今週の【早わかり株式市況】3週ぶり下落、買い材料に乏しく下値試す展開
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週ぶりに下落、買い手掛かりに欠けるなか下値試す展開に
2.米国のファーウェイ輸出規制強化など米中摩擦の激化懸念が嫌気される
3.米国ではS&P500やナスダックが最高値更新とリスクオン相場継続
4.FOMC議事要旨ではFRBが追加緩和に消極的とみられ手控え材料に
5.週を通じて薄商いで売買代金は2兆円台を大きく下回る閑散相場が続く
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比369円(1.58%)安の2万2920円と反落した。
今週は買い手掛かり材料が少なく、薄商いのなか、前週の日経平均が大幅上昇した反動もあって見送りムードの強い地合いとなった。日経平均は再び2万3000円台を下回った。また、売買代金は週を通じて2兆円台に大きく割り込む閑散商状となった。
17日(月)は日経平均が200円近く下げ、5営業日ぶりに反落した。前週末の米国株が上昇一服となり、米中摩擦への警戒感なども背景に買いが手控えられた。朝方発表された20年4-6月期のGDP速報値がリーマン・ショック時をはるかに上回る戦後最大の落ち込みとなったことも見送りムードを助長した。18日(火)は米国が中国ファーウェイに対する輸出規制を強化すると発表、これがネガティブ材料となり続落となったが下げ幅は小幅だった。19日(水)は前日の米国株市場でS&P500指数、ナスダック総合指数ともに過去最高値をつけたことなどが好感され反発。ただ、上げ幅は60円弱にとどまった。20日(木)は再びリスクオフとなり日経平均は230円の下げ。FOMC議事要旨でFRBが追加緩和に前向きではないとの見方が広がり、米株安に追随する形となった。21日(金)は日経平均が朝方は高く始まり2万3000円台を回復したが、その後は伸び悩んだ。前日の米国株市場で主要株指数が高くナスダック総合指数は史上最高値を更新、これを受けリスク選好でスタートしたが、上値は重く、米中摩擦や円高基調を警戒する売りが上値を押さえた。
■来週のポイント
来週も買い材料難が続くとみられるうえ、円高基調もあって下値を探る展開となりそうだ。
重要イベントとしては、国内は特にないが、海外では25日発表の米国8月コンファレンスボード消費者信頼感指数や27日発表の米国4-6月期GDP[改定値]、28日に発表される米国7月の個人所得と個人消費支出に注視が必要だろう。
■日々の動き(8月17日~8月21日)
【↓】 8月17日(月)―― 5日ぶり反落、GDP落ち込みで利食い売り優勢
日経平均 23096.75( -192.61) 売買高 8億1922万株 売買代金 1兆5014億円
【↓】 8月18日(火)―― 続落、米中摩擦懸念と円高を警戒し売り継続
日経平均 23051.08( -45.67) 売買高 9億7425万株 売買代金 1兆7717億円
【↑】 8月19日(水)―― 3日ぶり反発、商い低調も内需株買われ切り返す
日経平均 23110.61( +59.53) 売買高 9億1533万株 売買代金 1兆6966億円
【↓】 8月20日(木)―― 反落、米景気の先行き不安から2万2300円台割れ
日経平均 22880.62( -229.99) 売買高 9億4567万株 売買代金 1兆7748億円
【↑】 8月21日(金)―― 小反発、買い先行も円高基調を警戒し上昇幅を縮小
日経平均 22920.30( +39.68) 売買高 9億1028万株 売買代金 1兆6777億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、26業種が下落
(2)値下がり率トップのソニー <6758> など電機やダイフク <6383> など機械といった輸出株が売られた
(3)国際石開帝石 <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油といった資源関連株が安い
(4)三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険といった金融株も軟調
(5)ニトリHD <9843> など小売り、三井不 <8801> など不動産といった内需株の一角は堅調
(6)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運が値上がり率トップ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(3) 2020年のIPO
2(1) デジタルトランスフォーメーション(DX)
3(2) 巣ごもり ── コロナ禍でも業績成長トレンドまっしぐら
4(4) 5G
5(14) 2019年のIPO
※カッコは前週の順位
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