米国株式市場見通し:FOMCが開催予定

市況
2019年10月26日 14時40分

概ね良好な主要企業決算と中国貿易交渉の進展や連銀の緩和期待を背景に株式相場は3週連続の上昇で高値圏にある。週明けは29-30日のFOMC結果を見極めたいとの思惑から小動きとなるだろう。米中通商協議を巡るリスクが後退している一方で、英国の欧州連合(EU)離脱に関する先行き不透明感は残っている。FF金利の先物取引から算出される利下げ確率では、市場参加者の多くが利下げを予想しているが、連銀参加者の間でも利下げを巡って意見が分かれており、注目したい。

引き続き、多数の企業決算が予定されており、ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(28日)、通信大手のAT&TやTモバイルUS(28日)、スプリント(31日)、検索大手のアルファベット(28日)、製薬のメルクやファイザー(29日)、出前注文サービスのグラブハブ(29日)、自動車大手のゼネラル・モーターズ(29日)、決済ネットワークのマスターカード(29日)、ゲーム大手のエレクトロニック・アーツ(29日)、複合企業のゼネラル・エレクトリック(30日)、ファストフードのヤム・ブランズ(30日)、SNSのフェイスブック(30日)、コーヒーチェーンのスターバックス(30日)、携帯端末のアップル(30日)などの発表が控えている。フェイスブックは、ザッカーバーグCEOが同社主導の仮想通貨「リブラ」の発行延期を表明したが、今後の業績にどのような影響があるかが焦点となる。アップルは、決算発表時点での新製品「iPhone 11」シリーズの販売状況に注目が集まるだろう。

25日時点でのファクトセット社の集計によると、S&P500構成銘柄の約4割が第三四半期決算を終了したが、約8割の企業が一株利益で予想を上回った。先週時点で4.8%の減少が予想されていた前年同期比利益成長も3.7%減まで改善しており、企業業績への悲観的な見方が修正されつつある。

経済指標では、10月消費者信頼感指数(29日)、10月ADP雇用統計(30日)、7-9月期GDP速報値(30日)、9月個人所得・支出(31日)、10月ISM製造業景況指数(1日)、9月建設支出(1日)、10月雇用統計(1日)などの発表が予定されている。雇用統計は失業率が3.6%とほぼ横ばいであるものの、非農業部門雇用者数は9万人と減少が予想されている。予想を下回る低調な内容となれば、米景気の後退が意識され株式相場に影響を与えそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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