今週の【早わかり株式市況】2万円大台回復、経済活動再開始動や米中緊張緩和が後押し
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週続伸、2営業日合計で約560円上昇し1日の下げ分を帳消しに
2.5連休明けの7日は米経済指標の大幅悪化を嫌気するも、後半は買いが優勢
3.欧米で経済活動再開の動きや中国の貿易統計改善をプラス材料視する流れに
4.米中関係の悪化も両国首脳による電話協議などを受け緊張が和らぐとの期待
5.週末は後場に上げ足を加速し500円あまりの上昇をみせ、2万円大台回復
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比559円(2.85%)高の2万0179円と2週続伸し、2万円大台を終値ベースで4月30日以来、3営業日ぶりに回復した。
今週はゴールデンウイーク明けで2営業日にとどまったが、日経平均は大きく切り返し、今月1日の570円あまりの急落をほぼ帳消しにする戻りをみせた。
5連休明けとなった7日(木)は朝方こそ想定を上回る悪化が相次いだ米経済指標を嫌気して日経平均は安く始まったが、その後は持ち直し次第に買い優勢に傾いた。欧米で経済活動が再開される動きが出ていることや、取引時間中に発表された中国の貿易統計の改善をプラス材料として捉え、後場は上げ幅を広げ、終盤伸び悩んだものの反発して引けた。8日(金)は前日の米国株市場でハイテク株比率の高いナスダック総合指数が一時9000ポイント大台を回復するなど上値指向を強めており、これに追随する形で買いの勢いが増した。米国では新型コロナウイルスの感染拡大が鈍化したことを背景に多くの州で経済活動を再開する動きが広がっており、これは東京市場でも好感されている。ここ対立が先鋭化していた米中関係も、中国の劉鶴副首相と米国のライトハイザー米通商代表などとの電話協議が行われたことを受け、両国間の緊張が和らいだとの観測から幅広く買いを誘導した。米雇用統計発表前にもかかわらず、日経平均は後場一段高となり、大引けは500円強の上昇で高値引けとなった。
■来週のポイント
国内外で経済活動が一部再開され始めているだけに、来週は日経平均2万円大台の足固めから上値志向が期待される。
重要イベントとしては、国内では12日発表の3月景気動向指数や14日に判断される緊急事態宣言解除の可否が注目される。海外では12日に発表される中国4月の生産者物価指数と消費者物価指数のほか、15日に発表される中国4月の小売売上高と鉱工業生産や米国4月の小売売上高と鉱工業生産に注視が必要だろう。
■日々の動き(5月7日~5月8日)
【↑】 5月 7日(木)―― 反発、朝安も中国の貿易収支改善などを好感
日経平均 19674.77( +55.42) 売買高13億5134万株 売買代金 2兆2877億円
【↑】 5月 8日(金)―― 大幅続伸、米中対立懸念の後退で2万円台回復
日経平均 20179.09( +504.32) 売買高13億7293万株 売買代金 2兆3913億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、30業種が上昇
(2)大成建 <1801> など建設業が値上がり率トップ
(3)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄、コマツ <6301> など機械といった景気敏感株が買われた
(4)日立 <6501> など電機、テルモ <4543> など精密機器といった輸出株も高い
(5)楽天 <4755> などサービス、イオン <8267> など小売りといった内需株も堅調
(6)金融株は日本取引所 <8697> などその他金融、SBI <8473> など証券が上昇も
東京海上 <8766> など保険、セブン銀 <8410> など銀行はさえない
(7)JAL <9201> など空運業は値下がり率トップ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
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2(1) テレワーク ─── 年後半リードする3テーマ大検証(2) テレワーク・5G
3(3) 5G ─────── アフターコロナの有望テーマとして関心高い
4(5) 巣ごもり
5(4) 人工知能(AI)
※カッコは前週の順位
株探ニュース