新興市場見通し:新興ハイテク株は一進一退、弁護士コムなど決算や2社IPOも

市況
2020年7月25日 15時16分

今週の新興市場では、マザーズ指数が週間ベースで上昇へ転じた。米国市場で7月21日、それまで売られていたハイテク株が急反発し、ナスダック総合指数は過去最高値を更新。翌22日の東京市場でも新興ハイテク株に買いが入り、マザーズ指数は大幅上昇した。ただ、日足チャートでは1010pt台に位置する25日移動平均線を明確に上抜けすることができず、1000ptを挟んだもみ合いが続いている。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.2%であったのに対して、マザーズ指数は+2.8%、日経ジャスダック平均は+0.9%だった。

個別では、メルカリ<4385>が週間で7.0%高となり、マザーズ指数の上昇をけん引。その他マザーズ時価総額上位も弁護士ドットコム<6027>が同2.4%高、ラクス<3923>が同2.9%高と全般堅調で、Sansan<4443>は同8.1%高と上げが目立った。売買代金上位ではAiming<3911>が新作ゲームの好調で急ピッチのリバウンドを見せ、週間のマザーズ上昇率トップ。決算が好感されたマクアケ<4479>や新製品の販売開始を発表したプレシジョン・システム・サイエンス<7707>、直近上場のGMOフィナンシャルゲート<4051>なども大幅高となった。一方、アンジェス<4563>は資金流出が続き同8.9%安。直近上場のアイキューブドシステムズ<4495>、実質的存続性の喪失に係る猶予期間入り銘柄に指定されたサマンサタバサジャパンリミテッド<7829>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力はワークマン<7564>が同2.5%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同3.9%高となる一方、日本マクドナルドHD<2702>が同2.3%安、セリア<2782>が同1.6%安と高安まちまち。売買代金上位では吸収性局所止血材の製造販売承認を受けてスリー・ディー・マトリックス<7777>が賑わった。また、小田原エンジニアリング<6149>が週間のジャスダック上昇率トップ、オンキヨー<6628>が下落率トップとなった。

来週の新興市場では、引き続きマザーズ指数が一進一退の展開となりそうだ。日米市場全体でのハイテク株の趨勢を見極めたいとのムードが一段と強まる可能性がある。コロナ禍でのニューノーマル(新常態)や低金利継続を見据え、新興ハイテク株への期待は根強い。一方でやはり投資資金の流入には一服感があり、上値の重さも否めない。4-6月期決算発表が本格化し、市場の関心が主力大型株に向かいやすい面もある。

来週は、7月27日に弁護士コム、29日に沖縄セルラー電話<9436>、30日にセプテーニ・HD<4293>、Jストリーム<4308>、アンジェス、東映アニメーション<4816>、31日にセリア、テクノホライゾン・HD<6629>などが決算発表を予定している。弁護士コムは法律相談の増加や電子契約サービスの一段の普及が期待され、動画ソリューションを手掛けるJストリームなども期待が高いようだ。セリアは巣ごもり消費を取り込んで5-6月既存店売上高が好調だった。

IPO関連では、7月31日に日本情報クリエイト<4054>とSun Asterisk<4053>がマザーズへ新規上場する。ともに公開規模はやや荷もたれ感のある水準だが、時流に乗る事業内容で前評判は高いようだ。ただ、直近上場銘柄が揃って初値後に値を崩したことは気掛かり。なお、今週はインターファクトリー<4057>(8月25日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.