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2020年7月28日 19時30分
特集

敵対的TOBも登場する「親子上場」の行方、「キオクシア」IPO観測に注目も <株探トップ特集>

―大戸屋VSコロワイドで関心再燃、利益相反の懸念あり関係解消の動きは加速へ―

株式市場で「親子上場」に対する関心が再燃している。昨年秋にかけ、コーポレートガバナンス(企業統治)強化に向け上場子会社を完全子会社化する動きが強まったことなどから、親子上場関連銘柄に注目も高まった。その後、コロナ禍のなか親子上場への関心はいったん後退したが、大戸屋ホールディングス <2705> [JQ]に対するコロワイド <7616> の敵対的TOBの実施もあり、投資家の関心は再び親子上場に向かっている。

●ソニーFH、ファミマ、大戸屋HDとTOBが続く

足もとで「親子上場」に関係する株式市場の動きが活発化している。ソニー <6758> は、65%出資していたソニーフィナンシャルホールディングス <8729> をTOBにより完全子会社化し、同社は8月31日で上場廃止となる予定だ。また、伊藤忠商事 <8001> は50.1%出資するファミリーマート <8028> の完全子会社化を目指してTOBを実施している。更に、いま株式市場で最もホットな話題のひとつとなっているのが、コロワイドによる大戸屋HDに対する敵対的TOBだ。

コロワイドは大戸屋の株式の約19%を保有する筆頭株主だが、その保有比率を51%に引き上げることを目的にTOBの実施を発表した。しかし、同社のTOBに対して大戸屋は反対意見を表明したことで、敵対的TOBへと発展した。

親子関係での敵対的TOBでは、今春に発生した前田建設工業 <1824> と前田道路 <1883> に続くものとなる。大戸屋へのTOB価格は1株当たり3081円で、8月25日まで予定されている。大戸屋HDがコロワイドのTOB価格を上回る資金を提供するホワイトナイト(白馬の騎士)を見つけられるか、などが注目されている。

●「利益相反」の懸念もあり親子上場の解消は今後も活発化

親子上場は、親会社の決定により上場子会社の少数株主が不利益を被る「利益相反」の可能性があることが、かねてから懸念視されてきた。昨年春には政府の「未来投資会議」が、親子上場の問題を取り上げ、東証もコーポレートガバナンスの観点から制度整備を進めており、今年2月には、ガバナンス向上に向けた規程改正が行われた。

この流れのなか、昨年秋には東芝 <6502> [東証2]や三菱ケミカルホールディングス <4188> などが上場子会社の完全子会社化を発表。市場では、親子上場が注目テーマとして急浮上した。今年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大でやや影に隠れた感もあるが、ソニーFHやファミマ、大戸屋HDなどへのTOBで再び、親子上場が脚光を浴びている格好だ。

日本の上場企業のうち支配株主(親会社)のいる上場会社は、全体の2割近くにのぼるとされている。しかし、市場では親子上場解消の動きは今後も活発化すると予想されており、そこに投資機会が発生するとみられている。

●富士通グループや住友化学、三菱商事系などに注目も

具体的には、富士通 <6702> グループのFDK <6955> [東証2]や富士通フロンテック <6945> [東証2]、新光電気工業 <6967> 、富士通ゼネラル <6755> などや住友化学 <4005> グループの大日本住友製薬 <4506> や神東塗料 <4615> 、広栄化学工業 <4367> [東証2]などには、親子上場解消の思惑がくすぶっている。また、三菱商事 <8058> が親会社となっているローソン <2651> はファミマに続く完全子会社化の思惑があり、同じく三菱商の子会社の三菱食品 <7451> も親子上場の関連銘柄だ。

また、日立製作所 <6501> は日立化成を昭和電工 <4004> に売却したが日立金属 <5486> や日立キャピタル <8586> などにも思惑は波及しそうだ。加えてNEC <6701> が親会社となっている日本航空電子工業 <6807> 、東映 <9605> 傘下の東映アニメーション <4816> [JQ]、内田洋行 <8057> 子会社のウチダエスコ <4699> [JQ]や図研 <6947> 系の図研エルミック <4770> [東証2]、フォーバル <8275> 傘下のフォーバル・リアルストレート <9423> [JQ]などにも思惑が出ている。

●今秋に「キオクシア」のIPO観測、東芝株に好インパクトも

更に、親子上場にも絡み、今秋にかけ市場の関心を集める可能性があるのが、東芝が約40%の株式を保有するキオクシアホールディングス(旧、東芝メモリーホールディングス)の株式上場(IPO)思惑だ。キオクシアは10月をメドに上場を目指している、とも報道されており、IPOが決定すれば高い関心を呼ぶことは必至。東芝はキオクシアの株は段階的に売却する方針とされているが、上場時の時価総額は数兆円との見方もあるだけに、東芝の株価にも好インパクトを与えそうだ。

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