話題株ピックアップ【夕刊】(2):フロンテオ、みらかHD、トヨタ
■FRONTEO <2158> 934円 +28 円 (+3.1%) 一時ストップ高 本日終値
FRONTEO<2158>がきょうも大幅高に買われた。4月に入ってから急激な上値追いが始まったが、4月1日時点の終値は191円、そこから2カ月で株価は5倍以上となっている。人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業を展開するが、創薬支援AIシステムを活用した新型コロナウイルス感染症の研究成果を発表するなど、持ち前の独自技術をライフサイエンス分野に広げている。直近では、日本マイクロソフトと連携してクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上でKIBITを活用した製品の提供開始なども材料視された。株式需給面では、ここ大手外資系証券経由で大口の空売り残が積み上がっていたこともあり、踏み上げ相場の様相が強まった。
■ステムリム <4599> 675円 +17 円 (+2.6%) 本日終値
ステムリム<4599>が3日続伸。きょう付けの化学工業日報で、「皮膚の難病である表皮水疱症の遺伝子治療について、3年以内に臨床試験を開始する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、独自の「再生誘導」技術で表皮水疱症の症状を緩和する薬剤候補が第2相試験まで進んだものの、完治にはいたらないことから、この手法とは別に、完治を目指す遺伝子治療を実用化するという。また、マウス実験では有効性を証明しており、外部との提携を前提に研究を進めるとしている。
■みらかホールディングス <4544> 2,569円 +36 円 (+1.4%) 本日終値
みらかホールディングス<4544>が大幅高。5日・25日・75日移動平均線が収れんする2500円近辺のもみ合いを上放れてきた。臨床検査薬の大手で新型コロナウイルス関連の一角としてもマーケットの注目度が高い。1日取引終了後、同じく臨床検査を手掛けるビー・エム・エル<4694>と共同で新型コロナウイルスの抗体検査の受託を同日から開始したことを発表、これを材料視する買いを呼び込んでいる。
■フジHD <4676> 1,089円 +10 円 (+0.9%) 本日終値
フジ・メディア・ホールディングス<4676>が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は1日、同社株のレーティングの「オーバーウエート」を継続した。目標株価は2250円(従来2440円)とした。同社の株価は年初来安値圏で軟調に推移している。この背景には、事業環境の悪化からテレビ広告収入の一段の落ち込みが予想されることに加え、新型肺炎感染症の拡大による都市開発・観光の収益悪化という懸念材料が重なることがある。ただ、同証券では悪材料は出尽くし、と指摘。同社の中期的な都市開発・観光への利益依存度が大幅に上昇すると予想しており、収益構造の変化や割安な株価水準を考慮して、投資判断をオーバーウエートとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 6,774円 +54 円 (+0.8%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が総じて上値指向。全体相場は米中対立が激化することへの警戒はあるが、経済再生期待がリスクオンの流れを後押ししている。外国為替市場ではドル高・円安の流れにあり、きょうは東京株式市場の取引開始後に円安が進行した。足もと1ドル=107円70銭台で推移しており、輸出株のなかでも為替感応度の高い自動車株は輸出採算改善期待を背景に買いを引き寄せた。
■オリバー <7959> 2,664円 -2 円 (-0.1%) 本日終値
オリバー<7959>が3日ぶりに反落。1日取引終了後、20年10月期連結業績予想の下方修正を発表したことが嫌気された。売上高は284億円から263億円(前期比3.9%減)に見直したほか、営業利益は22億4000万円から17億4000万円(同22.2%減)、純利益は15億円から12億3000万円(同33.8%減)に修正した。家具・インテリア事業は、新型コロナウイルスの影響を受けることが見込まれている。宿泊市場や商環境市場では、ホテルの新設やレジャー施設の開業で延期や計画中止がみられ、インテリア需要などが落ち込む見通しだ。
■システムソフト <7527> 114円 +30 円 (+35.7%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
システムソフト<7527>が大幅高。同社は1日、子会社のDigiITが不動産業界向け自動化サービスを手掛けるSeltech(東京都中央区)と販売代理店契約を締結したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。DigiITが代理店契約したのは、Seltechのシェアリングキー「Selkey」及び」ならびに「Selkey 管理システム」で6月1日から販売を開始。不動産会社の管理物件にシェアリングキーを取り付けることで、非対面での内覧、鍵の貸出し業務などができるほか、物件の一括管理・運用が可能となり、不動産会社の業務効率の向上や働き方の改善が期待できるという。
■ディー・エル・イー <3686> 235円 +50 円 (+27.0%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
ディー・エル・イー<3686>がストップ高。1日取引終了後、音楽を主体とする米国の短編動画ソーシャルメディアプラットフォーム「TRILLER」を運営する米トリラー社に出資することを決定したと発表しており、これが好材料視された。DLEは5月27日に、トリラー社への投資を目的とした海外子会社とファンドを設立することを発表しており、今回の出資はそのファンドを通じて行う。「TRILLER」は米国版TikTokと言われ、全世界で8000万ダウンロードを達成するなど急成長中の動画アプリ。今回の出資を通じて、トリラー・ジャパンの設立についてトリラー社と合意しており、日本向けにローカライズしたTRILLERの展開を予定している。今後は国内のモデル・アーティストの海外展開サポート、全世界向けECなどの事業展開を検討していくという。また同日、事業開発支援を展開するamidusを買収することも明らかにしている。
■リグア <7090> 2,030円 +374 円 (+22.6%) 一時ストップ高 本日終値
リグア<7090>が急騰し一時ストップ高の2056円に買われた。1日の取引終了後、東京や千葉で鍼灸接骨院を展開するほか請求代行事業などを行うケイズグループ(千葉県市川市)と業務提携したと発表しており、これが好感された。今回の提携は、サービスや商品の展開拡大が狙い。リグアの患者情報管理システム「Ligoo POS&CRM」やレセプト計算システム「レセONE」をケイズグループ向けにOEM提供し、ケイズグループの関連団体であるアイワ接骨師会に加入する約600会員への導入展開を図るほか、EMSやトムソンベッドなどの機材の販売委託を行うとしている。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。
株探ニュース