前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年7月2日 5時30分

■ディディエス <3782>  367円 (+80円、+27.9%) ストップ高

ディー・ディー・エス <3782> [東証M]がストップ高。同社は6月30日取引終了後、Web会議システム「Zoom」とクラウド認証サービス「マガタマサービス」が連携することを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。同社は6月22日、学校教育向けに自社開発の万能認証基盤テミスを提供することを発表し翌日に株価を急騰させた経緯があるが、その後は利益確定売りで調整を入れており、目先筋の売り物がこなれていた。

■セリオ <6567>  856円 (+150円、+21.3%) ストップ高

SERIOホールディングス <6567> [東証M]がストップ高。6月30日の取引終了後、集計中の20年5月期連結業績について、営業利益が9000万円から1億3600万円(前の期比2.2倍)へ、純利益が5300万円から1億100万円(同2.5倍)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。就労支援事業で、新型コロナウイルスの影響に伴う派遣社員の休業・休職により、売上高は70億2100万円から69億4800万円(同11.0%増)へ下振れたものの、就労支援事業、放課後事業、保育事業の全ての事業における原価率低減の取り組みが奏功したほか、採用経費効率化などの販管費削減を継続したことが寄与した。なお、業績上振れに伴い、従来3円を予定していた期末一括配当を6円に増額する。

■ジャストプラ <4287>  508円 (+80円、+18.7%) ストップ高

ジャストプランニング <4287> [JQ]がストップ高。同社は外食産業向けにASP方式で業務ソフトを提供している。6月30日取引終了後、大阪ガス <9532> 傘下でグループ中核企業であるIT関連サービス会社オージス総研と資本・業務提携することを発表、これによる業容拡大期待から投資資金が集中した。

■ステムリム <4599>  683円 (+100円、+17.2%) ストップ高

ステムリム <4599> [東証M]がストップ高。6月30日の取引終了後、20年7月期の単独業績予想について、売上高を4億円から21億円(前期比21.0倍)へ、営業損益を10億9000万円の赤字から4億900万円の黒字(前期7億2600万円の赤字)へ、最終損益を11億3700万円の赤字から3億6000万円の黒字(同7億2100万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。塩野義製薬 <4507> へ導出済みのHMGB1ペプチド(一般名「レダセムチド」)に関して、同日付で複数の疾患に対する臨床開発を加速度的に展開するための新たな契約を締結すると発表しており、同契約の事業収益を織り込んだとしている。なお、同契約に関しては、既存のライセンス契約で定められたマイルストンやロイヤルティーとは別に、新たに最大で総額31億円の対価を受領する予定としている。

■ピーエイ <4766>  190円 (+20円、+11.8%)

ピーエイ <4766> [東証2]が商いを膨らませ続急伸。求人サイトや無料求人誌の発行を手掛けるほか、新潟などで人材派遣ビジネスも展開し業容拡大を図っている。ベトナム人材のアプローチで業界を先駆するほか、保育分野の展開にも厚みを加えている。業績は最悪期を脱し、20年12月期は営業黒字転換を見込んでおり、200円未満の株価は値ごろ感が意識され、ここ最近の低位株人気に乗って継続的な資金の流入が観測された。

■KeePer <6036>  1,643円 (+162円、+10.9%)

東証1部の上昇率トップ。KeePer技研 <6036> が急反騰。1日の午前中に発表した6月度の月次売上動向で、既存店売上高が前年同月比30.7%増と大幅増収となり、2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。会社側によると、コロナ禍での自粛ムードが収まりをみせたことで、「愛車を清潔に、キレイにしたい」という需要が一気に高まったことが売り上げ増につながったという。特に緊急事態宣言の期間が長かった東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県で、この需要が高かったとしている。

■ITメディア <2148>  1,812円 (+172円、+10.5%)

東証1部の上昇率2位。アイティメディア <2148> が急反騰。株価は6月以降、ファンド系資金とみられる大口の買いが観測され一貫して水準を切り上げてきた。直近は前日30日まで4営業日続落と調整色をみせたものの下値はしっかり拾われ、切り返しが急だ。IT系などを中心としたニュースサイトを運営するほか、「ねとらぼ」をはじめとした非IT系メディア育成にも力を入れている。また、世界的に新型コロナウイルス収束の見通しが立たないなか、ウィズコロナ環境が長引くとの思惑を背景にオンラインイベントへの需要が高まることが予想されており、バーチャルイベント化するソリューションを展開する同社は関連有力株として改めて存在感を高めている。

■パイプドHD <3919>  1,689円 (+157円、+10.3%)

東証1部の上昇率3位。パイプドHD <3919> が続急騰。6月30日の取引終了後に発表した21年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益が前年同期比31.6%増の2億8300万円に拡大しており、これを好感する買いが向かった。業務効率化ニーズが高まるなか、主力のクラウド型データ管理プラットフォーム「スパイラル」のアカウント数が増加したほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けるなかで広告事業の利益を伸ばしたことも大幅増益に貢献した。併せて、レンジ形式とする通期の同利益予想を見直し、10億円~12億円(従来は7億円~12億円)に下限を引き上げている。

