今週の【早わかり株式市況】反落、新型肺炎の感染拡大と企業の低調な決算が重荷
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶりに下落、新型肺炎の感染拡大に対する警戒感拭えず
2.企業の低調な決算発表に対する懸念もくすぶり、全体相場の重荷となる
3.週央に反発に転じるもSBG株の上昇による影響大きく実質は軟調相場
4.新型肺炎は中国にとどまらず、日本国内での感染者数増加も嫌気される
5.週を通じて値下がり銘柄数が値上がり数を大きく上回るなど調整色強い
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比140円(0.59%)安の2万3687円と2週ぶりに下落した。
今週は祝日が間に入り4営業日だったが、引き続き新型肺炎の感染拡大に対する懸念が重荷となり全体相場は弱含みで推移した。日経平均は週央に反発したものの、先物主導の上昇で実態を伴わず、1週間を通じて値下がり銘柄数が値上がり数を大きく上回る売り圧力の強い地合いを強いられた。
週明け10日(月)は日経平均が下値を試す展開で始まった。前週末の米国株市場でNYダウなど主要株指数が大きく値を下げたことを受けリスク回避の売りにさらされた。企業の低調な決算発表に対する警戒感も買いを手控えさせた。11日(火)は建国記念の日に伴う祝日で休場。12日(水)は日経平均寄与度の高いソフトバンクグループ <9984> が大幅高に買われ3日ぶりに反発。175円あまりの上昇をみせたがTOPIXは小幅マイナス圏で着地。値下がり銘柄数が1200を超えるなど実質的には軟調相場だった。13日(木)は朝方はやや買い優勢の展開だったが、中国での感染者数急増との報道を受け上値の重さは拭えなかった。後場に入ると地合いが軟化し日経平均は小幅ながらマイナス圏で引けた。14日(金)も新型肺炎への影響を懸念した売りが止まらなかった。国内での感染者数が増加していることも懸念材料に。日経平均は一時200円を超える下げをみせる場面があった。売り一巡後は下げ渋る動きをみせたものの、値下がり銘柄数は1400近くに達するなど調整色の強い地合いとなった。
■来週のポイント
来週も新型肺炎の感染拡大に対する懸念から上値の重い展開が続きそうだ。
重要イベントとしては、国内では17日朝に発表される10-12月期GDPや19日朝に発表される1月貿易統計と12月機械受注統計、21日朝に発表される1月全国消費者物価指数が注目される。海外では19日発表の米国1月住宅着工件数や20日発表の米国1月景気先行総合指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(2月10日~2月14日)
【↓】 2月10日(月)―― 続落、米株安や新型肺炎の感染拡大懸念で売り優勢
日経平均 23685.98( -142.00) 売買高11億6146万株 売買代金 2兆0685億円
【↑】 2月12日(水)―― 3日ぶり反発、新型肺炎リスクの売り一服
日経平均 23861.21( +175.23) 売買高13億9577万株 売買代金 2兆6061億円
【↓】 2月13日(木)―― 小反落、新型肺炎の感染者数急増の報道が重荷
日経平均 23827.73( -33.48) 売買高12億3541万株 売買代金 2兆3771億円
【↓】 2月14日(金)―― 続落、新型肺炎への楽観論後退で売り優勢
日経平均 23687.59( -140.14) 売買高13億5175万株 売買代金 2兆4068億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、 31業種が下落
(2)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、郵船 <9101> など海運といった景気敏感株が売られた
(3)武田 <4502> など医薬品、JR東日本 <9020> など陸運、東電HD <9501> など電力・ガスといったディフェンシブ株が安い
(4)コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株も軟調
(5)大和ハウス <1925> など建設、菱地所 <8802> など不動産、セブン&アイ <3382> など小売りといった内需株も総じて低調
(6)三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険といった金融株もさえない
(7)SBG <9984> など情報・通信、SUMCO <3436> など金属製品株はプラスを確保
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) マスク
2(2) コロナウイルス ── 感染者数急増を受けリスクを再認識
3(3) 5G
4(9) 人工知能(AI) ─── ISIDはAI人材を集約した組織を新設
5(4) インフルエンザ関連
※カッコは前週の順位
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