「石油」関連が15位、WTI原油価格の暴落で経済への影響懸念<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「石油」が15位となっている。
新型コロナウイルスの感染拡大を背景に全体相場はリスク回避の売り圧力が依然として強い。一方で、ここ米国株市場をはじめ懸念材料として新たに急浮上しているのが原油市況の暴落に伴う経済への影響だ。
ここWTI原油先物価格が連日大幅に水準を切り下げる展開となっている。前日は終値ベースで10ドル超の暴落となり、1バレル=31ドル13セントまで水準を切り下げた。取引時間中には4年ぶりに30ドル台を割り込む場面もあった。世界景気減速で石油に対する需要が細るなか、OPECとロシアなど非加盟産油国との協調減産交渉が決裂し、サウジアラビアが増産に転じたことから、供給過剰に伴う需給悪化懸念が原油価格下落に拍車をかけている。これを受けて、前日の米国株市場ではエネルギー関連株が急落しており、シェブロンが15%超、エクソンモービルも12%超の下げをみせ、NYダウなど全体指数の下げを助長した。米国ではシェール関連企業のデフォルトリスクの問題が取り沙汰されており、金融機関への影響が警戒されている。
東京市場でもこの流れを引き継ぐ形となり、きょうは国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>、JXTGホールディングス<5020>、出光興産<5019>などが朝方一斉にウリ気配スタートとなるなどリスクオフの売りが直撃した。更に、原油市況連動型のETNであるNEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN<2038>は連続ストップ安に売り込まれる展開を余儀なくされた。原油ブルは、きょうまでの直近3営業日で40%も水準を切り下げている。
本来であれば、原油価格の急落は業績面でプラスに働く企業も少なくない。例えば燃油コストの低下でJAL<9201>やANAホールディングス<9202>など空運株は買われて良い理屈だが、株価は下値模索の動きを継続している。新型コロナウイルスの感染拡大という悪材料が邪魔をして、原油安メリットが株価に反映されないケースが多くなっている。