話題株ピックアップ【夕刊】(2):クラレ、カーボン、ファルテック
■ノーリツ <5943> 1,401円 -18 円 (-1.3%) 本日終値
ノーリツ<5943>が反落。27日の取引終了後、住設システム分野からの撤退と希望退職の募集を柱とする国内事業の構造改革を実施すると発表。これに伴い20年12月期に約70億円の特別損失を計上するとしたことが嫌気された。今回発表の構造改革では、住設システム分野から撤退し、システムキッチン、システムバス、洗面化粧台の開発・生産・販売を20年6月末で終了するほか、全従業員の2割弱にあたる約600人の希望退職を募集するという。なお、同件による19年12月期業績への影響は軽微としている。
■クラレ <3405> 1,315円 -16 円 (-1.2%) 本日終値
クラレ<3405>が反落。27日の取引終了後、19年12月期の連結業績予想について、最終利益を285億円から25億円(前期比92.6%減)へ下方修正したことが嫌気された。18年5月に米子会社で発生した火災事故に関して、160人超の外部委託業者の作業員などから損害賠償等を求める民事訴訟が提起され、一部の原告を対象に140億円を特別損失として計上していが、その後の損失の見積りで、新たに340億円を特別損失として計上したことなどが要因としている。
■日本カーボン <5302> 4,265円 -50 円 (-1.2%) 本日終値
日本カーボン<5302>が反落。大和証券は27日、同社株のレーティングを「1(買い)」から「3(中立)」に引き下げた。目標株価は5600円から4500円に見直した。黒鉛電極の事業環境の悪化を背景に20年12月期の連結営業利益予想を従来の165億円から135億円に引き下げた。19年12月期の同利益は会社計画と同水準の160億円を見込んでいる。同証券では、黒鉛電極の在庫調整の進捗状況を見極める必要があるとみている。
■コマツ <6301> 2,566円 -24 円 (-0.9%) 本日終値
中国関連株は軟調。コマツ<6301>やファナック<6954>などが値を下げた。日本時間の早朝にトランプ米大統領が「香港人権・民主主義法」に署名し、同法案は成立した。中国は、香港人権法案に対して内政干渉と強く反発しており、今後の米中交渉への影響が懸念されている。これを受け、この日の中国関連株には売りが先行した。
■東亜建設工業 <1885> 1,529円 -14 円 (-0.9%) 本日終値
27日、東亜建設工業 <1885> が70億円の海外円建ての新株予約権付き社債(転換社債=CB)を発行すると発表したことが売り材料視された。転換価格は1882円。発行済み株式総数に対する潜在株式数の比率は17.42%になる見込みで、将来的な株式価値の希薄化や株式需給の悪化を警戒する売りが向かった。調達資金は自己昇降式作業台船の建造資金などに充てる。一方、発行済み株式数(自社株を除く)の9.37%あたる200万株(金額で20億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したが、こちらへの反応は限定的となった。
■ファルテック <7215> 1,325円 +300 円 (+29.3%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
ファルテック<7215>が前日に続くストップ高に買われたほか、大真空<6962>や日本電波工業<6779>など自動ブレーキ関連銘柄が軒並み大幅高。前日にメディアを通じ政府が国内で販売される新車に自動ブレーキ取り付けを義務付ける方針が伝わっており、先進緊急ブレーキシステムなどの関連銘柄が物色人気。車載用水晶振動子を扱う大真空や日本電波工業、ミリ波レーダー関連製品を手掛けるファルテックが注目されているほか、イメージセンサーに強みを持つインターアクション<7725>にも買いが入った。
■サイバーリンクス <3683> 1,408円 +247 円 (+21.3%) 一時ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率3位
サイバーリンクス<3683>が急騰し一時ストップ高に買われた。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「総務省は企業間でやりとりする請求書などの電子書類が本物だと証明する公的な認定制度を2020年度に設ける」と報じられており、なかで認定制度の対象として「タイムスタンプ」と「eシール」という2つの証明サービスを挙げていることを好材料視した買いが入った。サイバーリンは、17年4月に時刻認証業務認定事業者(TSA)の認定資格を取得し、認定業者としてタイムスタンプを利用したサービスを提供しており、「サイバーリンクス タイムスタンプサービス(モジュール開発)」を財務省より受注するなどしている。
■共栄タンカー <9130> 1,735円 +300 円 (+20.9%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率4位
27日、共栄タンカー <9130> が12月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。併せて、株主優待制度を新設すると発表したことも好感された。毎年3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、一律2000円分のクオカードを贈呈する。20年3月末時点の対象株主から制度を開始するとしている。
■カイオム <4583> 250円 +35 円 (+16.3%) 本日終値
27日に発表した「富士レビオが診断薬キット販売開始」が買い材料。
カイオムのADLibシステムを使用して富士レビオが開発した特異的抗体を含む診断薬キット「ルミパルスプレスト アルドステロン」が販売開始。これに伴い富士レビオから売上高に応じたロイヤルティを受け取る。
株探ニュース