テクマト Research Memo(7):新株予約権の行使や収益拡大により積み上がった資金でM&Aの検討を進める

特集
2020年6月23日 18時47分

■業績動向

3. 財務状況と経営指標

テクマトリックス<3762>の2020年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比3,890百万円増の29,623百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では第三者割当による新株予約権の行使や収益増に伴い現金及び預金が1,593百万円増加したほか、売上債権が895百万円、前払保守料が542百万円増加した。固定資産では投資有価証券が208百万円増加した。

負債合計は前期末比1,260百万円増加の14,618百万円となった。有利子負債が300百万円減少した一方で、買掛金が235百万円、ストック収益の積み上がりにより前受保守料が826百万円それぞれ増加した。また、純資産は前期末比2,630百万円増加の15,005百万円となった。配当金支出が713百万円あった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,863百万円を計上したほか、第三者割当による新株予約権の行使(自己株式を充当)により、資本剰余金が1,036百万円増加し、自己株式が338百万円減少(純資産の増加要因)したことが主な要因となっている。

経営指標を見ると、収益増と新株予約権の行使に伴う株主資本の増加により、自己資本比率が前期末の43.2%から46.1%へ上昇し、逆に有利子負債比率が17.1%から11.7%に低下するなど、財務基盤の強化が進んだと言える。なお、2018年7月にM&A資金の調達を目的に発行した第三者割当による新株予約権については2019年6月に行使が全て完了し、現金及び預金は2020年3月末時点で130億円を超える水準まで増加しており、M&A等への投資余力は十分備わったと言える。同社は2019年11月に、金融機関向け市場系システム分野の事業強化を目的に、山崎情報設計(株)※と資本・業務提携を締結し、子会社化(出資比率51%、重要性の原則により非連結対象)したが、今後も業務上でシナジーが期待できる企業や、同社がカバーしていない顧客基盤を持つ企業を対象にM&Aの検討を進めていく予定としている。

※山崎情報設計は、デリバティブを中心とした商品管理システムの設計、開発会社で従業員数は30~40人。年間売上高は数億円規模となる。金融工学と情報技術の重なる領域でのシステム企画、設計に強みを持っており、豊富な業務ノウハウが組み込まれた市場系業務管理システム 「Apreccia」 シリーズを中心に事業展開しており、同社も2009年より正規代理店となり「Apreccia」シリーズを販売している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

提供:フィスコ

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