前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年6月18日 5時30分

■ノムラシス <3940>  679円 (+100円、+17.3%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。ノムラシステムコーポレーション <3940> がストップ高で年初来高値を更新、一気に600円台後半に乗せてきた。独SAPのERPソフトに特化する形でシステムの導入コンサルティングを展開、RPA分野での受注開拓も進めており、政府が旗を振る企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資の担い手として注目度が高い。20年1-3月期はトップラインが2ケタ増収、営業利益も前年同期を4割以上も上回る好調ぶり。20年12月期通期計画では営業14%増益の3億7900万円を見込むが進捗率を考慮すると増額される可能性もある。6月末の株主を対象に1株を2株にする株式分割を実施する予定であり、権利取り狙いの買いも呼び込んだ。

■電業社 <6365>  2,720円 (+370円、+15.7%)

電業社機械製作所 <6365> [東証2]が続急騰。17日午後2時ごろに発表した21年3月期連結業績予想で、売上高215億円(前期比9.3%増)、営業利益19億5000万円(同13.0%増)、純利益14億円(同10.1%増)と2ケタ増益を見込み、年間配当を前期比5円増の90円を予定していることが好感された。例年に比べて受注残が多いことが業績を牽引する。なお、今期の受注は、政府の経済対策として予算化された公共インフラ設備の受注に加えて、省エネルギーや生産性向上を目的とする設備の更新需要などの受注を確保し200億円(前期256億円)を目指すとしている。なお、20年3月期決算は、売上高196億7400万円(前の期比7.3%増)、営業利益17億2500万円(同0.7%増)、純利益12億7100万円(同2.5%増)だった。

■アジャイル <6573>  754円 (+100円、+15.3%) ストップ高

アジャイルメディア・ネットワーク <6573> [東証M]がストップ高。16日の取引終了後、人工知能(AI)カメラによる「密集・発熱・マスク着用」を検知・共有する、新型コロナウイルス 対策の独自AIソリューションの提供を開始したと発表しており、これが好感された。同ソリューションは、同社が提供するAI分析ソリューション「SkyREC(スカイレック)」で施設来店者やイベント参加者及び従業員の安全対策として、一定エリアの混雑状況を把握する「密集検知」や、サーマルカメラによって発熱者を検知する「発熱検知」、マスクの装着有無を把握する「マスク検知」、現場責任者や本社管理者にそれらの取得データを動画化し自動で報告する「分析情報の共有」などを提供するという。同社ではイベントや展示会場、ホテルビュッフェ、社員食堂、商業施設、オフィスビルなど提案するとしている。

■石川製作所 <6208>  1,914円 (+238円、+14.2%)

東証1部の上昇率3位。石川製作所 <6208> 、豊和工業 <6203> 、細谷火工 <4274> [JQ]など防衛関連に位置づけられる銘柄群が一斉に買われた。北朝鮮と韓国の関係悪化が懸念されるなか、16日に北朝鮮が同国南西部に設置されている南北共同連絡事務所を爆破したことで、地政学リスクが改めて意識される状況となった。これを受けて、東京市場では一連の防衛関連株に値幅取りを狙った短期資金が流入する格好となった。

■ミクシィ <2121>  1,870円 (+183円、+10.9%)

ミクシィ <2121> [東証M]が続急騰。16日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、6月23日付で東証マザーズから東証1部へ市場変更されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要を先取りする形で買いが入った。同社は、「モンスターストライク」などスマートフォン向けゲームの開発が主力に、SNS「mixi」の運営などを行う。21年3月期連結業績は、売上高1000億円(前期比10.9%減)、経常利益110億円(同35.0%減)を見込む。

■キューブシステム <2335>  872円 (+75円、+9.4%)

東証1部の上昇率8位。キューブシステム <2335> が続急伸。9.4%高と大きく水準を切り上げ、1月21日につけた年初来高値856円を更新した。アフターコロナの世界では生産性向上を目的に企業のデジタル化投資が加速するとみられているが、そのなかソフト開発やデータベース構築を主力とするシステムインテグレーターで、情報通信、流通、金融と幅広い業種に高実績を有する同社への評価が高まっている。情報通信業界ではAI・IoTやクラウド型ITソリューションなどで案件を確保し、流通ではホームファニチャリング事業向け案件や成長領域での顧客開拓が進んでいる。金融ではキャッシュレス化の流れを追い風にクレジット会社向けシステム構築案件が拡大している。コロナ禍にあっても21年3月期業績は売上高が9%増の160億円、営業利益は17%増の11億2000万円と2ケタ成長を見込んでおり、PERなど投資指標面でも割高感はなく、成長期待を背景に機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測される。

