大幸薬品 Research Memo(2):2020年12月期は2ケタ増収増益を予想(決算期変更で9ヶ月決算、参考値)

特集
2020年6月22日 16時12分

■今後の見通し

大幸薬品<4574>の2020年12月期通期の業績予想は、3月から12月への決算期変更のため、9ヶ月の業績予想となる。売上高で13,500百万円、営業利益で3,700百万円、経常利益3,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で2,500百万円である。参考値ベースで前期の9ヶ月と比較すると、売上高で前期比23.1%増、営業利益で前期比13.4%増、経常利益で前期比12.1%増、親会社株主に帰属する当期純利益で前期比14.9%増と、過去最高だった前期からさらに増収増益を予想する。

医薬品事業の売上高予想(9ヶ月)は前年同期比0.7%減の4,850百万円と微減を予想する。今期から海外事業に新収益認識基準が適用されるため減収となるが、実質的には前期比68百万円の増加である。国内医薬品事業では既に50%近い市場シェアを握っているため、よりきめ細かなマーケティング施策が課題となる。「正露丸」の認知が相対的に低い若年層に向けた対策などを行い、国内医薬品事業の売上高を維持したい考えだ。海外医薬品事業は、2020年12月期も中国・香港・台湾が中心になる予想だ。

感染管理事業の売上高予想(9ヶ月)は前年同期比42.2%増の8,645百万円と大幅増を予想する。前年の9ヶ月(4月-12月)は新型コロナウイルスの影響がなかった時期であるのに対し、進行期の9ヶ月は新型コロナウイルスの影響が一定期間続くと考えられる。足元(5月時点)でも「クレベリン」製品の欠品や品薄状態が続いているようだ。このため今夏までには約3倍の生産能力に増強する計画だ。例年春から夏にかけてはインフルエンザの流行がないため「クレベリン」製品の売上げは低調だったが、今期は感染症予防意識が高まっていることから、需要が継続する可能性が高い。さらに、前期から日常除菌製品分野のブランド「クレベ&アンド」の発売がスタートしており、通年型の商品群として今期も伸びが期待できる。海外感染管理事業に関しては、インターネット通販企業のM&Aを行った台湾市場を中心に伸びが期待できる。

2020年12月期の利益は、国内外のマーケティング施策等のために販管費が増えるが、増収効果による売上総利益向上で吸収し、各利益ともに2ケタ以上の増益となる予想だ。

弊社としては、過去数年間のマーケティングにより「クレベリン」のブランド認知が向上している点、新型コロナウイルス感染症の流行が一旦収まると思われる6月以降も感染症予防意識は継続しそうな点、さらに「クレベリン」製品の生産能力拡大が近く実現する点などから、感染管理事業が計画を上回る可能性が高いと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《EY》

提供:フィスコ

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