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すご腕投資家・DUKE。さんに聞く「コロナ相場を乗り切る技」-最終回

特集
2020年5月8日 13時30分

不安・不信・不振の今こそ10倍株を見つける好機! 目のつけどころは?

登場する銘柄
平田機工<6258>、ジャストシステム<4686>、サーバーワークス<4434>、メドレー<4480>、HENNGE<4475>、Amazia<4424>、神戸物産<3038>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、構成/真弓重孝(株探編集部)

DUKE。さんDUKE。さん(40代・男性)のプロフィール:
2003年の会社員時代から株式投資を開始。当時は割安成長株狙いの投資を続けていたが、目覚ましい成果は出ず。その後、ライブドア・ショック、リーマン・ショックを経て、本人いわく「けちょん、けちょん」になる場面もなんとか乗り越えつつ、成長株投資で著名なウィリアム・オニールの投資法に出合う。以降はこれまでのファンダメンタルズを追求する投資法にテクニカル要素も取り入れたテクノファンダメンタルに投資手法を改良し、新高値を更新して上昇トレンドに乗る銘柄に投資する「新高値ブレイク投資術」にたどり着く。その改良法が花開き、14年には累計利益1億円を突破する。現在は、専業投資家に転身。自身の投資をさらにパワーアップさせながら「新高値ブレイク投資塾」を主宰する。塾生から多くの億り人を輩出すべく、自身の投資法を伝授することに力を注ぐ。著書に『新高値ブレイク投資術』(東洋経済新報社)、『新高値ブレイクの成長株投資法』(共著、パンローリング)がある。

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現在登場中のDUKE。さん(ハンドルネーム)は、これまでいくつもの10倍株をゲットし、億り人になったすご腕投資家さんだ。

DUKE。さんによると、今回のコロナショックのような大暴落の後こそ、これから大きく伸びるお宝株を探すチャンスなのだという。

今回最終回では、投資家なら誰でも憧れる将来の10倍株を見つけるために、どんな着眼点や段取りで銘柄探しをすればいいのか、そのポイントを聞いた。

全体相場は悪くても、個別で光るものを探す

――初回の記事で「10倍株」と呼ばれる大化け株は、今のような大暴落の後に、いち早く新高値を取っていく銘柄から登場しやすい、と言及されました。なぜでしょうか?

DUKE。さん(以下、DUKE。): 経験則としてあります。例えば2015年後半から16年前半にかけて、株式相場はチャイナショックと呼ばれた大幅調整が襲いました。この渦中の16年初頭から新高値を更新して本格上昇を始めた平田機工<6258>は、当時の1000円前後の株価水準から2年で10倍以上の拡大を遂げました。

このように短期間で大きく跳ねる銘柄の多くは、大きな相場下落の後にこそ、生まれるものだと見ています。ちなみに平田機工は自動車や半導体、家電関連の生産設備の製造・販売を行う会社ですが、当時注目されていたロボットやファクトリーオートメーション(工場の生産工程の自動化)関連テーマの対象銘柄として脚光を浴びた銘柄ですね。

■平田機工<6258>の月足チャート

【タイトル】

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同


――ただ、今後の経済動向は、新型コロナウイルスに関する影響が顕在化してマイナス成長が続く不安もあります。

DUKE。: もちろん、外出規制の影響を大きく受けるエンターテインメント、旅行、交通、ホテル、飲食関連などを中心に業績悪化の公表は相次ぎ、全体の景況感が下降に向かうことは避けられないでしょう。

その一方で、自宅でオンラインを使って仕事をするテレワークの動きが本格化するなどして、IT(情報技術)分野など、確実に恩恵を受ける業種もあります。そうした明暗が分かれる中で、ひとくくりにして景気の良し悪しを議論していると、「お宝株」をみすみす拾い損ねてしまう恐れがあります。

