利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 14社選出 <成長株特集>

特集
2020年6月21日 19時30分

本特集では、4月下旬から5月末までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。

東証1部銘柄を対象とする【第1弾】【第2弾】に続き、今回は時価総額50億円以上の東証2部と新興市場(マザーズ、ジャスダック)銘柄を対象に、20年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。

下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の1-3月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している14社を選び出し、1-3月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。

上振れ率トップとなったのはブロードバンドセキュリティ <4398> [JQ]。1-3月期(第3四半期)の経常利益は過去最高益だった前年同期を83.8%も上回る2億円に拡大して着地。企業システムのクラウド化が進展するなか、脆弱性診断サービスの大型受注案件が増大したうえ、情報漏えいIT対策サービスでは監視・運用といった継続的なサービスなどが伸びた。第3四半期累計の同利益は2.6億円と通期計画(2.7億円)にほぼ到達しており、業績上振れが期待される。また、好調な業績を踏まえ、今期は初配当10円を実施する方針とした。株価は利益確定売りをこなしながら、連日で年初来高値を更新中だ。

2位に入ったエーアイ <4388> [東証M]は音声合成エンジン「AITalk」の開発・販売を手掛ける。法人向けを主力とし、音声対話や防災行政無線など多くの分野に提供している。直近3ヵ月の1-3月期(第4四半期)の経常利益は過去最高益だった前年同期を72.0%も上回る1.4億円に膨らんだ。音声合成事業で法人向け製品の販売が好調だったうえ、受託開発で業務委託費や外注費を抑制したことも利益を押し上げた。同時に発表した21年3月期の同利益は前期比2.6%増の2.8億円と3期連続の最高益更新を見込む。

続く3位のアクモス <6888> [JQ]はITソリューション事業でシステム更新案件などSI・ソフトウェア開発分野の受注が引き続き好調だったうえ、IT基盤・ネットワーク構築分野も稼働率が向上し、1-3月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比47.4%増の3.1億円に伸びた。第3四半期累計の同利益は5.2億円と通期計画(3.8億円)を大幅に超過しており、業績上振れは確実とみられる。

4位にリスト入りしたメドピア <6095> [東証M]の1-3月期(第2四半期)は、ドクタープラットフォーム事業で薬剤評価掲示板やWeb講演会を中心とした主力サービスが伸長したことに加え、医療コンテンツを制作するコルボの買収効果も売上高を押し上げた。また、ヘルスケアソリューション事業ではオンライン健康相談サービス「first call」が新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の一環として経済産業省の遠隔相談窓口に採用され利用件数が伸びたほか、特定保健指導の面談件数が急増した。

6位のエル・ティー・エス <6560> [東証M]は企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を包括支援するコンサルティングサービスを主力とする。1-3月期(第1四半期)はプロフェッショナルサービス事業でデータ分析やRPA導入などのデジタル活用サービスが拡大したほか、買収効果などでDX案件を中心に伸びた。また、企業のIT人材不足を解消するプラットフォーム事業ではITビジネスマッチング「アサインナビ」の会員数増加などを背景に業績が回復し、売上高、営業利益ともに四半期ベースの過去最高を更新した。

8位のインフォメーションクリエーティブ <4769> [JQ]は日立グループを主要顧客とする独立系システムインテグレーター。1-3月期(第2四半期)は製造業、金融系、官公庁向けを中心にソフトウェア開発やシステム運用が増勢だった。また、生産性の向上や経費削減に加え、一部販管費の発生が第3四半期以降にずれ込んだことも利益を押し上げた。好調な決算を背景に、株価は約5ヵ月ぶりの高値圏を走っている。指標面では予想PER11.9倍と割高感はなく、上値期待は大きい。

10位にリストアップされた歯愛メディカル <3540> [JQ]の1-3月期(第1四半期)は売上高82.8億円(前年同期比22.2%増)、経常利益7.8億円(同47.2%増)と業績高変化を遂げた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、主力の通信販売事業を中心にマスクや手指消毒剤などの感染対策商品の注文が急増。出荷作業や配送の遅延が発生したものの、特需発生が売上高を大きく押し上げる格好となった。

 ┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想

コード 銘柄名     上振れ率 1-3月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高  PER

<4398> BBSec    83.8   204   111   80.5   278   154 58.0

<4388> エーアイ     72.0   141    82    2.6   280   273 48.6

<6888> アクモス     47.4   314   213    8.8   385   354 21.2

<6095> メドピア     46.6   302   206   44.4   800   554  117

<3993> パークシャ    37.4   305   222   19.9   710   592  204

<6560> LTS      33.0   153   115   17.4   350   298 50.0

<6061> ユニバー園芸   21.9   473   388    6.2   1014   955 13.2

<4769> IC       20.5   253   210    1.1   575   569 11.9

<7046> TDSE     19.4   86    72    1.4   215   212 22.2

<3540> Ciメディカ   12.6   786   698    6.0   2290   2161 29.5

<2160> ジーエヌアイ   11.7   390   349   22.2   1463   1197  135

<3420> ケーエフシー   11.3  1254   1127    5.0   3200   3049  6.6

<6838> 多摩川HD     9.1   394   361    6.1   713   672 25.6

<4327> 日本SHL     4.9   786   749    3.0   1267   1230 14.9

※ 2019年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。

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