清水洋介氏【バブル後高値更新へあと一歩、ここからの展望は】(1) <相場観特集>

特集
2020年1月20日 18時30分

―薄商いで上値重いが2万4000円台で売り物をこなす―

週明け20日の東京市場は日経平均株価が40円あまり上昇し3日続伸となった。きょうは、今晩の米国株市場の休場に伴い海外投資家の参戦が少なく、薄商いのなかはっきりしない動きを強いられたものの、売り急ぐ動きも見られない。日経平均は18年10月につけた高値2万4270円の奪回まであと一歩に迫っているが、ここからの相場展望を第一線で活躍する市場関係者はどう見ているのか、2人に意見を聞いた。

●「決算発表を機に利益確定売りも、食品株など評価余地」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

日経平均は昨年来高値を更新してきた。なお、一段高の余地は残すものの、高値警戒感も出やすく先行き調整局面に入る可能性はあると思う。今後1ヵ月程度の日経平均のレンジは2万3200~2万4200円を見込んでいる。

今年1年間を通じては、大きなトレンドでは2万3000円台での持ち合い相場になると予想している。業績のV字型回復を見込んで、日経平均は昨年秋以降、上昇基調を強めてきたが、株価の上昇に業績は追いついていかない可能性があるとみている。NYダウは、米国企業の決算発表が一巡するとともに調整局面に入ることが予想される。日経平均も決算発表が進展するなか、材料出尽くし感が台頭することもあり得るだろう。

米中経済摩擦やイラン問題への警戒感が後退したことを市場は好感した。しかし、これらは株価の下押し要因が軽減したのにとどまり、株価を押し上げる要因にまではならないだろう。

個別銘柄では、ブリヂストン <5108> や食品株などに投資妙味があるとみている。ブリヂストンの株価は昨年秋以降、調整しており値ごろ妙味が出ている。新車販売が振るわないことの影響が懸念されるが、消耗品のタイヤには買い替え需要が見込めることが業績の下支えるになるだろう。また、食品株では森永乳業 <2264> 、それに水産株の日本水産 <1332> にはバリュエーション面からの割安感があるとみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)

大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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