【杉村富生の短期相場観測】 ─パンデミックは産業構造、生活スタイルを変える!

市況
2020年5月10日 9時15分

「パンデミックは産業構造、生活スタイルを変える!」

●コロナ・エフェクト&ディスラプション!

“危機”は必ず克服される。これが歴史の教訓である。アメリカ最大の試練(ドル不安)のブラックマンデー、100年に1度あるか、ないかといわれたリーマン・ショックだって、人類は乗り越えてきたではないか。

しかし、完全な元の姿(社会)には戻らない。オイル・ショックが各国政府のエネルギー政策を変え、官民挙げて「省エネ」を推進したように。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は産業構造、生活スタイルを激変させるだろう。

この現象をコロナ・エフェクト(社会情勢の変革)、ディスラプション(秩序の破壊)と呼ぶ。産業界ではコロナ・ショックを契機に テレワーク遠隔診療オンライン教育テレビ会議、IT営業、EC(電子商取引)DX(デジタルトランスフォーメーション)などの導入、普及の動きが加速している。

つれて、通信インフラとしての5G(次世代通信網)ローカル5G、非接触型の 電子認証、個人のパソコンを含めた 情報セキュリティの重要性が一段と高まるのは必然である。

生活面ではテイクアウトが活況だ。巣ごもり消費に加え、映画鑑賞、ゲームに費やす時間が増えた。eBASE <3835> はこの流れに沿う。

●遠州トラックはアマゾンを乗せて走る?

テレワークに関してはGMOインターネット <9449> 、クックパッド <2193> がいち早く全社員を対象に導入し、話題になった。パソコンさえあれば在宅勤務が可能な職種は多い。ただし、個人ベースの厳格な情報管理が必要となる。

この分野では各種ソリューションを提供しているチェンジ <3962> 、エイトレッド <3969> 、情報セキュリティのアズジェント <4288> [JQ]、オンライン営業システムを手掛けるイノベーショ <3970> [東証M]などをピックアップできる。

このほか、EC関連としてアマゾン・ドット・コムの物流を担う遠州トラック <9057> [JQ]は狙える。路線トラックがメーンだったが、ここにきて配送業務に注力している。丸和運輸機関 <9090> 的な成長軌道を描くだろう。

一方、全般相場についてはインデックス(日経平均株価など)だけは強い。だが、この局面(5月)では2万0500円の正念場を突破、一段高に進むのは難しい、と考えている。したがって、ここは引き続いて材料株中心の個別物色対応(投資作戦)が有効だろう。統計学的には5月14~15日が転機になる、と唱える向きがある。

個別銘柄では5月8日に、瞬間2455円の高値まで買われたアンジェス <4563> [東証M]が一転、1555円と急落するなど、マザーズの人気銘柄が波乱となっている。半面、テラ <2191> [JQ]は頑強だ。主役交代か? 今後の値動きは要注目と思う。

2020年5月8日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.