■ニイタカ <4465>  5,310円 (+445円、+9.2%)

東証1部の上昇率9位。ニイタカ <4465> が全体軟調相場に流されず大幅高で4連騰、連日の上場来高値更新と気を吐いた。業務用洗剤や洗浄剤などを製造販売するが、除菌・消毒用製剤については新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に需要が急増している。消費者からの新型コロナウイルスを除菌するアルコール製剤などへの問い合わせが集中している状況にあり、これが株価の上昇にも反映されている。株価は青空圏で戻り売り圧力がないほか、信用買い残も低水準で株式需給面からも上値の軽さが意識されている。

■カルタHD <3688>  1,270円 (+99円、+8.5%)

CARTA HOLDINGS <3688> が続急伸。16日の取引終了後、20年6月末時点の株主から継続保有期間3年以上の株主に対する株主優待制度を拡充すると発表しており、これが好材料視された。現行制度では1単元(100株)以上を保有する株主を対象に一律で年2回、デジタルギフト「デジコ」で利用可能なギフトコードを1000円分贈呈していたが、新制度では継続保有期間3年未満はそのままに、3年以上保有の株主には年2回1500円分を贈呈する。

■アステリア <3853>  524円 (+31円、+6.3%)

アステリア <3853> が続急伸。16日の取引終了後、モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」のAndroid版(正式版)の販売を開始したと発表しており、これが好感された。「Platio」は、誰でも簡単に自社の業務にフィットするモバイルアプリを作成・活用できるクラウドサービス。現場の業務に合ったアプリを簡単に作ることができるツールとしてiOS端末を利用する企業に広く導入されていた。今回、国内の半数以上のシェアを占めるAndroid端末へ対応したことで、22年度にはPlatioの導入件数1000件を目指すとしている。また同時に、京セラ <6971> がPlatioを導入し、独自の「棚卸アプリ」を作成したと発表しており、これも好材料視された。物流倉庫において作成・参照する棚卸データの共有や管理をペーパーレス化するなどの物流テックを推進するとともに、Android版の販売に伴い全国の拠点でPlatioの利用展開を開始するとしている。

■サイボウズ <4776>  3,245円 (+185円、+6.1%)

サイボウズ <4776> が続急伸。17日の朝方、大阪府八尾市の事業者サポート給付金のオンライン申請に、同社の業務アプリ開発プラットフォーム「kintone(キントーン)」が採用されたと発表しており、これが好感された。八尾市は、町工場など中小零細企業が多いことから、大阪府の給付金の枠組みから外れてしまう零細事業者向けに八尾市事業者サポート給付金として一律10万円を支給する市独自の制度を17日に開始するが、このなかでkintoneを基盤に使った申請受付を行うという。同システムは、人工知能(AI)による画像認識やOCR技術を採用することで、オンライン、郵送両方による受付事務の負荷を軽減することを目的に開発され、窓口業務での接触回避にも貢献するとしている。

■ギフティ <4449>  2,210円 (+124円、+5.9%)

ギフティ <4449> [東証M]が3日続急伸。16日の取引終了後、コンビニエンスストアチェーン「セイコーマート」を展開するセコマ(札幌市中央区)にeギフト販売システム「eGift System」を提供すると発表しており、これが好材料視された。これにより、ギフティが運営するWEBサービス及びスマートフォン向けアプリ「giftee」で、セイコーマート1172店舗(20年5月末時点)で利用できるeギフトの販売を開始することになる。また、eギフトを購入した人は、家族や友人にLINEやメールなどで贈ることもできるとしている。

■ボルテージ <3639>  490円 (+27円、+5.8%)

ボルテージ <3639> が続急伸。16日の取引終了後、恋愛ドラマアプリ3作品がサンリオ <8136> キャラクターズとのスペシャルコラボキャンペーンを実施すると発表しており、これが好材料視された。同キャンペーンは、ボルテージが提供中の恋愛ドラマアプリ「天下統一恋の乱Love Ballad」「王子様のプロポーズ2/Eternal Kiss」「誓いのキスは突然にLove Ring」がサンリオキャラクターズと3ヵ月連続でコラボ企画を行うイベント。コラボを記念したログインボーナスのほか、ハローキティをイメージしたアバターが手に入るガチャやサンリオキャラクターズが特典で登場するイベントなども用意しているという。なお、第1弾は「天下統一恋の乱Love Ballad」。

■SBG <9984>  5,295円 (+253円、+5.0%)

