを目指した流れが続くと思われる。18日現在の裁定取引残高が買い5157億円、売り1兆5388億円と売り長状態が続いている。需給で上昇しやすい地合いにあり、アベノミクス相場の最高値2万4448円(昨年10月)を目指す可能性もある。

◆日経平均先物12月物の建玉(18日時点)を見ると、CTA(商品先物業者)系のCS(クレディ・スイス証券)が10月第2週の3889枚から第3週の1万800枚と大きく買い越し、日経平均の上昇に寄与したと言える。ただ、CSが9月第4週の1万1613枚から10月第1週の4767枚と買いを減らしたのと同時期に、日経平均が大きく下がったという経緯がある。時として投機的ともみられる売買をすることもあり、株価が上がれば「利益確定売り」に動くのは当然で、ここから上値ではまた売りに転ずる可能性もある。CSをはじめ外資系の動きには注視しておきたい。

◆日経平均が上昇基調にあるうちは流れに従い「買い」で対応する。とはいえ、マーケットはいま楽観ムードに包まれ、強気観測が増えてきた。個別株では「半導体関連」に多くの目が集まる。これは「人気片寄る」の兆候でもあり、日経平均の日足の調整信号には注意したい。調整信号を見せるとテクニカルの過熱信号が前面に出てきて「調整」リスクを意識させるだろう。強気相場の中でも、日足の陰転信号に注意していきたい。

(10月24日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.