■野村マイクロ <6254>  2,053円 (+185円、+9.9%)

野村マイクロ・サイエンス <6254> [東証2]が急反発。同社の2000円台乗せは2007年11月以来約12年8ヵ月ぶりで実質青空圏を走る展開。半導体向け超純水装置を主力としており、韓国、中国、台湾の大手半導体メーカー向けに高実績を誇り、ここ最近の市況回復の恩恵が見込まれている。20年3月期営業利益は前の期比52%増と高水準の伸びを示しているが、PERは依然として14倍前後と中小型の半導体関連株としては割安感があるほか、信用買い残も軽く上値を見込んだ資金の流入が加速した。

■日農薬 <4997>  514円 (+46円、+9.8%)

東証1部の上昇率4位。日本農薬 <4997> が大幅続伸。6月30日の取引終了後、発表を延期していた20年3月期連結業績について、売上高が354億円から356億円(前年同期比4.3%減)へ、営業利益が27億円から40億円(同2.2%減)へ、純利益が4億円から14億円(同53.0%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。新型コロナウイルス感染拡大に伴いインドで実施された都市封鎖の影響により、同国連結子会社の3月の販売が落ち込んだ一方、米国では新型コロナウイルス感染拡大による流通への影響懸念などを背景に3月後半より荷動きが早まったことから、同国の連結子会社で在庫が前倒しで出荷され、販売が増加したことが寄与した。また、販管費の改善なども寄与した。

■ピックルス <2925>  2,818円 (+248円、+9.7%)

東証1部の上昇率5位。ピックルスコーポレーション <2925> が4連騰。6月30日の取引終了後に発表した21年2月期第1四半期(3-5月)の連結業績は、売上高120億2100万円(前年同期比13.4%増)、経常利益9億3700万円(同19.5%増)に伸びており、これが好材料視された。内食需要や健康志向の高まり、キムチがテレビ番組で取り上げられたことを受け、「ご飯がススムキムチ」などキムチ製品を中心に販売が大きく伸びた。天候不順で原料価格が上昇したものの、増収効果や生産アイテムの集約化による生産効率化など吸収し、2ケタ増収増益を達成している。

■昭文社HD <9475>  434円 (+34円、+8.5%)

東証1部の上昇率7位。昭文社ホールディングス <9475> が急反発。6月30日の取引終了後、子会社マップルが最先端の顔認証技術を基盤とするソリューションを展開するデータスコープ(東京都中央区)と業務提携し、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした顔認証・体温検知カメラ・入退館システムの提供を1日から開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。マップルが培った地図情報を基盤とするソリューションビジネスとデータスコープの最新技術を効果的に結び付け、位置情報との組み合わせなどを通じたより実効性の高いソリューションを展開するとしている。

■マルマエ <6264>  1,119円 (+78円、+7.5%)

東証1部の上昇率9位。マルマエ <6264> が3日続伸し年初来高値を更新した。6月30日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年9月-20年5月)単独決算が、売上高31億8200万円(前年同期比7.9%増)、営業利益6億2900万円(同75.8%増)、純利益4億9300万円(同2.2倍)と大幅増益となったことが好感された。FPD分野が大型電子ビーム溶接(EBW)関連の受注が貢献し好調に推移したことが牽引したことに加えて、半導体分野がメモリ向けを中心に第1四半期を底に回復傾向に向かっていることが寄与した。また、採算性の低い受注が減り、想定に対して材料費と外注費の比率が低くとどまったことも貢献した。なお、20年8月期通期業績予想は、売上高43億6400万円(前期比8.6%増)、営業利益8億5800万円(同73.1%増)、純利益6億4800万円(同48.4%増)の従来見通しを据え置いている。

■レイ <4317>  381円 (+25円、+7.0%)

レイ <4317> [JQ]が続急伸。1日“With/Afterコロナ”のビジネスコミュニケーションを支援する「Rayオンラインイベント統合サービス」の提供を7月から開始すると発表しており、これが好感されたようだ。同サービスにより、リアルイベントの代替としてのオンラインイベントやリアルイベントとオンラインイベントの共存、更にはショールームやカンファレンスルームといった常設施設おけるリアルとリモートの統合環境の実現を支援するという。

■アルテック <9972>  245円 (+15円、+6.5%)

