明日の株式相場戦略=円高進行と半導体株の行方を読む
28日の東京株式市場で日経平均株価は、後場に入り失速し前日比58円安と3日続落で取引を終えた。特に売買代金は1兆9800億円台と2兆円割れに落ち込み、薄商い状態が目立った。
「きょうの取引終了後に、東京エレクトロン<8035>やファナック<6954>といった指数への影響度が高い銘柄の決算発表が控えていたことも、様子見姿勢が強まった要因」(アナリスト)との分析もあった。その決算の結果に関しては、「東エレクは良好な内容」(同)と前向きに受け止める見方が出ている。一方でファナックは中間期業績を増額修正したが、通期見通しは大幅減益の予想。内容は、あまり芳しくないと評価する声もある。明日の株価の反応を確かめる必要があるが、“半導体体好調・FA不調”を表す結果となったようだ。
そんななか、ハイテク株の頭を抑える要因として円高の進行が警戒されている。ドル円相場は、前日に一時1ドル=105円10銭台に円高が進行。きょうから明日にかけての米連邦公開市場委員会(FOMC)は、金融政策は現状維持だが、米国の低金利政策が確認されるとの予想もある。ただ、この円高に関しても「3月初旬には101円台まで円高が進行した。105円台なら市場への影響は限定的。特に、東エレクは円建ての輸出が多く円高への抵抗力は強い」(市場関係者)との声も出ている。
今晩は、海外では米7月消費者信頼感指数が発表される。また、AMDやマクドナルド、ビザ、ファイザーなどが決算を発表する。国内では、明日の引け後にエムスリー<2413>や花王<4452>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、野村ホールディングス<8604>、ANAホールディングス<9202>などの決算が予定されている。(岡里英幸)