今週の【早わかり株式市況】2200円超の急落・一時2万1000円割れ、新型肺炎の感染拡大で売り加速
■今週の相場ポイント
1.日経平均は週間で2200円超の急落、新型肺炎の感染拡大でリスクオフ加速
2.3連休明けは令和最大の下げ幅でスタート、世界的な感染拡大で経済への影響懸念
3.先物を絡め海外投資家の売りが顕著、個人も週後半は追い証発生に伴う投げ
4.米国株も大波乱、新型肺炎への警戒感が強まり27日には過去最大の下げ幅を記録
5.週末は日経平均が一時1000円超の暴落、ザラ場2万1000円割り込む場面も
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比2243円(9.59%)安の2万1142円と急落、3週連続の下落となった。週間ベースの下げ幅としてはリーマン・ショック直後の2008年10月2週に記録した2661円以来の大きさだった。
今週はリスクオフの流れが一気に強まり、日経平均は大幅な下落を余儀なくされた。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で世界経済が悪化することへの警戒感から外国人売りがかさみ、週を通じて下げ続け、週末は個人の追い証の投げも加わり想定外の下げ幅となった。
3連休明けとなった25日(火)は日経平均が800円近く下げ、令和に入って最大の下げ幅でスタート。新型肺炎の感染が欧州や中東にも広がったことが確認され、世界経済への影響が懸念された。26日(水)は続落。中国・上海株が景気対策期待で強い動きをみせたのを横目に下げ渋る動きもみられたが買いの勢いの弱さは否めない。そして27日(木)は先物を絡め海外投資家を中心にリスク回避の売りが加速し下げ幅は一時600円に迫る場面も。大引けはやや下げ渋ったものの470円あまりの下げで4ヵ月半ぶりに2万2000円を割り込んだ。そして週末の28日(金)は個人投資家の追い証発生に伴う投げ売りが加わり、日経平均は一時1000円超の暴落で一気に2万1000円台を割り込む場面もあった。前日の米国株市場で、NYダウが新型肺炎の感染拡大を嫌気して1190ドル安と過去最大の下げ幅を記録したことや、為替が急速に円高に振れたこともあって、東京市場でも98%の銘柄が下落する文字通りの全面安商状となった。
■来週のポイント
新型肺炎の世界的な感染拡大が続いているうえ、世界経済への影響が不透明なだけに、来週も下値を探る展開となりそうだ。
重要イベントとしては、国内では2日朝に発表される10-12月期法人企業統計調査や6日発表の1月景気動向指数が注目される。海外では2日発表の米国2月ISM製造業景況指数や、6日に発表される米国1月貿易収支と米国2月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(2月25日~2月28日)
【↓】 2月25日(火)―― 急落、新型肺炎を警戒し今年最大の下げ幅
日経平均 22605.41( -781.33) 売買高17億7802万株 売買代金 3兆3101億円
【↓】 2月26日(水)―― 3日続落、新型肺炎の感染拡大懸念で売り優勢
日経平均 22426.19( -179.22) 売買高16億7717万株 売買代金 3兆0096億円
【↓】 2月27日(木)―― 4日続落、新型肺炎への警戒で2万2000円割れ
日経平均 21948.23( -477.96) 売買高18億1141万株 売買代金 3兆1651億円
【↓】 2月28日(金)―― 大幅安、新型肺炎への警戒で一時2万1000円割れ
日経平均 21142.96( -805.27) 売買高24億2087万株 売買代金 4兆1288億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種が大幅安
(2)三井不 <8801> 、菱地所 <8802> など不動産業が業種別下落率トップ
(3)相場急落で大和 <8601> 、野村 <8604> など証券株が大幅続落
(4)郵船 <9101> など海運、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株も売られた
(5)原油安で国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油株が安い
(6)テレワーク、巣ごもり関連株などが物色された
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) コロナウイルス ── ランキングトップ、感染拡大が続き世界同時株安に
2(3) テレワーク
3(2) マスク
4(4) 5G
5(13) 遠隔医療 ─── 新型肺炎拡大で注目度高まる
※カッコは前週の順位
株探ニュース