アルテック <9972> が大幅続伸。6月30日の取引終了後、25万株(発行済み株数の1.59%)、または5000万円を上限とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は7月1日から8月31日までで、株主還元の強化と資本効率の向上を図ることが目的としている。また、同時に発表した第2四半期累計(19年12月-20年5月)連結決算が、売上高61億6500万円(前年同期比15.2%減)、営業利益2億3400万円(同8.6%増)、純利益1億9200万円(同8.9%増)と営業増益だったことも好材料視されたようだ。新型コロナウイルス感染症の影響で商社事業、プリフォーム事業ともに減収を余儀なくされたものの、商社事業でコストコントロールを徹底したことが寄与した。なお、20年11月期通期業績予想は、売上高160億円(前期比9.9%増)、営業利益7億円(同14.7%増)、純利益5億円(同1.8%減)の従来見通しを据え置いている。

■Tホライゾン <6629>  897円 (+45円、+5.3%)

テクノホライゾン・ホールディングス <6629> [JQ]が7日ぶりに反発。6月30日の取引終了後、子会社エルモ社が電子黒板シリーズ「xSync Board 2020年度モデル」を7月上旬に発売すると発表しており、これが好感された。新モデルは、GIGAスクール構想で整備される端末活用を意識した授業支援機能を搭載し、協働学習に対応しているのが特徴。また、静止画や動画の撮影・再生のほか、Officeファイルの資料やPDFファイルを閲覧できるアプリケーションWPS Officeを使い、パソコンレスで再生が可能としている。

■タツモ <6266>  1,858円 (+93円、+5.3%)

タツモ <6266> が急反発。米国株市場で改めて半導体関連株に買いが集まり、東京市場も関連銘柄に幅広く物色の矛先が向いた。同社は半導体製造装置やウエハー搬送ロボットを手掛けているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響は軽微であり、20年1-3月期営業利益は前年同期比2.2倍の8億3100万円と中間期計画を既に超過していることで決算発表シーズン入りを前に注目度が高まっている。新型コロナの発生元で需要低迷が懸念されていた中国では政府当局の景気刺激策や移動制限の緩和・解除で経済活動が戻り始めていることで、中国や台湾を主な需要先とする同社にとって追い風が意識される。

■東エレク <8035>  27,735円 (+1,295円、+4.9%)

東京エレクトロン <8035> が続急伸。また、アドバンテスト <6857> 、レーザーテック <6920> なども買いが優勢で、半導体製造装置関連株に投資資金が流入した。6月30日の米国株市場ではザイリンクスが7%高と値を飛ばしたほか、インテルやアプライドマテリアルズなど半導体関連株が軒並み高に買われ全体指数を牽引。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は一時60ポイント近い大幅高で一時2000の大台を回復しており、これを引き継ぐ形で東京市場でも関連株は上値指向となった。新型コロナウイルスの感染拡大を契機とするテレワークの導入加速で、半導体需要は今後も増勢が見込まれるとの思惑が日米ともに強まっている。

■学研HD <9470>  1,491円 (+43円、+3.0%)

学研ホールディングス <9470> が大幅反発。6月30日の取引終了後、未定としていた20年9月期連結業績について、売上高1410億円(前期比0.3%増)、営業利益46億円(同1.7%増)、純利益19億5000万円(同0.5%増)を見込むと発表したことが好感された。緊急事態宣言が全て解除されたことで学校教育や経済活動が段階的に再開され、また自治体ごとの小・中学校の夏休み期間が発表されたことを踏まえて公表したという。教育分野で学研教室・進学塾など新学期の募集活動ができなかったことにより会員数が落ち込む一方、従来型の対面授業に加え、緊急事態宣言下で立ち上げたオンライン授業により会員獲得を図ることが寄与する見通し。また、医療福祉サービス事業ではサービス付き高齢者向け住宅の開業遅延があるものの、感染防止対策の徹底により安定的な事業運営が継続する見込みとしている。

■インソース <6200>  2,675円 (+38円、+1.4%)

インソース <6200> が続伸。6月30日の取引終了後、「ハイブリッド形式」での公開講座の提供を開始したと発表しており、これが好感された。ハイブリッド形式とは「来場型研修」と「オンライン型研修」を同一クラスで進行する研修スタイル。従来は「来場型」と「オンライン型」の2つ受講形式から、受講者が希望する形式で実施しているが、ハイブリッド形式では同一講座を来場型とオンライン型のそれぞれ希望のスタイルで受講できるのが特徴。また、全国の受講者との意見交換が可能となり、グループワークや演習の効果を引き上げるとしている。

■アシックス <7936>  1,240円 (+14円、+1.1%)

アシックス <7936> が続伸。岩井コスモ証券は30日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は1400円とした。今12月期業績が2月までは好調だったが、新型コロナウイルスの影響で悪化。第1四半期(1-3月)の連結営業損益は8億8200万円の赤字(前年同期は61億8700万円の黒字)となった。同社は5月下旬に20年12月通期業績予想を取り下げ未定とした。同社は従来、今期営業損益は90億円の黒字を見込んでいた。同証券では今期は10億円の赤字を予想している。ただ、同証券ではブランド力に支えられた来期の業績回復と中期成長性を評価しており、21年12月期の同損益は120億円の黒字とV字回復を見込んでいる。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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