今週の【早わかり株式市況】続落、新型肺炎による企業業績への影響を懸念

市況
2020年2月22日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続で下落、新型肺炎による企業業績への影響を懸念

2.中国・上海株市場が堅調な動きをみせたことは過度な不安心理を改善

3.為替市場でドル高・円安が進み、主力株中心に株価下支え材料となる

4.アルゴリズム取引による先物売買が全体相場の値動きを荒くする展開

5.週末は円安が追い風も3連休控え買いポジション低める動きが重荷に

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比300円(1.27%)安の2万3386円と2週連続で下落した。

今週は新型肺炎の感染拡大への懸念が続くなか、企業業績への影響を警戒する売りに押された。一方で為替が大きくドル高・円安に振れたことは、主力株中心に株価の下支え材料となった。中国・上海株市場が強い動きをみせたことも過度な投資家の不安心理を緩和したが、アルゴリズムによる先物売買が全体相場の値動きを荒くしている。

17日(月)は朝方取引開始前に発表された10-12月期の実質GDP速報値が市場予測を上回って減少したことから、これを嫌気する売りがかさんだ。新型肺炎の感染拡大を警戒するムードが強かった。中国人民銀の金融緩和措置を好感してアジア株が堅調だったことで日経平均の下げ幅も限定的となったが、18日(火)は300円を超える下落に。米アップルの1-3月期売上高の下方修正が売りを誘発した。19日(水)は反発に転じ、日経平均は200円あまり上昇。3連休明けとなった前日の米国株市場ではアップルの下方修正の影響があまり反映されず、投資マインドは落ち着きを取り戻した。為替が円安傾向となったこともプラスに働いた。20日(木)は一段と円安が加速したことで朝方は大きく買いが先行、日経平均は一時400円超の上昇をみせたが、その後は波乱含みに。横浜港で検疫を受けていたクルーズ船の乗客の中から2人の犠牲者が出たことが報じられると、アルゴリズム取引による先物売りプログラムが発動、プラス圏は確保したものの急速に伸び悩んだ。21日(金)は3日ぶりに反落。新型肺炎による企業業績への影響が改めて警戒された。為替が一時1ドル=112円台に入る円安はポジティブ材料だったが、3連休を控えた週末ということで買いポジションを軽くする動きなどが影響した。

■来週のポイント

来週は引き続き新型肺炎に対する懸念が重荷になるものの、円安基調なだけに下値は限定的とみられる。また、新型肺炎に収束の兆しが出てくれば上値を追う展開が期待される。

重要イベントとしては、国内では25日発表の12月景気動向指数[改定値]や28日朝に発表される1月鉱工業生産が注目される。海外では25日発表の米国2月コンファレンスボード消費者信頼感指数や26日発表の米国1月新築住宅販売件数に注視が必要だろう。

■日々の動き(2月17日~2月21日)

【↓】   2月17日(月)―― 3日続落、新型肺炎に対する警戒やGDP悪化を嫌気

日経平均 23523.24( -164.35)  売買高11億6591万株 売買代金 2兆0165億円

【↓】   2月18日(火)―― 4日続落、新型肺炎の感染拡大でリスク回避の売り継続

日経平均 23193.80( -329.44)  売買高11億5325万株 売買代金 2兆1244億円

【↑】   2月19日(水)―― 5日ぶり反発、円安・アジア株堅調で買い戻しが優勢

日経平均 23400.70( +206.90)  売買高11億3397万株 売買代金 2兆1108億円

【↑】   2月20日(木)―― 続伸、円安進行で一時400円高も後場上げ幅縮小

日経平均 23479.15(  +78.45)  売買高11億7403万株 売買代金 2兆1810億円

【↓】   2月21日(金)―― 3日ぶり反落、新型肺炎への警戒感や3連休控え上値は重い

日経平均 23386.74(  -92.41)  売買高11億5539万株 売買代金 2兆0968億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、 27業種が下落

(2)日本製鉄 <5401> など鉄鋼は2週連続で業種別下落率トップ

(3)セブン&アイ <3382> など小売り、OLC <4661> などサービス、JR東日本 <9020> など陸運といった内需株が売られた

(4)輸出株はコマツ <6301> など機械、ソニー <6758> など電機、ニコン <7731> など精密機器が安いが

トヨタ <7203> など自動車は値を保つ

(5)三菱UFJ <8306> など銀行、大和 <8601> など証券といった金融株はさえない

(6)国際石開帝石 <1605> など鉱業、出光興産 <5019> など石油株の一角は堅調

(7)TOYO <5105> 、住友ゴ <5110> などゴム製品は買われた

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(2) コロナウイルス 武者陵司 「新型コロナウイルスと米国株高シリーズ(1)」 

2(1) マスク ───── 中国では企業総動員で増産の動き 

3(9) テレワーク(在宅勤務)ブイキューブ、テレワークの広がり受けて関心が続く 

4(3) 5G

5(6) 半導体製造装置

※カッコは前週の順位

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