【杉村富生の短期相場観測】 ─コロナショックがもたらしたものとは…?
「コロナショックがもたらしたものとは…?」
●GAFA+Mの時価総額は東証を上回る!
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行→コロナショック)がもたらしたものは何か。それはコロナエフェクト&ディスラプションと形容されている。すなわち、社会の変質、秩序の破壊である。
すでに、 テレワーク、遠隔診療、オンライン教育(GIGAスクール、eラーニング)、テレビ会議、インサイドセールス、キャッシュレス、EC(電子商取引)、DX(デジタルトランスフォーメーション→IT技術を活用しての産業革命)、電子認証、電子カルテ、スーパーシティ構想などの導入、普及の動きが加速している。
強固な“岩盤規制”は破壊されつつある。つれて、インフラとしての5G(次世代通信網)、地域・社内限定のローカル5G、クラウド、ITソリューション、個人のパソコンを含めた情報セキュリティ、AI(人工知能)、ビッグデータ、デジタル通貨などの重要性が高まることになろう。
要するに、本格的なデジタル社会の到来である。ただ、残念なことに日本にはこうした分野でのビッグカンパニーが存在しない。アメリカのGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)+M(マイクロソフト)の時価総額は計620兆円と、東証1部(2191社上場)の時価総額(610兆円)を上回っている。
まさに、世界の“富”がウォール街に集中する構図といえないか。異常といえば異常だが…。なお、GAFA+Mはグーグルの4.8倍を除き、他の4社はPBR12~23倍に買われている。日本を代表する主軸企業のPBRが軒並み1倍割れの状態とは大きな違いが存在する。
●株式投資は成長性が“命”ではないか
まあ、行き過ぎなのは確かだが、これこそが時代の流れとの見方ができる。PBRが0.3倍などといった企業は「成長性が乏しい」とマーケットにみられているのだ。やはり、株式投資は成長性が“命”である。
もちろん、バリュー株だって三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> のように、抜群の安定性を誇り、かつ配当利回りが5.5%の銘柄は安いところ(450円絡み)をうまく買えればそれなりに楽しめる。
ハイグロースではcotta <3359> [東証M]、Lib Work <1431> [東証M]、ファーマフーズ <2929> [東証2]、多摩川ホールディングス <6838> [JQ]、ユナイトアンドグロウ <4486> [東証M]、アルチザネットワークス <6778> [東証2]などに注目できる。
ITの活用、テレワークの進行は東京一極集中の是正につながるのではないか。満員電車に揺られ都心部に通勤することはない。コロナショックはビジネススタイルを変えると思う。非対面のインサイドセールスではブリッジインターナショナル <7039> [東証M]、ショートメッセージサービスではAI CROSS <4476> [東証M]が先行している。
なお、cottaの本社は大分県津久井市、Lib Workの本社は熊本県山鹿市にある。ユニークなビジネスモデルとともに、インターネットを駆使し、成長を続けている。時代の最先端を行く企業といえるだろう。
2020年6月5日 記
株探ニュース