ややバリュー株への物色に向かいやすい/オープニングコメント
2日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開が続きそうである。1日の米国市場は、NYダウが77ドル安となった一方で、ナスダックが95ポイント高と続伸だった。ワクチンの開発期待や6月ISM製造業景況指数が予想外に活動の拡大を示す50を回復したことで投資家心理が改善。しかし、新型ウイルス関連の報道が嫌気されほか、アップルがウイルス拡大で再度30店舗の休業を発表したこともダウ平均の上値を抑えた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比95円高の22185円。円相場は1ドル107円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行の展開になりそうである。ただし、日経225先物はナイトセッションで22000円を下回る局面もあり、積極的な売買は手控えられそうである。寄り付き後にこう着感が強まるようだと、短期筋の先物主導による売り仕掛け的な動きも意識しておく必要がありそうだ。また、ADP雇用報告が予想を下回ったこともあり、2日に発表が予定されている雇用統計の結果を受けた市場反応を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすいところである。
また、ナスダックは続伸ながらもSOX指数は下げており、ハイテク株の弱い動きも手掛けづらくさせそうだ。昨日は東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>が日経平均を下支えする一方で、8割超が下落していた。日経平均は22000円を支持線とした底堅さが意識されるものの、全体としては不安定な状況でもあるため、ややバリュー株への物色に向かいやすいだろう。
その他、足元では中小型株の荒い値動きが目立ち始めている。IPO再開によって資金の流れが変わった面もあるが、シンボル的な役割だったアンジェス<4563>が不安定さをみせてきており、個人のセンチメントにも影響を与えそうであり、他の銘柄等への利益確定にもつながっている。これまで以上に資金回転が速まっていることもあり、コロナ禍において成長期待が大きい銘柄としても、押し目を冷静に拾う流れにも向かいやすいところである。
《AK》