警戒感強いものの押し目買いに下げ幅縮小/後場の投資戦略

市況
2020年7月27日 12時13分

日経平均 : 22629.30 (-122.31)

TOPIX  : 1565.02 (-7.94)

[後場の投資戦略]

今日の東京株式市場は4連休明けの取引となった。前場は、4連休中の内外の出来事を織り込みながらの相場展開だった。4連休中に何が起きたのか、簡単に整理しておこう。

まず米中対立。すでに報じられているように、両国間で在外公館の閉鎖を巡る応酬が続いている。また、ポンペオ米国務長官が習近平国家主席を「全体主義のイデオロギーの信奉者だ」と批判した一方で、中国が南シナ海の一部で軍事訓練を実施すると発表するなど、両国の対立は先鋭化している。トランプ米大統領の対中強硬姿勢は大統領選挙に向けた自国民向けのパフォーマンスとの見方が強いが、この問題の警戒レベルが4連休中に1段階上がったことは間違いないだろう。さらに、英国に続きフランスも5Gでファーウェイ製品を排除する意向であることが伝えられるなど、ここにきて中国との対立が米国以外の西側諸国へも急速に拡大していることが問題を複雑にしている。

二つ目は新型コロナ。ここ最近、新型コロナ感染拡大を伝えるニュースは「GoToトラベル」とセットで報じられることが多い。「GoToトラベル」が始まった4連休中の感染者数は、ここから10日程度後に明らかになるとみられている。現時点では「GoToトラベル」は賛否両論が交錯しているが、もし4連休中の感染者数が大きく増えていれば、「GoToトラベル」への評価は一気にネガティブなものに傾くこととなり、このことは世論も動かすだろう。安倍政権への批判から、政権基盤を揺さぶる可能性も否定できない。これまでは日々の感染者数に一喜一憂するだけだったが、この4連休を境に、感染拡大が政権基盤にどう影響するかという新たな視点も必要になりそうだ。

最後に決算。先週末にかけて米国株が下落したことからも分かるように、4連休中に発表された米国企業の4-6月期決算は、総じて市場の期待を満たすものではなかったようだ。ただ、こちらについては東京市場ではネガティブに作用するとばかりとは言えない。4連休前までは、東京市場には日本企業の4-6月期決算への漠然とした期待があり、期待を裏切られた場合の株価下落を警戒する声もあった。しかし、4連休中の海外企業の決算発表やその後の株価下落を受け、日本企業の決算への期待値はかなり下がった可能性がある。逆に言えば、好決算企業には株価がポジティブに反応しやすい下地ができたとも考えられる。

以上のように、4連休中に起きたことを振り返りつつ今後の相場を考えると、東京市場の相場環境はかなり厳しくなる中で、個別企業の決算内容が一段と重要性を増す、ということになりそうだ。市場の雰囲気に流されることなく、今週から本格化する個別企業の4-6月期決算に目を光らせたい。

さて、後場の東京株式市場においては、日経平均はもみ合いとなりそうだ。新型コロナや西側諸国と中国との対立激化に対する警戒感は引き続き強く、これが引き続き上値抑制要因となろう。一方、前場のTOPIXが0.50%下落しており、日銀によるETF買いへの思惑が働きやすい。また、テクニカル面では下値支持線として意識される25日移動平均線が22500円台にあるため、ここからの下値は限定的となりそうだ。

《AK》

提供:フィスコ

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