【杉村富生の短期相場観測】 ─ 日経平均株価は中勢3万円を指向!
「日経平均株価は中勢3万円を指向!」
●“絶好調”のNY市場と出遅れの日本市場!
NY市場は“絶好調”である。 NYダウ、NASDAQ指数、S&P500指数ともに史上最高値を更新中だ。1月16日のNYダウは267ドル高の2万9297ドルだった。完全に「3万ドル」が視野に入っている。
ちなみに、ブラックマンデー(1987年10月19日)時のNYダウは1738ドルにすぎなかった。実に、16.9倍になっている。一方、1987年10月20日の 日経平均株価は2万1910円だ。上昇率は10%そこそこにとどまる。これはどうしたことか。
やはり、バブル崩壊のダメージに加え、「失われた25年」のツケというか、後遺症だろう。しかし、株価低迷の要因の多くが消えたか、解消されつつある。したがって、日経平均は早い段階に、昭和の終わり(1989年1月6日)の水準(3万209円)を目指すことになろう。
なお、NYダウの予想PERは17.2倍、NY市場は18.3倍に買われている。現在、日経平均の1株利益(予想ベース)は1656円だ。NY市場並みのPERでは3万305円となる。3万円奪回は決して無理な“注文”ではないと判断する。
世界景気は底入れ→回復基調を鮮明にしている。改めて述べるまでもない。日本株には景気敏感セクターとしての側面がある。世界景気の回復局面では真っ先に買われるし、他市場のパフォーマンスを圧倒している。
●外国人の本格参戦が秒読みに!
外国人はこのことをよく知っている。いつまでも売りっぱなしでは困るだろう。チャンスを逃す恐れがある。確かに、足もとは“主戦場”がアメリカであり、国際マネーの多くがそこに向かっている。ただ、2019年でみると、現物の売り越しは8780億円(2018年は5兆7403億円の売り越し)と急減、先物は2018年の売り越し7兆4635億円が2019年は3兆3657億円と、大幅買い越しに転じている。
一方、物色面はどうか。具体的には内外の機関投資家が狙う5G、半導体などのテーマ性を内包、かつ好業績(2020年度に2ケタ営業増益、ないしは最高益更新)のイビデン <4062> 、アンリツ <6754> 、ソニー <6758> 、日本M&Aセンター <2127> 、ネットワンシステムズ <7518> などに注目できる。
さらに、低PEGレシオ(予想PER÷予想利益成長率)の視点では新光電気工業 <6967> 、NEC <6701> 、レーザーテック <6920> 、太陽誘電 <6976> 、アドバンテスト <6857> などをピックアップできる。いずれもロングランに買われると思う。
小物では引き続いて、ソフトウェアテスト専業のバルテス <4442> [東証M]、株価支援材料が山積みのファーマフーズ <2929> [東証2]、思惑妙味の大日光・エンジニアリング <6635> [JQ]、出直り態勢のツクルバ <2978> [東証M]などに妙味あり、と判断する。
2020年1月17日 記
株探ニュース