日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)のようなインデックス投資を主体にする投資家は景気全体の動向に注目されるでしょうし、そうあるべきかもしれません。ただし、私が実践しているのは個別株投資です。市場全体は低迷ないし停滞する見通しであっても、個別株の中にはこれから株価が跳ねていく潜在力を秘めた銘柄は、必ずと言っても過言ではないほど存在します。

株式市場に停滞感が漂っている時期にそうした銘柄を発掘しておけば、いざ市場全体に上昇エネルギーが満ちてきたときに、そのエネルギーも加わって大化けする可能性があるのです。

コロナ騒動でさらに力を増すIT関連に注目

――最も注目度が高いのは、ITセクターの銘柄でしょうか?

DUKE。: 有望株を探すという意味では、ITセクターは、はずせない分野ですね。4月初めに日銀短観が公表されましたが、この業況判断を見ると、前回の12月調査に比べて直近の3月調査では、ほとんどの業種が「最近」の判断が、軒並み前回よりマイナスになっているのに対し、情報サービスセクターはわずかながらプラスに(大企業)。緊急事態宣言が発令される前の段階とはいえ、外出自粛などのマイナス要因がありながらポジティブ判断だった点は、注目すべきです。もっとも先行き判断は前回より下がっていますが…。

私は、18年末に共著で『新高値ブレイクの成長株投資法』を出版した際、アベノミクス相場が始まった12年11月から17年12月までの間、10倍株となった銘柄を抽出する作業を行いました。その中で分かったことの1つは、10倍株の出現率トップ3は、

1位:情報・通信業

2位:サービス業

3位:小売業

――ということです。そのため、もともとIT系には注目していたのですが、今回のコロナ騒動でその期待度はさらに高まりつつあります。

特に現在は、外出自粛要請期間延長という状況の中、会社員を中心に先に触れたテレワークが活用されています。当初は、慣れない操作に戸惑いイヤイヤやっていた部分が大きかったと思いますが、慣れてくると「意外と便利」という意識が高まってきて、この先、コロナ終息後も廃れる動きにはならないのではないでしょうか。

むしろ、これまでは政府主導で推し進められてはいたものの、なかなか本格的には浸透しきっていない「働き方改革」や、業務効率化を後押しする重要ツールとして、これを機に大いに活用される場面は増えると見ています。そういう意味で、注目すべきセクターとなりますね。

まずはテクニカルで探して、ファンダで深掘り

――それを踏まえ、有望銘柄を探す手順とコツを教えて下さい。

DUKE。: 株価はファンダメンタルズに先行すると考えますので、効率的な手順として、まず株価チャートの動きに着目するテクニカル面に目を向けて、その後にファンダメンタル分析で企業の深掘りをするという2段構えのやり方で取り組んでいます。

1段階目のテクニカル面での具体的な着目点は主に2つあります。

1つは、「新高値抜き銘柄」に注目します。株価が200日移動平均線の水準より高い位置にあって、コロナショック以前に付けた高値を抜け、さらに高い新高値を更新しているような銘柄がターゲットです。

もう1つは「保ち合い放れ」した銘柄。株価が一定水準内で動くボックス圏の上限を突破した勢いのあるものが対象ですね。

2段階目のファンダメンタルズの分析では、『株探』などで閲覧できる四半期ごとの決算内容などを活用しながら、深掘りしていきます。この時、私が注目しているのは営業利益と売上高の伸びで、

① 直近2~3四半期の営業利益の前年同期比が20%以上伸びているか

② 売上高が同10%以上伸びているか

――を主に重視するポイントとしています。特に、直前3カ月の動きは最重要です。

この抽出作業をした後、その企業が今後、ビッグチェンジ」を遂げていく材料があるか、事業内容を分析しながら見極めていくというのが基本的な流れです。

――この考えをベースに、今はどのような銘柄をウォッチしているのですか?

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

次ページ コロナに打ち勝つ強い銘柄とは?

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