ソフトバンクグループ <9984> が続急伸。売買代金は東証1部上場企業のなかで断トツとなった。日経平均寄与度の高い銘柄であり、先物主導での全体相場の下げに連動しやすいが、実需買いや空売り買い戻しがインデックスの売りを吸収した。米CNBCが16日「ソフトバンクGは同社が保有する米通信大手TモバイルUS株式の最大3分の2を来週初めに売却する計画にある」と報じ、これが株価にポジティブ材料として働いた。市場では「財務改善に向け一つの道筋がついたことはプラス評価できる。もっとも、(ソフトバンクGが)売却する対象はTモバイルか通信子会社のソフトバンク <9434> か中国EC大手のアリババの事実上3択であったから、サプライズ的な要素はない。持続的に買いを誘導するような材料ではない」(国内ネット証券大手アナリスト)としていた。

■日医工 <4541>  1,365円 (+61円、+4.7%)

日医工 <4541> が大幅続伸。複数のメディアで、英国のオックスフォード大学が16日、抗炎症薬のデキサメタゾンが新型コロナウイルスの重症患者の死亡率を下げる研究結果を発表したと報じられており、デキサメタゾンを主な成分とするデカドロン錠を展開する同社に思惑的な買いが入ったようだ。

■フォーバルR <9423>  111円 (+5円、+4.7%)

フォーバル・リアルストレート <9423> [JQ]が大幅続伸、一時19%高の126円と値を飛ばした。株価は2月3日につけた年初来高値132円を視界に入れている。主力株は軟調だが、中小型株で特に株価が低位に位置する銘柄には投資資金が集まりやすい地合いとなった。同社はオフィス移転支援や内装工事を行っているが、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止する目的で需要が発現しているオフィス向けの間仕切りや、接触感染を防止する独自技術でウイルスを無力化する“オフィスまるごと抗菌”などが注目されている。

■シリコンスタ <3907>  1,481円 (+61円、+4.3%)

シリコンスタジオ <3907> [東証M]が大幅続伸。16日の取引終了後、上限を6万株(発行済み株数の2.05%)、8520万円とする自社株を17日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表したことが好感された。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするためという。なお、取得結果はまだ発表されていない。

■アンジェス <4563>  2,163円 (+82円、+3.9%)

アンジェス <4563> [東証M]が大幅続伸。複数のメディアで大阪市の松井一郎市長が16日、同社らが開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を6月30日から始めることを明らかにしたと伝えられており、開発の進展を評価する買いが入ったようだ。

■山洋電気 <6516>  4,730円 (+170円、+3.7%)

山洋電気 <6516> が大幅続伸。16日の取引終了後、未定としていた21年3月期連結業績予想について、売上高775億円(前期比9.6%増)、営業利益23億円(同2.2倍)、純利益18億円(同4.2倍)を見込むとしており、大幅増益予想を好感した買いが入った。新型コロナウイルスの感染拡大を受けたフィリピン政府の命令で、主要生産拠点の一つであるフィリピン子会社の操業を停止したため業績予想を未定としていたが、5月18日に生産活動を再開し、稼働率も平常時の水準に戻りつつあることや、世界各国で経済活動再開の動きが見え始めたことなどから、業績への影響を総合的に判断したという。また、同じく未定としていた配当予想は中間・期末各40円の年80円にするとあわせて発表した。前期実績に対して10円の減配となる予定だ。

■HOYA <7741>  10,305円 (+321円、+3.2%)

HOYA <7741> が大幅続伸。SMBC日興証券が16日付で、投資評価「2」を継続しつつ、目標株価を9900円から1万500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、20年3月期決算実績や足もとの事業環境などを踏まえ業績予想を修正し、21年3月期の営業利益を1450億円から1400億円へ引き下げたが、第2四半期以降の回復は従来想定より早く、第3四半期には前年同期比で増収増益に転じると予想。22年3月期は同1860億円、23年3月期は同2150億円を見込んでいる。

■NTTDイン <3850>  3,470円 (+105円、+3.1%)

エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート <3850> [東証2]が大幅続伸。16日の取引終了後、JFEシステムズ <4832> [東証2]及びサン・プラニング・システムズ(東京都中央区)とコンサルティングパートナー契約を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。イントラマトではかねてから「業務プロセスのデジタル化・自動化」に向けた製品ソリューションの開発・販売に注力。今回のパートナー契約締結により、コンサルタント体制の拡充につながることが期待されている。

■ワークマン <7564>  9,500円 (+270円、+2.9%)

ワークマン <7564> [JQ]が続伸。17日午前中の日本経済新聞電子版で、「子供服と子供靴事業に参入する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、7月に新商品を投入し、「ワークマンプラス」200店舗で販売するという。ウィズ・コロナでは屋内よりも郊外などでアウトドアを楽しむライフスタイルが広がるとみて、親子で楽しめるように品ぞろえを強化するようだ。

※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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