富田隆弥の【CHART CLUB】 「日米とも放れ方向に注目」
◆相場における最大の材料は「需給」である。良くない材料があろうとも、「売り」より「買い」が多ければ相場は上がる。逆に、良い材料が揃っていても「売り」が勝れば相場は下がる。その「買い方」と「売り方」のどちらが優勢にあるかを示すのが、チャート(トレンド)だ。
◆いま日経平均株価は2万2529円(9日時点)で、日足チャートをみると6月16日から概ね2万2000~2万2600円の間で推移している。200日移動平均線(9日時点2万1907円)を下値として、25日移動平均線(同2万2475円)を中心にもみ合っている。
◆NYダウ平均も8日終値は2万6067ドルだが、日足チャートは6月中旬から2万5000~2万6300ドルの間でもみ合いが続く。200日線(8日時点2万6239ドル)を上値に、25日線(同2万6078ドル)近辺で膠着感が漂う。
◆このように「もみ合い」が続く状況は、「売り」と「買い」の勢力が拮抗していることを示すもので、その後の「放れ」により優劣が決まる。もみ合いが長引けば売りと買いのエネルギーも溜まり、相場は放れた方向に大きく走りやすくなる。「放れに従え」という格言が当てはまるのがこうした需給関係だ。
◆いま株式市場では「新型コロナウイルス感染拡大」対「金融・財政支援」という正負の材料がせめぎ合う構図が続いている。だが、7月も中旬となり1月高値期日を迎え、4-6月期決算の発表も始まる。日経平均とNYダウはそろそろ「放れ」を見せてもおかしくなく、放れる方向を注目しておきたい。
(7月9日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース